第一種電工
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

第一種電工 平成30年度午後 問9|電気応用

問題

第一種電工 | 電気応用 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-14

容量100kV・A,消費電力80kW,力率80%(遅れ)の負荷を有する高圧受電設備に高圧進相コンデンサを設置し,力率を93%(遅れ)程度に改善したい。必要なコンデンサの定格容量QC[kvar]として,適切なものは。ただし,cosθ2が0.93のときのtanθ2は0.38とする。

問題の図(出典: 平成30年度(午後) 第一種電気工事士 学科試験 問9/電気技術者試験センター)

図・写真の中の記号が イ・ロ・ハ・ニ のときは、選択肢の ア・イ・ウ・エ に順に対応します(試験の問題用紙の表記)。

図の出典:平成30年度(午後) 第一種電気工事士 学科試験 問9(一般財団法人 電気技術者試験センター)

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答え合わせ

正解は イ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ

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解説

力率を良くするために入れるコンデンサの大きさを計算する問題です。負荷は100kV・Aのうち80kWが有効電力なので、無効電力(遅れ)は直角三角形の残りの辺で60kvarです。力率を93%にした後の無効電力は、80kW×tanθ2=80×0.38=30.4kvarです。コンデンサが打ち消す分は、改善前と改善後の差の60−30.4=29.6kvarなので、もっとも近い30kvarを選びます。正答はイです。

進相コンデンサは遅れ無効電力を打ち消して力率を改善します。有効電力Pは変わらないので、「改善前の無効電力Q1」と「改善後の無効電力Q2」の差がコンデンサの容量QCになります。

①改善前の無効電力:Q1=√(100²−80²)=√(10000−6400)=√3600=60kvar(tanθ1=60/80=0.75でも同じ:80×0.75=60)

②改善後の無効電力:Q2=P×tanθ2=80×0.38=30.4kvar

③必要なコンデンサ容量:QC=Q1−Q2=60−30.4=29.6kvar≒30kvar

選択肢の20kvarでは力率が93%に届かず、50kvarや75kvarは入れすぎです。75kvarを入れると無効電力は60−75=−15kvar(進み)になり、進み力率になってしまいます。正答はイです。

本問は、図の電力ベクトル図(有効電力80kW・皮相電力100kV・A・コンデンサの無効電力QC)を式に置き換えられるかを問う、力率改善の基本計算です。

【計算の骨組み】力率改善の計算は常に「Pは一定、Qだけが動く」と考えます。

QC=P(tanθ1−tanθ2)

本問ではcosθ1=0.8からsinθ1=0.6、tanθ1=0.6/0.8=0.75です。

QC=80×(0.75−0.38)=80×0.37=29.6kvar

となり、選択肢の中で「適切なもの」は30kvarです。問題文が「程度に改善したい」「適切なものは」となっているのは、計算値29.6kvarに対して、実際に購入できる定格容量の中から近いものを選ぶ、という実務の考え方をそのまま問うているためです。

【改善後の皮相電力】改善後の皮相電力は√(80²+30.4²)≒85.6kV・A(30kvarを入れた場合は√(80²+30²)≒85.4kV・A)となり、100kV・Aから約15kV・A小さくなります。同じ変圧器に新たな負荷を増設できる余裕が生まれ、配電線の電流も約15%減るので線路損失(I²R)も小さくなります。これが受電設備で進相コンデンサを設置する実務上の利点です。

【入れすぎの注意】軽負荷時にコンデンサを入れたままにすると進み力率になり、受電端の電圧上昇を招きます。高圧のコンデンサは負荷の状態に合わせて開閉するか、自動力率調整装置で台数を制御します。また高調波を含む系統では直列リアクトルを組み合わせ、コンデンサの過熱や高調波の拡大を防ぎます。

【類題への応用】「力率を1にする」場合はQC=Q1そのもの(本問なら60kvar)、「増設負荷を加えた後の合成力率」を問う場合は有効電力と無効電力をそれぞれ足してから√で皮相電力を求めます。どの型でも、有効電力と無効電力を分けて足し引きするのが計算の基本です。

この問題の根拠出典:平成30年度(午後) 第一種電気工事士 学科試験 問9(一般財団法人 電気技術者試験センター)
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:平成30年度(午後) 第一種電気工事士 学科試験 問9(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-14)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。

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