問題
次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」における分散型電源の低圧連系時及び高圧連系時の施設要件に関する記述である。 a) 単相3線式の低圧の電力系統に分散型電源を連系する場合において, (ア) の不平衡により中性線に最大電流が生じるおそれがあるときは,分散型電源を施設した構内の電路であって,負荷及び分散型電源の並列点よりも (イ) に,3極に過電流引き外し素子を有する遮断器を施設すること。 b) 低圧の電力系統に逆変換装置を用いずに分散型電源を連系する場合は, (ウ) を生じさせないこと。ただし,逆変換装置を用いて分散型電源を連系する場合と同等の単独運転検出及び解列ができる場合は,この限りではない。 c) 高圧の電力系統に分散型電源を連系する場合は,分散型電源を連系する配電用変電所の (エ) において,逆向きの潮流を生じさせないこと。ただし,当該配電用変電所に保護装置を施設する等の方法により分散型電源と電力系統との協調をとることができる場合は,この限りではない。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
この問題は,太陽光発電などの分散型電源を低圧・高圧の電力系統に連系するときの施設要件を問う穴埋め問題です(令和5年度上期 問7)。単相3線式での中性線の過電流対策,逆変換装置を使わない低圧連系での逆潮流の禁止,高圧連系での配電用変圧器の逆向きの潮流の禁止という3つの場面が問われています。正答は(1)「負荷 系統側 逆潮流 配電用変圧器」です。
(ア)には「負荷」が入ります。単相3線式では,構内の負荷が2つの電圧線の間で不平衡になると中性線に電流が流れ,分散型電源の出力が加わると中性線に最大電流が生じるおそれがあります。
(イ)には「系統側」が入ります。負荷及び分散型電源の並列点よりも系統側に,3極(中性線を含む)に過電流引き外し素子を有する遮断器を施設し,中性線の過電流も検出して遮断できるようにします。
(ウ)には「逆潮流」が入ります。逆潮流とは,分散型電源設置者の構内から電力系統側へ向かう有効電力の流れです。逆変換装置を用いない低圧連系では,同等の単独運転検出・解列ができる場合を除き,逆潮流を生じさせてはなりません。
(エ)には「配電用変圧器」が入ります。高圧連系では,配電用変電所の配電用変圧器において逆向きの潮流を生じさせないことが求められます。
選択肢2は(イ)(エ),選択肢3は(ウ),選択肢4は(ア)(イ)(ウ)(エ)のすべて,選択肢5は(ア)が誤りです。すべて正しいのは(1)のみです。
本問は電技解釈第226条(低圧連系時の施設要件)と第228条(高圧連系時の施設要件)からの出題です。用語の定義は第220条にまとめられており,ここを押さえると(ウ)の判断がはっきりします。
「逆潮流」は,分散型電源設置者の構内から一般送配電事業者が運用する電力系統側へ向かう有効電力の流れです。これに対し「逆充電」は,分散型電源を連系している電力系統が事故等によって系統電源と切り離された状態で,分散型電源のみが連系している電力系統を加圧し,かつ,その電力系統へ有効電力を供給していない状態をいいます。逆充電は系統が切り離された異常時の状態を表す語で,b)の「生じさせないこと」の対象となる平常時の電力の流れではありません。似た語として「単独運転」(系統から切り離された状態で分散型電源が発電を続け,線路負荷に有効電力を供給している状態)もあり,この三つの区別は頻出です。
a)の単相3線式の規定は,構内の負荷が不平衡のときに分散型電源の出力が加わると,中性線に電圧線を上回る電流が流れることがあるために設けられています。通常の2極の遮断器では中性線の過電流を検出できないため,3極に過電流引き外し素子を有する遮断器を,負荷と分散型電源の並列点より系統側に置きます。
b)で逆変換装置を用いない場合に逆潮流を禁止しているのは,回転機による連系では逆変換装置と同等の単独運転検出・解列を確保しにくいためで,同等の検出・解列ができる場合はただし書で除外されます。
c)の高圧連系では,配電用変電所の配電用変圧器(いわゆるバンク)で電力が上位系統側へ逆向きに流れると,変電所側の電圧調整や保護が想定どおりに働かなくなるおそれがあるため,原則として禁止されています。選択肢の「引出口」は配電用変電所の配電線の送り出し口を指す語で,条文が対象としているのは配電用変圧器です。
分散型電源の系統連系は,用語の定義,低圧・高圧それぞれの施設要件,保護装置の規定が組み合わされて出題されます。第220条の定義を起点に整理しておくと,語の入れ替えによるひっかけに対応できます。
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出典と作り方
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和5年度上期 第三種電気主任技術者試験 法規(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。

