問題
高調波に関する記述として,誤っているものは。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
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解説
高調波とは、ふつうの電気(50Hzや60Hz)の整数倍の周波数をもつ電流や電圧の成分のことです。整流器・インバータ・アーク炉などの機器から発生し、進相コンデンサや発電機を過熱させることがあります。対策として、進相コンデンサには直列リアクトルを付けます。ア・イ・ウはどれも正しい記述です。誤っているのはエです。電力系統の高調波は、第5次・第7次のような比較的低い次数の成分が多く含まれるのが実際で、「ほとんど無い」は逆です。正答はエです。
各選択肢を確認します。
ア(正しい):整流器(交流を直流に変える装置)やアーク炉は、電流の波形をひずませるため高調波の代表的な発生源です。こうした機器を設置する需要家は、高調波の流出を抑える対策を検討する必要があります。
イ(正しい):コンデンサのリアクタンスは周波数が高いほど小さくなるため、高調波電流が流れ込みやすく、過熱や異音、焼損の原因になります。発電機も高調波電流で損失が増え、過熱することがあります。
ウ(正しい):進相コンデンサに直列リアクトルを接続すると、高調波に対しては回路全体が誘導性になり、高調波電流の流入と拡大を抑えられます。コンデンサ投入時の突入電流を抑える効果もあります。
エ(誤り):インバータや整流器の多くは三相ブリッジ構成のため、第5次(50Hz系で250Hz)・第7次(350Hz)などの低次の高調波が多く発生します。電力系統の高調波で特に問題になるのはこれらの低次の成分です。正答はエです。
本問は、高調波の発生源・影響・対策を一通り理解しているかを問います。
【高調波の発生源】電流の波形がひずむ非線形負荷が発生源です。整流器・インバータ(エアコン・エレベータ・汎用インバータ駆動の電動機)・アーク炉・無停電電源装置などが代表例です。三相6パルスの整流回路では、主に6n±1次(第5次・第7次・第11次・第13次…)の高調波電流が発生し、次数が低いほど大きさが大きくなります。そのため系統の高調波は第5次・第7次が主体になり、エの記述は実際と逆になります。
【影響】
・進相コンデンサ・直列リアクトル:コンデンサのリアクタンスは周波数に反比例するので高調波電流が集中し、過熱・異音・焼損が起きる。
・発電機・変圧器・電動機:鉄損と銅損が増えて過熱する。
・保護継電器・計器:誤動作や指示の誤差が生じる。
・通信線:誘導障害(雑音)が起きる。
【対策】
・進相コンデンサに直列リアクトルを接続する(ウ)。直列リアクトルはコンデンサのリアクタンスの6%のものが一般的で、第5次の周波数ではリアクトル側のリアクタンスがコンデンサ側を上回り、回路全体が誘導性になります(6%×5²=150%>100%)。これにより高調波電流の拡大を防ぎます。
・高調波を吸収する受動フィルタや、逆位相の電流を流す能動フィルタ(アクティブフィルタ)を設置する。
・整流器の多パルス化で、発生する高調波の次数を高くし、量を減らす。
また、高圧又は特別高圧で受電する需要家には、高調波の流出を抑えるためのガイドラインが国から示されており、一定規模以上の高調波発生機器を設置する場合は、流出電流を計算して対策を検討します(ア)。
出典と作り方
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:平成30年度(午後) 第一種電気工事士 学科試験 問19(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-14)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。

