問題
次の文章は,「電気設備技術基準」における電気さくの施設の禁止に関する記述である。 電気さく(屋外において裸電線を固定して施設したさくであって,その裸電線に充電して使用するものをいう。)は,施設してはならない。ただし,田畑,牧場,その他これに類する場所において野獣の侵入又は家畜の脱出を防止するために施設する場合であって,絶縁性がないことを考慮し, (ア) のおそれがないように施設するときは,この限りでない。 次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」における電気さくの施設に関する記述である。 電気さくは,次のa)〜f)に適合するものを除き施設しないこと。 a) 田畑,牧場,その他これに類する場所において野獣の侵入又は家畜の脱出を防止するために施設するものであること。 b) 電気さくを施設した場所には,人が見やすいように適当な間隔で (イ) である旨の表示をすること。 c) 電気さくは,次のいずれかに適合する電気さく用電源装置から電気の供給を受けるものであること。 ① 電気用品安全法の適用を受ける電気さく用電源装置 ② 感電により人に危険を及ぼすおそれのないように出力電流が制限される電気さく用電源装置であって,次のいずれかから電気の供給を受けるもの ・電気用品安全法の適用を受ける直流電源装置 ・蓄電池,太陽電池その他これらに類する直流の電源 d) 電気さく用電源装置(直流電源装置を介して電気の供給を受けるものにあっては,直流電源装置)が使用電圧 (ウ) V以上の電源から電気の供給を受けるものである場合において,人が容易に立ち入る場所に電気さくを施設するときは,当該電気さくに電気を供給する電路には次に適合する漏電遮断器を施設すること。 ① 電流動作型のものであること。 ② 定格感度電流が (エ) mA以下,動作時間が0.1秒以下のものであること。 e) 電気さくに電気を供給する電路には,容易に開閉できる箇所に専用の開閉器を施設すること。 f) 電気さく用電源装置のうち,衝撃電流を繰り返して発生するものは,その装置及びこれに接続する電路において発生する電波又は高周波電流が無線設備の機能に継続的かつ重大な障害を与えるおそれがある場所には,施設しないこと。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
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答え合わせ
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自信の3択
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解説
電気設備技術基準とその解釈にある電気さくの規定を穴埋めする問題です(令和5年度下期 問8)。電気さくは原則として施設できませんが、田畑や牧場で野獣の侵入や家畜の脱出を防ぐために、(ア)感電又は火災のおそれがないように施設する場合は認められます。施設した場所には(イ)危険である旨の表示をし、電源装置が使用電圧(ウ)30 V以上の電源から電気を受ける場合で人が容易に立ち入る場所では、定格感度電流(エ)15 mA以下の漏電遮断器を施設します。正答は(4)です。
前半は電気設備技術基準(省令)、後半は電技解釈第192条(電気さくの施設)の規定です。
(ア) 感電又は火災:電気さくは裸電線に充電して使うので、人が触れれば感電し、草などに触れて火災を起こすおそれもあります。そこで「絶縁性がないことを考慮し、感電又は火災のおそれがないように施設するとき」に限って認めています。「損壊」は電気さくの危険の性質に合いません。
(イ) 危険:電気さくを施設した場所には、人が見やすいように適当な間隔で「危険である旨の表示」をします。電技解釈では、電撃殺虫器など人に危険を及ぼすおそれのある設備にも同じ「危険である旨の表示」が求められています。「電気さくである旨」では、触れると危ないことが伝わりません。
(ウ) 30:電気さく用電源装置(直流電源装置を介する場合は直流電源装置)が使用電圧30 V以上の電源から電気を受ける場合が漏電遮断器の対象です。
(エ) 15:漏電遮断器は電流動作型で、定格感度電流15 mA以下、動作時間0.1秒以下のものとします。
以上から(ア)感電又は火災、(イ)危険、(ウ)30、(エ)15で、正答は(4)です。
電気さくは、裸電線に電気を流して動物に電撃を与えるという、絶縁して人を守るという電気設備の原則と正反対の使い方をする設備です。そのため省令では「施設してはならない」を原則とし、農業や畜産での獣害対策・家畜の管理という目的に限り、感電や火災のおそれがない方法で施設することを認めています。電技解釈第192条の各号は、その「おそれがない方法」の具体的な中身です。
各号は次の考え方で整理できます。
・目的の限定(第一号):田畑・牧場などでの野獣侵入・家畜脱出の防止に限る。
・人への注意喚起(第二号):危険である旨の表示を適当な間隔で行う。
・電源の安全性(第三号):電気用品安全法の適用を受ける電気さく用電源装置か、出力電流が制限された電源装置を直流電源装置・蓄電池・太陽電池などから動かすものに限る。
・商用電源につなぐ場合の追加対策(第四号):使用電圧30 V以上の電源から電気を受け、人が容易に立ち入る場所に施設するときは、電流動作型・定格感度電流15 mA以下・動作時間0.1秒以下の漏電遮断器を施設する。
・操作と電波障害(第五号・第六号):専用の開閉器を容易に開閉できる箇所に設け、衝撃電流を繰り返し出す装置は無線設備に継続的かつ重大な障害を与えるおそれのある場所に施設しない。
第四号の対象は、「電源装置が使用電圧30 V以上の電源から電気の供給を受ける」と「人が容易に立ち入る場所に施設する」の2つの条件がそろう場合です。低い電圧の電池や太陽電池だけで動かす電気さくや、人が容易に立ち入らない場所の電気さくは対象になりません。2つの条件がそろうと人が感電したときの危険が大きくなるため、電流動作型で感度の高い漏電遮断器によって、地絡が生じたらすぐに電路を遮断するようにしています。
選択肢の数値は「100 Vと30 V」「15 mAと10 mA」の組合せになっています。100 Vは一般的な商用電源の電圧から連想させる値で、規定の30 Vとは異なります。また(ア)の「損壊」と(イ)の「電気さく」は、文の流れとしては読めてしまう語句ですが、規定の目的(感電・火災の防止、危険の周知)と合いません。
- 電気設備に関する技術基準を定める省令e-Govで原文を読む
- 電気用品安全法e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和5年度下期 第三種電気主任技術者試験 法規(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。

