問題
次の文章は,「電気設備技術基準」における,電気使用場所での配線の使用電線に関する記述である。 a) 配線の使用電線( (ア) 及び特別高圧で使用する (イ) を除く。)には,感電又は火災のおそれがないよう,施設場所の状況及び (ウ) に応じ,使用上十分な強度及び絶縁性能を有するものでなければならない。 b) 配線には, (ア) を使用してはならない。ただし,施設場所の状況及び (ウ) に応じ,使用上十分な強度を有し,かつ,絶縁性がないことを考慮して,配線が感電又は火災のおそれがないように施設する場合は,この限りでない。 c) 特別高圧の配線には, (イ) を使用してはならない。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
この問題は,電気使用場所の配線に使う電線についての電技の規定を問う穴埋め問題です(令和5年度上期 問8)。配線には原則として裸電線を使ってはならず,特別高圧の配線には接触電線を使ってはならないと定められています。使用電線の強度・絶縁性能は,施設場所の状況と電圧に応じて決まります。正答は(5)「裸電線 接触電線 電圧」です。
本問は電技第57条(配線の使用電線)の条文です。
(ア)には「裸電線」が入ります。b)のただし書に「絶縁性がないことを考慮して」とあることから,絶縁被覆のない電線,すなわち裸電線の規定だと分かります。配線に裸電線を使うのは原則禁止で,安全に施設できる場合だけ例外が認められます。
(イ)には「接触電線」が入ります。接触電線とは,電線に接触してしゅう動する集電装置を介して,移動起重機などの移動して使用する電気機械器具に電気を供給するための電線(電技解釈の定義)です。特別高圧の配線には使用できません。
(ウ)には「電圧」が入ります。使用電線に求められる強度・絶縁性能は,施設場所の状況と電圧に応じて決まります。
選択肢1は(ア)(イ)(ウ)のすべて,選択肢2は(ア)(イ)(ウ)のすべて,選択肢3は(ア)(イ),選択肢4は(ウ)が誤りです。すべて正しいのは(5)のみです。
電技第57条は3つの項で構成されています。第1項は配線の使用電線一般について,感電・火災のおそれがないよう施設場所の状況及び電圧に応じた強度・絶縁性能を求める規定で,絶縁性能を前提にできない裸電線と特別高圧の接触電線をその対象から除いています。第2項は裸電線の使用を原則禁止し,ただし書で例外を認める規定,第3項は特別高圧の配線への接触電線の使用を禁止する規定です。a)の括弧書きで「除く」とされた二つが,b)とc)で個別に扱われているという構造をつかむと,(ア)と(イ)を取り違えにくくなります。
(ア)の見分け方は,b)の「絶縁性がないことを考慮して」という一文です。接触電線にも絶縁トロリー線のように絶縁されたものがあるため,「絶縁性がない」ことを前提に書かれた規定は裸電線のものだと判断できます。電技解釈では,裸電線を使ってよい場合として,がいし引き工事による電気炉用電線や,接触電線などを個別に定めています(第144条 裸電線の使用制限)。
(イ)の接触電線は,クレーンなど移動する機械器具へ給電するために,集電装置がしゅう動して接触する電線です。電技解釈では低圧・高圧の接触電線の施設方法が定められている一方,「特別高圧の接触電線は,電車線を除き施設しないこと」とされており,電技第57条第3項の禁止を具体化しています。
(ウ)の「電圧」は,電技の多くの条文で「施設場所の状況及び電圧に応じ」という形で現れる決まった言い回しです。選択肢の「施設方法」「使用目的」は条文にありそうな語ですが,電線の強度・絶縁性能を決める要素として条文が挙げているのは電圧です。また選択肢1の「移動電線」は,電気使用場所に施設する電線のうち造営物に固定しないもの(電球線及び電気機械器具内の電線を除く)を指す別の用語で,第57条が特別高圧の配線について禁止している電線ではありません。
裸電線・接触電線・移動電線は,いずれも電気使用場所の規定で登場する用語です。それぞれの定義と,どの電圧で何が禁止・制限されているかを対応させて覚えておくと,同じ条文の穴埋めに確実に対応できます。
- 電気設備に関する技術基準を定める省令第57条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和5年度上期 第三種電気主任技術者試験 法規(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。

