問題
次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく分散型電源の系統連系設備に関する記述である。 a) 逆変換装置を用いて分散型電源を電力系統に連系する場合は,逆変換装置から直流が電力系統へ流出することを防止するために,受電点と逆変換装置との間に変圧器(単巻変圧器を除く)を施設すること。ただし,次の①及び②に適合する場合は,この限りでない。 ①逆変換装置の交流出力側で直流を検出し,かつ,直流検出時に交流出力を (ア) する機能を有すること。 ②次のいずれかに適合すること。 ・逆変換装置の直流側電路が (イ) であること。 ・逆変換装置に (ウ) を用いていること。 b) 分散型電源の連系により,一般送配電事業者が運用する電力系統の短絡容量が,当該分散型電源設置者以外の者が設置する遮断器の遮断容量又は電線の瞬時許容電流等を上回るおそれがあるときは,分散型電源設置者において,限流リアクトルその他の短絡電流を制限する装置を施設すること。ただし, (エ) の電力系統に逆変換装置を用いて分散型電源を連系する場合は,この限りでない。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
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答え合わせ
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自信の3択
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解説
この問題は,太陽光発電などの分散型電源を逆変換装置(インバータ)で系統連系するときの直流流出防止と,短絡電流を制限する装置の施設要件を問う穴埋め問題です(令和4年度下期 問8)。直流流出防止の変圧器は,直流を検出して出力を停止する機能があり,直流側が非接地か高周波変圧器を使っていれば省略できます。短絡電流の制限装置は,低圧系統に逆変換装置で連系する場合は不要です。正答は(4)「停止 非接地式電路 高周波変圧器 低圧」です。
(ア)には「停止」が入ります。変圧器を省略するには,逆変換装置の交流出力側で直流を検出し,直流を検出したときに交流出力を停止する機能が必要です。出力を「抑制」するだけでは直流の流出を止めきれません。
(イ)には「非接地式電路」が入ります。逆変換装置の直流側電路が非接地であることが,省略の条件の一つです。
(ウ)には「高周波変圧器」が入ります。逆変換装置の内部に高周波変圧器を用いて入出力を絶縁していることも,省略の条件の一つです。高周波チョッパには絶縁の機能がありません。
(エ)には「低圧」が入ります。低圧の電力系統に逆変換装置を用いて連系する場合は,限流リアクトル等の施設は不要です。逆変換装置は出力電流を制御しているため,事故時に系統へ流し込む短絡電流が小さいからです。
選択肢1は(イ),選択肢2は(ア)(イ)(ウ)(エ)のすべて,選択肢3は(エ),選択肢5は(ア)(ウ)が誤りです。すべて正しいのは(4)のみです。
a)は電技解釈第221条(直流流出防止変圧器の施設),b)は第222条(限流リアクトル等の施設)の規定です。
逆変換装置は直流を交流に変換する装置なので,故障すると交流出力に直流成分が混じるおそれがあります。直流が電力系統に流出すると,柱上変圧器などの鉄心が直流で偏磁して励磁電流がひずみ,過熱や保護装置の不要動作の原因になります。そこで第221条は,受電点と逆変換装置の間に変圧器(単巻変圧器を除く)を施設して直流を通さないことを原則にしています。単巻変圧器が除かれるのは,一次側と二次側が電気的につながっていて直流を遮れないためです。なお第2項で,この変圧器は直流流出防止専用である必要はないとされています。
ただし書の条件は二段構えです。まず①として,直流を検出して交流出力を停止する機能を必ず持つこと。そのうえで②として,直流側電路が非接地であるか,逆変換装置に高周波変圧器を用いて入出力を絶縁していることのいずれかを満たすことです。①と②の両方が必要で,①だけ,②だけでは省略できない点が正誤問題でよく問われます。高周波変圧器を用いる方式(高周波絶縁方式)は,小型の変圧器で直流側と交流側を絶縁できるため,トランスレス方式と並んで太陽光発電用のパワーコンディショナで使われています。
第222条の短絡電流対策は,分散型電源がつながることで系統の短絡容量が増え,他者の遮断器の遮断容量や電線の瞬時許容電流を超えるおそれがある場合に,分散型電源設置者側で限流リアクトル等を設けさせる規定です。回転機の発電機は事故時に大きな短絡電流を供給しますが,逆変換装置は出力電流を制御するため短絡電流への寄与が小さく,しかも低圧連系では設備容量も小さいことから,低圧系統に逆変換装置で連系する場合は除外されています。高圧連系では,逆変換装置を用いる場合でもこの除外はありません。
選択肢の「抑制」「中性点接地式電路」「高周波チョッパ」は,いずれも条文の語に近い印象を与える語です。停止と抑制,非接地と接地,変圧器(絶縁あり)とチョッパ(絶縁なし)のように,対になる語の意味の違いから正解を判断できるようにしておくと,系統連系の穴埋め問題に強くなります。
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出典と作り方
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和4年度下期 第三種電気主任技術者試験 法規(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。
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執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。

