第一種電工
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

第一種電工 令和元年度 問4|配電理論・配線設計

問題

第一種電工 | 配電理論・配線設計 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-14

図のような回路において,直流電圧80Vを加えたとき,20Aの電流が流れた。次に正弦波交流電圧100Vを加えても,20Aの電流が流れた。リアクタンスX[Ω]の値は。

問題の図(出典: 令和元年度 第一種電気工事士 学科試験 問4/電気技術者試験センター)

図・写真の中の記号が イ・ロ・ハ・ニ のときは、選択肢の ア・イ・ウ・エ に順に対応します(試験の問題用紙の表記)。

図の出典:令和元年度 第一種電気工事士 学科試験 問4(一般財団法人 電気技術者試験センター)

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答え合わせ

正解は イ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ

自信の3択

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解説

直流と交流で、コイル(リアクタンス X)のふるまいが違うことを使う問題です。

① 直流のとき:直流は向きも大きさも変わらないので、コイルは電流をさまたげません(X = 0 と同じ)。効くのは抵抗 R だけなので、R = 80V ÷ 20A = 4Ω。

② 交流のとき:抵抗とコイルの両方が電流をさまたげます。合わせたもの(インピーダンス Z)は Z = 100V ÷ 20A = 5Ω。

③ 抵抗とコイルの直列では Z² = R² + X² なので、X = √(5² − 4²) = √9 = 3Ω。

正答はイ(3)です。

正答:イ(X = 3Ω)

図は、切換スイッチで「直流 80V」と「交流 100V」のどちらかを、R と X の直列回路につなぐ回路です。

【① 直流で R を求める】

コイルの誘導性リアクタンスは X = 2πfL。直流は周波数 f = 0 なので X = 0 となり、電流を決めるのは R だけです。

R = V ÷ I = 80 ÷ 20 = 4Ω

【② 交流で Z を求める】

Z = V ÷ I = 100 ÷ 20 = 5Ω

【③ X を求める】

R と X の直列回路のインピーダンスは Z = √(R² + X²)。R と X は 90° ずれているので、単純な足し算(4 + X = 5 → X = 1)にはなりません。

X = √(Z² − R²) = √(25 − 16) = 3Ω

【選択肢を当てはめて確かめる】(交流 100V を加えたときの電流)

・ア X = 2Ω:Z = √(16 + 4) ≒ 4.47Ω → 約 22.4A(20A にならない)

・イ X = 3Ω:Z = √(16 + 9) = 5Ω → 20A(正答)

・ウ X = 4Ω:Z = √(16 + 16) ≒ 5.66Ω → 約 17.7A

・エ X = 5Ω:Z = √(16 + 25) ≒ 6.40Ω → 約 15.6A

ウの 4 は R、エの 5 は Z の値で、取り違えると選びやすい数字です。

正答:イ(X = 3Ω)。 直流と交流の2回の測定から R と X を分けて求める考え方は、コイルの抵抗分とリアクタンス分を測るときの基本です。

【なぜ直流で R だけが分かるか】

コイルに生じる誘導起電力は電流の変化の速さに比例します。直流は電流が変化しないので(電源を入れた直後の過渡状態が終われば)起電力が生じず、コイルは導線と同じになります。したがって直流の電圧と電流の比は R そのものです。

なお、X がコンデンサ(容量性リアクタンス)なら直流は流れ続けないので、直流 80V で 20A が流れ続けるという条件は成り立ちません。この問題の X はコイルです。

【インピーダンス三角形で整理する】

R = 4Ω、X = 3Ω、Z = 5Ω は「3:4:5」の直角三角形です。交流 100V・20A のとき、

・有効電力 P = I²R = 20² × 4 = 1 600W

・無効電力 Q = I²X = 20² × 3 = 1 200var

・皮相電力 S = VI = 100 × 20 = 2 000V・A(√(1 600² + 1 200²) = 2 000 と一致)

・力率 cosθ = R ÷ Z = 4 ÷ 5 = 0.8(電流は電圧より遅れる)

【周波数が変わると】

この問題の X は、加えた交流の周波数での値です。X = 2πfL は周波数に比例するので、同じコイルでも周波数が変わればリアクタンスも変わります。たとえば加えた交流が 50Hz なら L = 3 ÷ (2π × 50) ≒ 9.5mH で、同じコイルに 60Hz を加えると X = 3 × 60 ÷ 50 = 3.6Ω、Z = √(16 + 12.96) ≒ 5.38Ω となり、電流は約 18.6A に減ります。

この問題の根拠出典:令和元年度 第一種電気工事士 学科試験 問4(一般財団法人 電気技術者試験センター)
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和元年度 第一種電気工事士 学科試験 問4(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-14)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。