第一種電工
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

第一種電工 令和3年度午後 問10|電気応用

問題

第一種電工 | 電気応用 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-14

三相かご形誘導電動機の始動方法として,用いられないものは。

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答え合わせ

正解は エ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ

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解説

三相かご形誘導電動機を回し始めるときの方法(始動法)を問う問題です。かご形の回転子は導体が両端でつながった「かご」の形をしていて、外から抵抗をつなぐ端子がありません。そのため、ア(全電圧始動・直入れ)、イ(スターデルタ始動)、ウ(リアクトル始動)のように、固定子側の電圧を調整する方法で始動します。エの二次抵抗始動は、回転子(二次側)に外から抵抗をつなぐ方法なので、回転子に端子のある「巻線形」誘導電動機でしか使えません。正答はエです。

誘導電動機は始動の瞬間に定格電流の数倍の始動電流が流れるため、容量が大きいほど電流を抑える始動法が必要になります。各選択肢を確認します。

ア(全電圧始動・直入れ):定格電圧をそのまま加える方法。始動電流は大きいが、構造が簡単で小容量のかご形電動機で広く使われる。

イ(スターデルタ始動):始動時は固定子巻線をY結線にして各巻線の電圧を1/√3にし、加速後にΔ結線に切り換える。始動電流・始動トルクとも全電圧始動の1/3になる。

ウ(リアクトル始動):電源と電動機の間にリアクトルを入れて電圧を下げて始動し、加速後に短絡する。

エ(二次抵抗始動):回転子巻線にスリップリングとブラシを通して外部抵抗をつなぎ、始動電流を抑えつつ大きな始動トルクを得る方法。外部につなぐ端子が必要なので巻線形誘導電動機の始動法であり、かご形には用いられない。

かご形には、ほかに始動補償器(単巻変圧器)による始動やインバータによる始動もあります。正答はエです。

本問は、誘導電動機の始動法を「かご形」と「巻線形」の構造の違いから整理できるかを問います。

【構造の違いが始動法を決める】かご形の回転子は、鉄心の溝に入れた導体を両端の短絡環でつないだ構造で、回転子回路を外に引き出す端子がありません。したがって始動電流を抑えるには、固定子に加える電圧を下げる「減電圧始動」しかありません。一方、巻線形の回転子は三相巻線をスリップリングで外に引き出しているため、二次側に抵抗を入れて特性そのものを変えることができます。

【かご形の減電圧始動の比較】

・スターデルタ始動:電圧1/√3、始動電流とトルクは1/3。切換えの瞬間に電流が一時的に大きくなる。

・リアクトル始動:電圧をリアクトルで下げる。始動電流は電圧に比例して、トルクは電圧の2乗に比例して小さくなる。

・始動補償器始動:単巻変圧器のタップで電圧を下げる。電源側の電流は電圧比の2乗で小さくなるため、同じトルクならリアクトル始動より電源電流を小さくできる。

・インバータ始動:周波数と電圧を同時に下げて始動し、滑らかに加速できる。速度制御も兼ねる。

【二次抵抗始動の特徴】巻線形で二次抵抗を大きくすると、最大トルクの大きさは変わらずに、最大トルクが出る滑りが大きい側(低速側)へ移ります(比例推移)。そのため始動電流を抑えながら大きな始動トルクを得られ、クレーンなど重い負荷を起動する用途に使われてきました。加速に合わせて抵抗を段階的に減らし、最後はスリップリングを短絡して運転します。

【減電圧始動の注意点】減電圧始動では始動トルクも小さくなるので、負荷トルクが大きい機械では起動できないことがあります。始動法は「始動電流の制限」と「必要な始動トルク」の両方から選びます。

この問題の根拠出典:令和3年度(午後) 第一種電気工事士 学科試験 問10(一般財団法人 電気技術者試験センター)
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和3年度(午後) 第一種電気工事士 学科試験 問10(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-14)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。

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