問題
次の文章は,「電気設備技術基準」に基づく支持物の倒壊の防止に関する記述の一部である。 架空電線路又は架空電車線路の支持物の材料及び構造(支線を施設する場合は,当該支線に係るものを含む。)は,その支持物が支持する電線等による (ア) ,10分間平均で風速 (イ) m/s の風圧荷重及び当該設置場所において通常想定される地理的条件, (ウ) の変化,振動,衝撃その他の外部環境の影響を考慮し,倒壊のおそれがないよう,安全なものでなければならない。ただし,人家が多く連なっている場所に施設する架空電線路にあっては,その施設場所を考慮して施設する場合は,10分間平均で風速 (イ) m/s の風圧荷重の (エ) の風圧荷重を考慮して施設することができる。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
この問題は,架空電線路・架空電車線路の支持物(電柱・鉄塔など)が倒壊しないために考慮すべき荷重と外部環境を問う穴埋め問題です(令和5年度上期 問5)。支持物は,電線等による引張荷重,10分間平均で風速40m/sの風圧荷重,気象の変化などを考慮して設計し,人家が多く連なっている場所では風圧荷重を2分の1にできます。正答は(3)「引張荷重 40 気象 2分の1」です。
本問は電技第32条(支持物の倒壊の防止)の条文です。
(ア)には「引張荷重」が入ります。電柱や鉄塔は,張られた電線等に引っ張られる力を受けるため,その引張荷重を考慮します。
(イ)には「40」が入ります。風圧荷重は,10分間平均で風速40m/sの風を基準にします。
(ウ)には「気象」が入ります。地理的条件,気象の変化,振動,衝撃その他の外部環境の影響を考慮します。「温度」は気象の要素の一つですが,条文の語は「気象」です。
(エ)には「2分の1」が入ります。人家が多く連なっている場所では,施設場所を考慮して施設すれば,風速40m/sの風圧荷重の2分の1の風圧荷重で設計できます。
選択肢1は(イ)(ウ)(エ),選択肢2は(ア)(イ)(エ),選択肢4は(ア)(イ)(ウ),選択肢5は(ア)が誤りです。すべて正しいのは(3)のみです。
電技第32条は,支持物の倒壊防止について,考慮すべき荷重と外部環境を性能規定の形で定めた条文です。具体的な荷重の大きさや計算方法は電技解釈に委ねられており,電技解釈の「架空電線路の強度検討に用いる荷重」や,鉄筋コンクリート柱・鉄柱・鉄塔の構成などの規定が,この第32条を具体化しています。
(ア)の引張荷重は,電線や支線の張力として支持物にかかる荷重で,特に引留め箇所や角度のある箇所では大きな不平均張力となります。「重量荷重」という語は条文にはなく,条文は「支持物が支持する電線等による引張荷重」と表現しています。
(イ)の「10分間平均で風速40m/s」は,強い台風を想定した設計の基準となる風速で,電技解釈の甲種風圧荷重も風速40m/sを前提にしています。選択肢の「60」は条文にない数値です。
(エ)の緩和は,人家が多く連なっている場所では周囲の建物が風を遮るため,支持物や電線が受ける風圧が開けた場所より小さくなることを踏まえたものです。ただし,この緩和は「その施設場所を考慮して施設する場合」に限られ,対象も架空電線路です。電技解釈第58条でも,人家が多く連なっている場所に施設される低圧又は高圧の架空電線路の支持物・架渉線などについて,甲種風圧荷重又は乙種風圧荷重に代えて丙種風圧荷重(甲種風圧荷重の0.5倍を基礎として計算したもの)を適用できるとしており,同じ考え方が具体化されています。
(ウ)の「気象の変化」には,風だけでなく着氷雪や気温変化による電線の張力変化なども含まれます。「温度」はその一部にすぎないため,条文の語として正しいのは「気象」です。
支持物の強度は,法規のB問題で風圧荷重や支線の張力を計算させる問題の前提にもなります。条文の数値(40m/s,2分の1)を正確に覚えたうえで,電技解釈の風圧荷重(甲種・乙種・丙種)の考え方とつなげて理解しておくと,計算問題にも対応しやすくなります。
- 電気設備に関する技術基準を定める省令第32条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和5年度上期 第三種電気主任技術者試験 法規(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。

