問題
高圧架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブルにおいて,水トリーと呼ばれる樹枝状の劣化が生じる箇所は。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
高圧CVケーブル(架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル)で起こる「水トリー」の発生場所を問う問題です。水トリーは、絶縁体の中に水分が入り込んだ状態で電圧がかかり続けると、木の枝のような形の細かい劣化が広がっていく現象です。発生するのは電線を包む絶縁体、つまり架橋ポリエチレン絶縁体の内部です。進行すると絶縁性能が下がり、最後には絶縁破壊(地絡事故)につながります。正答はイです。
CVケーブルは中心から、銅導体→内部半導電層→架橋ポリエチレン絶縁体→外部半導電層→遮へい銅テープ→ビニルシースの順に構成されています。水トリーは、架橋ポリエチレン絶縁体の中に水分が存在し、そこに交流の電界が加わり続けることで生じる樹枝状の微細な劣化です。絶縁体中の異物・ボイド(空隙)や、半導電層との境界の突起など電界が集中する箇所を起点に、絶縁体の内部を枝分かれしながら伸びていきます。銅導体は電流を流す金属、ビニルシースは外装、遮へい銅テープは電界を整え地絡電流の通り道となる金属層で、いずれも水トリーが生じる場所ではありません。水トリーが絶縁体を貫く方向に進むと絶縁耐力が低下し、地絡事故の原因になります。正答はイです。
本問は高圧CVケーブルの代表的な経年劣化である水トリーの発生箇所を問います。
【CVケーブルの構造(中心から)】
- 銅導体
- 内部半導電層:導体表面の凹凸による電界の集中をならす
- 架橋ポリエチレン絶縁体:高電圧に耐える主絶縁
- 外部半導電層・遮へい銅テープ:電界を絶縁体内に閉じ込め、地絡時には電流の通り道となる
- ビニルシース:外傷・水分からの保護
【水トリーの発生と種類】
- 条件:絶縁体中の水分+交流電界。水のたまった管路や湿った地中に長期間布設されたケーブルで起こりやすい
- 起点:異物・ボイド・半導電層の突起など、電界が集中する箇所
- 内導水トリー(内部半導電層側から伸びる)、外導水トリー(外部半導電層側から伸びる)、ボウタイ状水トリー(絶縁体内部の異物などを起点に両方向へ伸びる)に分けられる
いずれも架橋ポリエチレン絶縁体の内部に生じる劣化であり、正答はイです。
【劣化の進行と診断】水トリーが絶縁体を橋渡しするほど進むと、電気トリーに移行して短時間で絶縁破壊に至ることがあります。保守では、絶縁抵抗測定に加えて直流漏れ電流測定(漏れ電流の大きさ、時間変化、各相の不平衡を見る)などで劣化の傾向を把握します。
【予防】ケーブルの端末や接続部からの浸水防止、管路の排水、遮水層付きのケーブルの採用が有効です。屋外のケーブル端末で雨水が浸入しないように処理することは、施工者として重要なポイントです。
出典と作り方
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:平成30年度(午後) 第一種電気工事士 学科試験 問21(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-14)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。

