問題
出力600 kW の太陽電池発電所を設置したショッピングセンターがある。ある日の太陽電池発電所の発電の状況とこのショッピングセンターにおける電力消費は図に示すとおりであった。すなわち,発電所の出力は朝の6 時から12 時まで直線的に増大し,その後は夕方18 時まで直線的に下降した。また,消費電力は深夜0 時から朝の10 時までは100 kW,10 時から17 時までは300 kW,17 時から21 時までは400 kW,21 時から24 時は100 kW であった。このショッピングセンターは自然エネルギーの活用を推進しており太陽電池発電所の発電電力は自家消費しているが,その発電電力が消費電力を上回って余剰を生じたときは電力系統に送電している。次の(a)の問に答えよ。 (a) この日,太陽電池発電所から電力系統に送電した電力量の値[kW・h]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
送電した電力量は、発電電力が消費電力を上回った部分だけを足し合わせた面積です。発電は6時に0、12時に600 kWの山形で、傾きは毎時100 kWです。発電が消費を上回るのは、7時(発電100 kW=消費100 kW)から15時(発電300 kW=消費300 kW)までです。7〜10時は消費100 kWとの差が0から300 kWへ増え、面積は 1/2×3×300=450 kWh。10〜12時は消費300 kWとの差が100 kWから300 kWへ増え、(100+300)/2×2=400 kWh。12〜15時は差が300 kWから0へ減り、1/2×3×300=450 kWh。合計は450+400+450=1 300 kWhで、正答は(2)です。
【考え方】余剰電力量=「発電電力−消費電力」が正になる区間の面積です。
【発電電力の式】6〜12時:P=100(t−6),12〜18時:P=100(18−t)(kW,ピーク600 kW)。
【余剰の始まりと終わり】
・消費100 kWの時間帯:100(t−6)=100 → t=7時から余剰が始まる。
・10時に消費が300 kWへ上がるが、そのとき発電は400 kWなので余剰は続く。
・12時以降は100(18−t)=300 → t=15時で余剰が終わる。15〜17時は発電が300 kWを下回り、17時以降は消費400 kWに届かない。
【区間ごとの面積】
・7〜10時:余剰は0→300 kW。1/2×3 h×300 kW=450 kWh
・10〜12時:余剰は100→300 kW。(100+300)/2×2 h=400 kWh
・12〜15時:余剰は300→0 kW。1/2×3 h×300 kW=450 kWh
【合計】450+400+450=1 300 kWh → 選択肢(2)
【確認】発電量全体は 1/2×12 h×600 kW=3 600 kWh。(5)の3 600は「発電量そのもの」で、自家消費分を引いていないため誤りです。
【考え方:グラフの面積を台形・三角形に分ける】
太陽電池は貯蔵せず、発電が消費を上回った分だけが系統へ流れます。したがって求める電力量は、発電曲線が消費曲線より上にある部分の面積です。消費電力は階段状なので、消費が変わる時刻(10時)と、発電と消費が交わる時刻で区間を切ります。
【手順】
①発電曲線:6〜12時は 100(t−6) [kW],12〜18時は 100(18−t) [kW]。傾きは毎時100 kW。
②交点を求める。
・発電=消費100 kW:t=7時(余剰の開始)
・10時:消費が300 kWに上がるが、発電は100(10−6)=400 kWで上回ったまま
・発電=消費300 kW(下降側):100(18−t)=300 → t=15時(余剰の終了)
③区間別の余剰電力 p(t) と面積
・7〜10時:p=100(t−7)。0→300 kWの三角形で 1/2×3×300=450 kWh
・10〜12時:p=100(t−9)。100→300 kWの台形で (100+300)/2×2=400 kWh
・12〜15時:p=100(15−t)。300→0 kWの三角形で 1/2×3×300=450 kWh
④合計:450+400+450=1 300 kWh。よって(2)。
【検算】発電量全体は三角形で 1/2×12×600=3 600 kWh。このうち自家消費された量は 3 600−1 300=2 300 kWh。消費量の合計 100×10+300×7+400×4+100×3=5 000 kWh を超えないので、矛盾はありません。
【つまずきやすい点】
・余剰が始まる時刻は6時(発電が立ち上がる時刻)ではなく、発電が消費100 kWを超える7時です。
・10時に消費が300 kWへ上がっても、発電は400 kWなので余剰は途切れません。
・15〜17時は発電が消費300 kWを下回るので余剰は0です。17時以降は消費400 kWが発電を上回ったままです。
・3 600は発電量の合計であり、送電した電力量ではありません。
【実務との関係】
自家消費型の太陽光では、余剰(逆潮流)量は需要曲線の形で大きく変わります。需要が小さい昼間の施設ほど余剰が増え、売電や系統連系の検討に直結します。
- 定期監査公式の(a)の問いに(b)の問いの選択肢が付いていたため、選択肢を公式の(a)の数値に直しました。正答は「38」から公式の正答「1 300」に変わっています。解説も書き直しました(公式の問題用紙・解答と照合)。
出典と作り方
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和7年度上期 第三種電気主任技術者試験 法規 問13(a)(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。


