問題
次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく高圧屋内配線に関する記述である。 高圧屋内配線は, (ア) 工事(乾燥した場所であって展開した場所に限る。)又はケーブル工事により施設すること。 ケーブル工事による高圧屋内配線で,防護装置としての金属管にケーブルを収めて施設する場合には,その管に (イ) 接地工事を施すこと。ただし,接触防護措置(金属製のものであって,防護措置を施す設備と電気的に接続するおそれがあるもので防護する方法を除く。)を施す場合は,D種接地工事によることができる。 高圧屋内配線が,他の高圧屋内配線,低圧屋内配線,管灯回路の配線,弱電流電線等又は水管,ガス管若しくはこれらに類するもの(以下この問において「他の屋内電線等」という。)と接近又は交差する場合は,次のa),b)のいずれかによること。 a) 高圧屋内配線と他の屋内電線等との離隔距離は, (ウ) ( (ア) 工事により施設する低圧屋内電線が裸電線である場合は,30 cm)以上であること。 b) 高圧屋内配線をケーブル工事により施設する場合においては,次のいずれかによること。 ① ケーブルと他の屋内電線等との間に (エ) のある堅ろうな隔壁を設けること。 ② ケーブルを (エ) のある堅ろうな管に収めること。 ③ 他の高圧屋内配線の電線がケーブルであること。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
この問題は,高圧屋内配線の工事方法,防護用の金属管の接地工事,他の屋内電線等との離隔を問う穴埋め問題です(令和4年度下期 問6)。高圧屋内配線は,乾燥した展開した場所でのがいし引き工事か,ケーブル工事で施設します。ケーブルを収める金属管にはA種接地工事を施し,他の屋内電線等とは15cm以上離すか,耐火性のある隔壁・管で隔てます。正答は(1)「がいし引き A種 15cm 耐火性」です。
本問は電技解釈第168条(高圧配線の施設)の規定です。
(ア)には「がいし引き」が入ります。高圧屋内配線の工事方法は,がいし引き工事(乾燥した場所であって展開した場所に限る)又はケーブル工事に限られます。合成樹脂管工事は高圧屋内配線には使えません。
(イ)には「A種」が入ります。ケーブルを収める管などの防護装置の金属製部分にはA種接地工事を施し,接触防護措置を施す場合はD種接地工事でよいとされています。C種接地工事は低圧の使用電圧300V超の設備に用いる種別です。
(ウ)には「15 cm」が入ります。高圧屋内配線と他の屋内電線等との離隔距離は15cm以上で,がいし引き工事の低圧屋内電線が裸電線の場合だけ30cm以上です。
(エ)には「耐火性」が入ります。ケーブル工事では,耐火性のある堅ろうな隔壁を設けるか,耐火性のある堅ろうな管に収めれば離隔を取らなくてもよいとされています。
選択肢2は(ア)(イ)(ウ),選択肢3は(イ)(エ),選択肢4は(ア)(ウ)(エ),選択肢5は(エ)が誤りです。すべて正しいのは(1)のみです。
高圧屋内配線は,低圧に比べて絶縁破壊や地絡が起きたときの危険が大きいため,工事方法が二つに限定されています。がいし引き工事は電線をがいしで支持して造営材から離す工事で,電線の状態を目で確認できるよう「乾燥した場所であって展開した場所」に限られます。ケーブル工事はケーブル自体の外装で絶縁と保護を確保する工事です。合成樹脂管工事や金属管工事などは低圧屋内配線の工事方法で,高圧屋内配線には認められていません。
(イ)のA種接地工事は,高圧の機器の外箱などにも施される接地工事で,接地抵抗値は原則10Ω以下です。ケーブルの金属被覆や防護用の金属管に高圧が現れたときに,その電位上昇を抑えて地絡電流を確実に流し,保護装置を動作させるためのものです。C種接地工事も接地抵抗値は原則10Ω以下ですが,こちらは使用電圧300Vを超える低圧の機器や配線の管などに施す種別で,高圧の防護装置には用いません。なお,接触防護措置を施して人が容易に触れられないようにすればD種接地工事で足りるという緩和は,低圧の金属管工事などと同じ形です。
(ウ)の離隔距離15cmは,高圧屋内配線と,他の高圧屋内配線・低圧屋内配線・管灯回路の配線・弱電流電線等・水管・ガス管などとの間に確保する距離です。括弧書きの30cmは,相手の低圧屋内電線ががいし引き工事で施設された裸電線である場合に限った例外で,裸電線は絶縁被覆がないため距離を大きくとります。数値は15cmが原則,30cmが例外と整理しておきます。
(エ)の「耐火性」は,高圧ケーブルの事故で発生するアークや熱が他の電線や配管に及ぶのを防ぐための性能です。選択肢の「難燃性」は燃えにくい性質を指しますが,この規定で隔壁や管に求められているのは耐火性です。また③のように,相手の高圧屋内配線もケーブルであれば,双方が外装で保護されているため離隔は不要です。
屋内配線の規定は,高圧と低圧で工事方法・接地の種別・離隔距離が異なります。高圧屋内配線は「がいし引き(乾燥・展開)かケーブル」「防護装置はA種接地」「離隔15cm」「隔壁・管は耐火性」の四点を,低圧の規定と対比して覚えておくと混同を防げます。
- 電気設備に関する技術基準を定める省令e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和4年度下期 第三種電気主任技術者試験 法規(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。

