第二種電工 検査・法令 問70:検査・法令
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-12)
使用電圧が 100V の単相2線式電路(対地電圧 100V)で、電気設備技術基準の解釈が定める絶縁抵抗の最低値 [MΩ] として正しいものはどれか。
- ア0.05
- イ0.1正答
- ウ0.2
- エ0.4
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電気設備技術基準の解釈(電技解釈)第 14 条では、低圧電路の絶縁抵抗の最低値(使用電圧区分ごと)を定めている。100V 単相2線式は「300V 以下・対地電圧 150V 以下」の区分に該当し、絶縁抵抗値は 0.1MΩ 以上が必要(正答イ)。対地電圧が 150V を超える場合(例:200V 単相3線式の中性線以外の電圧線)は 0.2MΩ 以上、300V を超える場合(高圧)は 0.4MΩ 以上と基準が高くなる。ア(0.05)は規定値より低く不合格。ウ(0.2)は 150V 超〜300V 以下の区分。エ(0.4)は 300V 超の区分。
電技解釈第 14 条の絶縁抵抗基準を使用電圧区分ごとに整理する。
【電技解釈第 14 条・絶縁抵抗の規定値一覧】
| 電路の使用電圧区分 | 対地電圧 | 絶縁抵抗値 |
|---|---|---|
| 300V 以下 | 150V 以下 | 0.1MΩ 以上 |
| 300V 以下 | 150V 超 | 0.2MΩ 以上 |
| 300V 超 | ― | 0.4MΩ 以上 |
本問:100V 単相2線式
→ 使用電圧 = 100V(300V 以下)・対地電圧 = 100V(150V 以下)
→ 絶縁抵抗 ≥ 0.1MΩ(正答イ)
【具体的な回路区分と対地電圧】
100V 単相2線式:対地電圧 100V → 0.1MΩ 以上
100V 単相3線式(中性線):対地電圧 100V → 0.1MΩ 以上
200V 単相3線式(電圧線、B種接地の中性線基準):対地電圧 100V → 0.1MΩ 以上
200V 単相2線式(絶縁変圧器なし、対地電圧 200V):対地電圧 200V → 0.2MΩ 以上
三相 200V(Y 接続・中性点接地なし):対地電圧 200V → 0.2MΩ 以上
【測定タイミング(電技解釈第 14 条ただし書き)】
測定が困難な場合は漏洩電流を 1mA 以下に保つことで代替可。
電気工事完了後の使用前検査・定期点検(一般用電気工作物は4年ごとの調査義務)で実施。
【誤答分析】
ア(0.05):法定最低値より低い → 不合格
イ(0.1):正答(対地電圧 150V 以下の区分)
ウ(0.2):対地電圧 150V 超〜300V 以下の区分の値
エ(0.4):300V 超の区分の値
絶縁抵抗基準の法的根拠・測定方法・劣化診断・実務での適用まで体系的に整理する。
【電技解釈第 14 条の法的根拠】
電気設備技術基準(省令)第 22 条「低圧電路の絶縁性能」が根拠規定:
「低圧電路は、使用電圧の種別に応じ、大地との間及び電線相互間の絶縁抵抗が(電技解釈別表第 1)で定める値以上でなければならない。」
電技解釈第 14 条は省令の委任を受けた具体的数値規定(告示レベルの規定)。
絶縁抵抗基準の設計思想:
対地電圧に比例して基準値を引き上げ(対地電圧が高い = 漏電時の危険が大きい)
最低値 0.1MΩ の根拠:
漏洩電流 = 使用電圧 / 絶縁抵抗 = 100V / 0.1MΩ = 1mA
1mA は IEC が「感知電流(チクチク感じる下限)」と定義した値 → これ以下に漏洩を抑制する基準
【対地電圧の定義(単相3線式の詳細)】
単相3線式(100/200V)の各電線の対地電圧:
中性線(B種接地):接地されているため対地電圧 = 0V
電圧線(L1, L2):中性線(接地点)から 100V → 対地電圧 = 100V
よって単相3線式の電圧線は「対地電圧 100V(150V 以下)→ 0.1MΩ 以上」が正確。
200V 回路(L1-L2 間)でも「対地電圧は 100V」のため 0.1MΩ 基準が適用される点が重要。
注意:中性線の接地工事が不完全な場合、対地電圧が 100V 以上になる恐れがある。
【絶縁抵抗測定の実務プロセス】
Step 1:電路の切断確認
- 負荷開放(ブレーカー OFF・コンセントから機器を抜く)
- 検電器で無充電確認(低圧検電器)
Step 2:測定器の選択
- 100V・200V 電路 → 500V メガー
- 使用電圧 300V 超(高圧) → 1000V メガー
Step 3:測定箇所の特定
- 電路と大地(接地)間:電線被覆・コンセント・スイッチの絶縁
- 機器の絶縁:モーター巻き線 vs 外被・照明器具 vs 外被
Step 4:測定と記録
- L 端子 → 電路(電線・端子)
- E 端子 → 接地端子・大地
- 読み値が安定するまで 30〜60 秒待つ
- 測定値・測定日時・使用機器を記録(設備台帳に保存)
Step 5:コンデンサ回路の放電
- インバータ・コンデンサインプット型電源は必ず放電確認
【絶縁抵抗の経年劣化と判定】
新設時:数十 MΩ〜GΩ(十分な絶縁)
経年後(10〜20年):劣化により 1〜10MΩ 程度に低下
要注意:1MΩ 以下(交換・補修検討)
危険:0.1MΩ 前後(法定最低値・即時対応必要)
劣化要因:
①熱的劣化(連続過負荷による熱老化)
②機械的劣化(振動・屈曲による被覆亀裂)
③化学的劣化(油・薬品・水分の浸入)
④電気的劣化(部分放電の繰り返し)
絶縁劣化の早期検知:
PI(Polarization Index)測定(kiso_80 参照)
サーモカメラによる熱分布異常検知(活線状態で可能)
部分放電測定(PD 測定):GIS・変圧器の高精度診断
【漏洩電流との関係(電技解釈ただし書き)】
絶縁抵抗の測定が困難な場合の代替措置:
「最大供給電流の 1/2000 以下の漏洩電流」に保つことで絶縁抵抗測定の省略が認められる場合がある。
例:供給電流 40A の回路の場合:
許容漏洩電流 = 40 / 2000 = 0.02A = 20mA
ただし実務では 1mA 以下(感知電流以下)を目標とする安全管理が推奨される。
クランプ式漏洩電流計(零相クランプ)を使った活線漏洩電流測定が現場では多用される。
【電験三種への接続】
電験三種「法規」:電技解釈第 14 条の絶縁抵抗規定値・測定方法・定期点検の実施義務が頻出。「理論」:絶縁体の誘電特性・漏洩電流と絶縁抵抗の関係(V = I×R)。
第二種電気工事士では「300V以下・対地電圧150V以下 → 0.1MΩ以上」「300V以下・150V超 → 0.2MΩ以上」「300V超 → 0.4MΩ以上」の3区分の数値を完全に暗記することが必須。対地電圧の定義(単相3線式では電圧線の対地電圧が 100V)と規定値の選択を正確に組み合わせることが合格の鍵。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:電気技術者試験センター公表の出題範囲(第二種電気工事士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-12)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。