電験三種
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

電験三種 令和7年度上期 法規 問11|電気施設管理(負荷曲線・需要率)

問題

電験三種 | 法規 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-29

有効落差90 m,最大使用水量が渇水量(1 年のうち355 日は確保できる水量)の2 倍,水車及び発電機の総合効率80 %の流込式水力発電所がある。この発電所が利用している河川の流量Q[m³/s]が図のような年間流量曲線(日数d が90 日以上の部分は,Q=−0.05 d+25.5 で表される。)であるとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。ただし,水の密度を1 000 kg/m³,重力加速度を9.8 m/s² とする。 (a) この発電所の年間可能発電電力量の値[GW・h]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

問題の図(出典: 令和7年度上期 第三種電気主任技術者試験 法規 問11/電気技術者試験センター)

図の出典:令和7年度上期 第三種電気主任技術者試験 法規 問11

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答え合わせ

正解は 3
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

流込式水力発電所の出力は P[kW]=9.8×Q×H×η です。まず渇水量(355日目の流量)を求めます。Q=−0.05×355+25.5=7.75 m³/s なので、最大使用水量はその2倍の15.5 m³/s。河川流量が15.5 m³/sを超える日は15.5 m³/sしか使えません。Q=15.5 となるのは −0.05d+25.5=15.5 から d=200日。よって0〜200日は15.5 m³/s、200〜365日は流量曲線どおりに使います。年間の使用水量の合計は 15.5×200+(15.5+7.25)÷2×165=3100+1876.875=4976.875 [m³/s・日]。電力量は 9.8×90×0.8×4976.875×24≒84.3×10⁶ kWh=84.3 GW・h。正答は(3)です。

【条件の整理】

有効落差 H=90 m,総合効率 η=0.8 → 出力係数 9.8×H×η=9.8×90×0.8=705.6 kW/(m³/s)

流量曲線(d≧90日):Q=−0.05d+25.5(d=90でQ=21 m³/s,図の折れ点と一致)

【最大使用水量】

渇水量 Q₃₅₅=−0.05×355+25.5=7.75 m³/s

最大使用水量 Q_max=2×7.75=15.5 m³/s

【使える水量の範囲】

Q≧15.5となる日数:−0.05d+25.5=15.5 → d=200日

・0〜200日:河川流量は15.5以上 → 15.5 m³/sで一定運転

・200〜365日:河川流量(15.5→7.25 m³/s)をそのまま使用。Q₃₆₅=−0.05×365+25.5=7.25

【年間の使用水量(流量×日数の面積)】

長方形部分:15.5×200=3100

台形部分:(15.5+7.25)/2×165=11.375×165=1876.875

合計:4976.875 [m³/s・日]

【年間可能発電電力量】

W=705.6×4976.875×24 h≒84 280 000 kWh≒84.3 GW・h → 選択肢(3)

【考え方:電力量=出力係数×流量曲線の「使える部分」の面積】

流込式は貯水できないため、各日の発電出力はその日の流量で決まります。ただし水車が取り込めるのは最大使用水量まで。年間可能発電電力量は、年間流量曲線のうち最大使用水量で頭を切った部分の面積に、出力係数と1日の時間24 hを掛けたものです。

【計算の流れ】

①渇水量:355日目の流量 Q=−0.05×355+25.5=7.75 m³/s

②最大使用水量:7.75×2=15.5 m³/s

③頭打ちの境目:−0.05d+25.5=15.5 → d=200日(d≧90の直線部分上なので式がそのまま使える。0〜90日は図より21 m³/s以上なので当然15.5で頭打ち)

④面積:0〜200日の長方形 15.5×200=3100,200〜365日の台形 (15.5+7.25)÷2×165=1876.875,合計4976.875 m³/s・日

⑤出力係数:9.8×90×0.8=705.6 kW/(m³/s)

⑥電力量:705.6×4976.875=3 511 683 kW・日,×24 h=84 280 392 kWh≒84.3 GW・h

【つまずきやすい点】

・渇水量を「355日目の流量」として読む(365日目の7.25ではない)。

・0〜90日の急な部分の面積を足してしまうと過大になる。最大使用水量で頭を切るので、その区間は15.5 m³/sで計算する。

・単位:流量[m³/s]×日数[日]の面積に出力係数[kW/(m³/s)]を掛けると[kW・日]。これに24を掛けて[kWh]、10⁶で割って[GW・h]。

【(b)設備利用率への接続】

最大出力は 705.6×15.5=10 936.8 kW。1年間フル出力なら 10 936.8×8760≒95.81×10⁶ kWh。設備利用率=84.28/95.81≒0.880 → 88.0 %。(a)の電力量が求まれば(b)はこの比をとるだけです。

【実務との関係】

流込式発電所の計画では、最大使用水量を大きくすると最大出力は増えますが、流量が少ない日が多ければ設備利用率は下がります。渇水量の何倍を最大使用水量にするかは、発電電力量と設備費のバランスで決める設計判断です。

この問題の根拠出典:令和7年度上期 第三種電気主任技術者試験 法規 問11(a)(一般財団法人 電気技術者試験センター)
訂正の記録
  • 定期監査公式の(a)の問いに(b)の問いの選択肢が付いていたため、選択肢を公式の(a)の数値に直しました。正答は「69.5」から公式の正答「84.3」に変わっています。流量曲線の式の符号も直し、解説を書き直しました(公式の問題用紙・解答と照合)。
出典と作り方

本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和7年度上期 第三種電気主任技術者試験 法規 問11(a)(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。