問題
接地極及び接地抵抗測定について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 (a) 図1は大地抵抗率 ρ[Ω·m] の土壌に埋設された棒状接地極の概略図である。この接地極の接地抵抗 R[Ω] は①式で示されるものとする。 R = (ρ/(2πL))·ln(4L/d) ……① ただし,L:接地極の長さ[m],d:接地極の直径[m],π:円周率であり,ln(4L/d) は 4L/d の自然対数を示す。 ここで,x = 4L/d と置いて①式を書き直すと②式となる。 R = (2ρ/(πd))·(ln(x)/x) ……② ②式中の ln(x)/x は,L ≫ d として 200 ≦ x ≦ 1 000 の範囲で図2の値となる。 今,ρ = 150 Ω·m,d = 14×10⁻³ m の条件で R を 100 Ω以下としたいとき,これを実現するための L の最小長さ[m]として,最も近いものを次の(1)〜(5)から一つ選べ。ただし,ρ は深さによらず一定とする。
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答え合わせ
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- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
電験三種「法規」の接地抵抗の計算問題(令和7年度下期 問11(a))。正答は(4)「1.5」です。
②式 R = (2ρ/(πd))·(ln(x)/x) に ρ = 150 Ω·m、d = 0.014 m を入れると、係数は 2×150/(π×0.014) ≒ 6 821 です。R ≦ 100 Ω にするには ln(x)/x ≦ 100/6 821 ≒ 0.0147 が必要です。図2のグラフでこの値になるのは x ≒ 410 のときで、L = x·d/4 = 410×0.014/4 ≒ 1.44 m となります。これ以上の長さで最も近い選択肢は 1.5 m なので(4)です。
【論点】棒状接地極の接地抵抗式とグラフの読み取り(令和7年度下期 問11(a))
【① 係数を求める】
2ρ/(πd) = 2×150/(π×14×10⁻³) = 300/0.04398 ≒ 6 821 [Ω]
【② 必要な ln(x)/x を求める】
R = 6 821 × ln(x)/x ≦ 100
→ ln(x)/x ≦ 100/6 821 ≒ 0.0147
【③ 図2から x を読む】
ln(x)/x は x が大きくなるほど小さくなる(x = 400 で約0.0150、x = 500 で約0.0124)。0.0147 になるのは x ≒ 410。x がこれ以上なら R ≦ 100 Ω を満たす。
【④ L に戻す】
x = 4L/d より L = x·d/4 = 410 × 0.014/4 ≒ 1.44 m
【⑤ 選択肢の確認(①式で直接計算)】
L = 1.2 m:R = (150/(2π×1.2))·ln(4×1.2/0.014) ≒ 19.9 × 5.84 ≒ 116 Ω(100 Ωを超える)
L = 1.5 m:R = (150/(2π×1.5))·ln(4×1.5/0.014) ≒ 15.9 × 6.06 ≒ 96 Ω(100 Ω以下)
よって必要な最小長さに最も近いのは 1.5 m、正答は(4)。
【核心論点】接地抵抗は長さ L にほぼ反比例し、対数の項はゆっくりしか変わらない(令和7年度下期 問11(a))。正答は(4)です。
【式の意味】
①式 R = (ρ/(2πL))·ln(4L/d) は、半無限の均一な大地に打ち込んだ細長い棒電極の接地抵抗の近似式である。ρ に比例し、L にほぼ反比例する。ln(4L/d) は L や d を変えてもゆっくりしか変化しないため、接地抵抗を下げるには「棒を長くする(深く打つ)」ことが最も効く。直径 d を太くしても対数の中でしか効かないので、効果は小さい。
【②式に変形する理由】
x = 4L/d とおくと L = xd/4 なので、ρ/(2πL) = 2ρ/(πxd)。よって R = (2ρ/(πd))·(ln(x)/x)。ρ と d が決まれば係数が定数になり、R は x だけの関数 ln(x)/x に比例する。図2はこの関数を 200 ≦ x ≦ 1 000 の範囲でグラフにしたもので、対数計算をせずにグラフから x を読めるようにしている。
【計算の流れ】
係数:2×150/(π×0.014) ≒ 6 821 Ω
条件:ln(x)/x ≦ 100/6 821 ≒ 0.01466
図2で x = 400 のとき約0.0150、x = 420 のとき約0.0144 なので、境目は x ≒ 410。
L ≒ 410 × 0.014/4 ≒ 1.44 m(計算機で解くと x ≒ 410.4、L ≒ 1.44 m)
【各選択肢の接地抵抗(①式による検算)】
・0.7 m:x = 200、R ≒ 181 Ω
・1.0 m:x ≒ 286、R ≒ 135 Ω
・1.2 m:x ≒ 343、R ≒ 116 Ω
・1.5 m:x ≒ 429、R ≒ 96 Ω
・2.0 m:x ≒ 571、R ≒ 76 Ω
100 Ω以下を満たす最小の選択肢は 1.5 m で、必要長さ 1.44 m に最も近いのも 1.5 m である。1.2 m では 100 Ωを超えてしまう。
【法規との関係】
電技解釈第17条では、C種接地工事は10 Ω以下、D種接地工事は100 Ω以下(いずれも地絡時に0.5秒以内に自動遮断する装置を施設するときは500 Ω以下)と定められている。本問の「100 Ω以下」はD種接地工事の値に相当し、大地抵抗率150 Ω·m の土壌では直径14 mm の接地棒を約1.5 m 打ち込めば満たせることがわかる。実際の大地抵抗率は深さや季節(含水率・凍結)で変わるため、施工後は接地抵抗計で実測して確認する。この実測の方法(被測定接地極Eと補助接地極S・Hの配置)が同じ問11の(b)で問われている。
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出典と作り方
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和7年度下期 第三種電気主任技術者試験 法規(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。
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執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。



