第二種電工
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

第二種電工 検査・法令 問70|低圧電路の絶縁抵抗基準値

問題

第二種電工 | 検査・法令 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-12

使用電圧が 100V の単相2線式電路(対地電圧 100V)で、電気設備技術基準の解釈が定める絶縁抵抗の最低値 [MΩ] として正しいものはどれか。

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答え合わせ

正解は イ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ

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解説

電気設備技術基準の解釈(電技解釈)第 14 条では、低圧電路の絶縁抵抗の最低値(使用電圧区分ごと)を定めている。100V 単相2線式は「300V 以下・対地電圧 150V 以下」の区分に該当し、絶縁抵抗値は 0.1MΩ 以上が必要(正答イ)。対地電圧が 150V を超える場合(例:200V 単相3線式の中性線以外の電圧線)は 0.2MΩ 以上、300V を超える場合(高圧)は 0.4MΩ 以上と基準が高くなる。ア(0.05)は規定値より低く不合格。ウ(0.2)は 150V 超〜300V 以下の区分。エ(0.4)は 300V 超の区分。

電技解釈第 14 条の絶縁抵抗基準を使用電圧区分ごとに整理する。

【電技解釈第 14 条・絶縁抵抗の規定値一覧】

電路の使用電圧区分対地電圧絶縁抵抗値
300V 以下150V 以下0.1MΩ 以上
300V 以下150V 超0.2MΩ 以上
300V 超―0.4MΩ 以上

本問:100V 単相2線式

→ 使用電圧 = 100V(300V 以下)・対地電圧 = 100V(150V 以下)

→ 絶縁抵抗 ≥ 0.1MΩ(正答イ)

【具体的な回路区分と対地電圧】

100V 単相2線式:対地電圧 100V → 0.1MΩ 以上

100V 単相3線式(中性線):対地電圧 100V → 0.1MΩ 以上

200V 単相3線式(電圧線、B種接地の中性線基準):対地電圧 100V → 0.1MΩ 以上

200V 単相2線式(絶縁変圧器なし、対地電圧 200V):対地電圧 200V → 0.2MΩ 以上

三相 200V(Y 接続・中性点接地なし):対地電圧 200V → 0.2MΩ 以上

【測定タイミング(電技解釈第 14 条ただし書き)】

測定が困難な場合は漏洩電流を 1mA 以下に保つことで代替可。

電気工事完了後の使用前検査・定期点検(一般用電気工作物は4年ごとの調査義務)で実施。

【誤答分析】

ア(0.05):法定最低値より低い → 不合格

イ(0.1):正答(対地電圧 150V 以下の区分)

ウ(0.2):対地電圧 150V 超〜300V 以下の区分の値

エ(0.4):300V 超の区分の値

絶縁抵抗基準の法的根拠・測定方法・劣化診断・実務での適用まで体系的に整理する。

【電技解釈第 14 条の法的根拠】

電気設備技術基準(省令)第 22 条「低圧電路の絶縁性能」が根拠規定:

「低圧電路は、使用電圧の種別に応じ、大地との間及び電線相互間の絶縁抵抗が(電技解釈別表第 1)で定める値以上でなければならない。」

電技解釈第 14 条は省令の委任を受けた具体的数値規定(告示レベルの規定)。

絶縁抵抗基準の設計思想:

対地電圧に比例して基準値を引き上げ(対地電圧が高い = 漏電時の危険が大きい)

最低値 0.1MΩ の根拠:

漏洩電流 = 使用電圧 / 絶縁抵抗 = 100V / 0.1MΩ = 1mA

1mA は IEC が「感知電流(チクチク感じる下限)」と定義した値 → これ以下に漏洩を抑制する基準

【対地電圧の定義(単相3線式の詳細)】

単相3線式(100/200V)の各電線の対地電圧:

中性線(B種接地):接地されているため対地電圧 = 0V

電圧線(L1, L2):中性線(接地点)から 100V → 対地電圧 = 100V

よって単相3線式の電圧線は「対地電圧 100V(150V 以下)→ 0.1MΩ 以上」が正確。

200V 回路(L1-L2 間)でも「対地電圧は 100V」のため 0.1MΩ 基準が適用される点が重要。

注意:中性線の接地工事が不完全な場合、対地電圧が 100V 以上になる恐れがある。

【絶縁抵抗測定の実務プロセス】

Step 1:電路の切断確認

  • 負荷開放(ブレーカー OFF・コンセントから機器を抜く)
  • 検電器で無充電確認(低圧検電器)

Step 2:測定器の選択

  • 100V・200V 電路 → 500V メガー
  • 使用電圧 300V 超(高圧) → 1000V メガー

Step 3:測定箇所の特定

  • 電路と大地(接地)間:電線被覆・コンセント・スイッチの絶縁
  • 機器の絶縁:モーター巻き線 vs 外被・照明器具 vs 外被

Step 4:測定と記録

  • L 端子 → 電路(電線・端子)
  • E 端子 → 接地端子・大地
  • 読み値が安定するまで 30〜60 秒待つ
  • 測定値・測定日時・使用機器を記録(設備台帳に保存)

Step 5:コンデンサ回路の放電

  • インバータ・コンデンサインプット型電源は必ず放電確認

【絶縁抵抗の経年劣化と判定】

新設時:数十 MΩ〜GΩ(十分な絶縁)

経年後(10〜20年):劣化により 1〜10MΩ 程度に低下

要注意:1MΩ 以下(交換・補修検討)

危険:0.1MΩ 前後(法定最低値・即時対応必要)

劣化要因:

①熱的劣化(連続過負荷による熱老化)

②機械的劣化(振動・屈曲による被覆亀裂)

③化学的劣化(油・薬品・水分の浸入)

④電気的劣化(部分放電の繰り返し)

絶縁劣化の早期検知:

PI(Polarization Index:分極指数)測定

サーモカメラによる熱分布異常検知(活線状態で可能)

部分放電測定(PD 測定):GIS・変圧器の高精度診断

【漏洩電流との関係(電技解釈ただし書き)】

絶縁抵抗の測定が困難な場合の代替措置:

「最大供給電流の 1/2000 以下の漏洩電流」に保つことで絶縁抵抗測定の省略が認められる場合がある。

例:供給電流 40A の回路の場合:

許容漏洩電流 = 40 / 2000 = 0.02A = 20mA

ただし実務では 1mA 以下(感知電流以下)を目標とする安全管理が推奨される。

クランプ式漏洩電流計(零相クランプ)を使った活線漏洩電流測定が現場では多用される。

【電験三種への接続】

電験三種「法規」:電技解釈第 14 条の絶縁抵抗規定値・測定方法・定期点検の実施義務が頻出。「理論」:絶縁体の誘電特性・漏洩電流と絶縁抵抗の関係(V = I×R)。

第二種電気工事士では「300V以下・対地電圧150V以下 → 0.1MΩ以上」「300V以下・150V超 → 0.2MΩ以上」「300V超 → 0.4MΩ以上」の3区分の数値を完全に暗記することが必須。対地電圧の定義(単相3線式では電圧線の対地電圧が 100V)と規定値の選択を正確に組み合わせることが合格の鍵。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:電気技術者試験センター公表の出題範囲(第二種電気工事士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-12)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

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