電験三種
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

電験三種 令和6年度上期 法規 問11|電気施設管理(負荷曲線・需要率)

問題

電験三種 | 法規 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-29

変電所から三相3 線式1 回線の専用配電線で受電している需要家がある。この配電線路の電線1 条当たりの抵抗及びリアクタンスの値は,それぞれ3 Ω及び 5 Ωである。この需要家の使用電力が8 000 kW,負荷の力率が0.8(遅れ)であるとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。 (a) 需要家の受電電圧が20 kV のとき,変電所引出口の電圧[kV]の値として,最も近いのは次のうちどれか。

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答え合わせ

正解は 3
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自信の3択

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解説

変電所の出口の電圧は、需要家の受電電圧20kVに、配電線で下がった電圧(電圧降下)を足して求めます。正答は(3)22.7kVです。

三相3線式の電圧降下は ΔV=√3×I×(R cosφ+X sinφ) です。

①力率0.8なので sinφ=√(1−0.8²)=0.6

②電流 I=8,000,000÷(√3×20,000×0.8)=約288.7A

③R cosφ+X sinφ=3×0.8+5×0.6=2.4+3.0=5.4Ω

④ΔV=√3×288.7×5.4=2,700V=2.7kV

⑤変電所引出口の電圧=20+2.7=22.7kV

受電電圧より引出口の電圧が高くなるのは、電流が流れる間に線路で電圧が下がるためです。したがって20kVより大きい値で、計算結果に最も近い(3)が答えです。

【方針】送り出す側(変電所)の電圧は、受電端の電圧に線路の電圧降下を加えて求めます。本問は条文の暗記ではなく、電圧降下の近似式を使う計算問題です。

【条件】三相3線式、電線1条あたり R=3Ω・X=5Ω、有効電力 P=8,000kW、力率 cosφ=0.8(遅れ)、受電電圧 Vr=20kV。

【STEP1 無効率】sinφ=√(1−0.8²)=√0.36=0.6

【STEP2 線電流】P=√3·Vr·I·cosφ より

I=8,000×10³÷(√3×20×10³×0.8)=8,000,000÷27,713≒288.7A

【STEP3 電圧降下】三相3線式の線間電圧の降下は

ΔV=√3·I(R cosφ+X sinφ)=√3×288.7×(3×0.8+5×0.6)=√3×288.7×5.4=2,700V=2.70kV

【STEP4 引出口電圧】Vs=Vr+ΔV=20+2.70=22.70kV → 選択肢(3)22.7

【他の選択肢】

・(1)21.6:√3を掛け忘れ、ΔV=I×5.4=1,559Vとすると20+1.56=21.56kVとなり、21.6に近い値になります。

・(4)22.9:cosφとsinφを取り違えて(R sinφ+X cosφ)=1.8+4.0=5.8Ωとすると、ΔV=√3×288.7×5.8=2,900Vで22.9kVになります。

・(2)22.2と(5)23.1は、正しい式(ΔV=2.70kV)からは出てきません。

引出口の電圧は20kV+2.70kV=22.70kVで、(3)だけが一致します。

【考え方の骨格】三相平衡負荷は一相分の等価回路で扱えます。受電端の相電圧をVr/√3、線電流をI、線路のインピーダンスを R+jX とすると、送電端の相電圧は Vs/√3=Vr/√3+I(cosφ−j sinφ)(R+jX) です(遅れ電流の複素数表示)。

【厳密式】実部=Vr/√3+I(R cosφ+X sinφ)、虚部=I(X cosφ−R sinφ) なので

|Vs/√3|²={Vr/√3+I(R cosφ+X sinφ)}²+{I(X cosφ−R sinφ)}²

【近似式】虚部が実部に比べて十分小さいとき、実部だけで Vs≒Vr+√3·I(R cosφ+X sinφ) とします。これが試験で使う電圧降下の式です。

【数値の確認】

I=8×10⁶÷(√3×20×10³×0.8)=288.68A

R cosφ+X sinφ=2.4+3.0=5.4Ω

近似式:ΔV=√3×288.68×5.4=2,700V → Vs≒22.70kV

【電力で表す別解】無効電力 Q=P tanφ=8,000×0.75=6,000kvar。ΔV=(R·P+X·Q)/Vr=(3×8×10⁶+5×6×10⁶)÷(20×10³)=54×10⁶÷(20×10³)=2,700V。電流を求めずに同じ値が得られ、計算ミスの検算に使えます(√3I=P/(Vr cosφ)=500A を使って √3I×5.4=2,700 と確認しても同じ)。

【近似の誤差の確認】厳密式で計算すると、実部=11,547+288.68×5.4=13,106V、虚部=288.68×(5×0.8−3×0.6)=288.68×2.2=635V。|Vs/√3|=√(13,106²+635²)=13,121V、よって Vs=√3×13,121=22,727V≒22.73kV。近似値22.70kVとの差は約27Vで、選択肢の間隔(最小0.2kV=200V)より十分小さく、どちらでも答えは(3)22.7です。

【選択肢の判別】√3の掛け忘れ(20+1.56=21.56kV→(1)付近)、cosφとsinφの取り違え(20+2.90=22.90kV→(4))が典型的な誤りです。また、受電電圧を基準にした値(20kV)に降下分を足す問題なので、答えは必ず20kVより大きくなります。力率が遅れである点も、無効電流が降下を大きくする向き(X sinφが加算)として式に反映されています。

この問題の根拠出典:令和6年度上期 第三種電気主任技術者試験 法規(一般財団法人 電気技術者試験センター)
訂正の記録
  • 定期監査B問題の選択肢が別の小問のものになっていたため、公式の問題どおりに直し、解説を計算から書き直しました。
出典と作り方

本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和6年度上期 第三種電気主任技術者試験 法規(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。