問題
送電線に関する記述として,誤っているものは。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
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解説
送電線について誤っているものを選ぶ問題です。誤りはアです。同じ電力を送るとき、電圧を高くすると流れる電流が小さくなり、電線の抵抗で失われる電力(送電損失)は電流の2乗に比例して小さくなります。つまり「電圧が低いほど損失が小さい」は逆で、電圧が高いほど損失は小さくなります。このため発電所から遠くへ電気を送るときは、非常に高い電圧が使われます。イ・ウ・エは正しい記述です。正答はアです。
ア(誤り):送電電力P、線間電圧V、力率cosθの三相3線式では、電流I=P/(√3·V·cosθ)です。1線の抵抗をRとすると送電損失は3I²R=P²R/(V²·cos²θ)となり、電圧の2乗に反比例します。電圧を2倍にすれば損失は1/4です。したがって「電圧が低いほど損失が小さい」は誤りです。イ(正しい):長距離送電線は対地静電容量が大きく、無負荷や軽負荷では進み電流(充電電流)が流れて、受電端電圧が送電端電圧より高くなることがあります(フェランチ効果)。ウ(正しい):直流送電は長距離・大電力の送電に適していますが、送電端と受電端に交流と直流を変換する装置が必要です。エ(正しい):交流電流は表皮効果により電線の外側に集まり、中心部より外側のほうが単位断面積あたりの電流(電流密度)が大きくなります。正答はアです。
本問は送電の基本となる4つの現象(送電損失・フェランチ効果・直流送電・表皮効果)を整理できているかを問います。
【ア 送電損失と電圧(誤り)】
- 三相3線式:I=P/(√3·V·cosθ)、損失 Pl=3I²R=P²R/(V²·cos²θ)
- 同じ電力・同じ電線なら、損失は電圧の2乗に反比例する。電圧を高くするほど損失は小さい
- これが送電に高い電圧を使う理由。電圧降下も電流に比例して小さくなる
【イ フェランチ効果(正しい)】
- 長距離の架空送電線やケーブル系統では、静電容量による充電電流(進み電流)が流れる
- 軽負荷時は、この進み電流と線路のインダクタンスによって受電端電圧が送電端電圧より高くなる
- 対策:分路リアクトルの投入など、無効電力を調整する設備を使う
【ウ 直流送電(正しい)】
- 長所:リアクタンスによる電圧降下や安定度の問題がない、周波数の異なる系統(50Hzと60Hz)を連系できる、長距離のケーブル送電に向く
- 短所:両端に交直変換装置が必要で設備費が大きい。変換に伴って高調波が発生する
【エ 表皮効果(正しい)】
- 導体の中心部ほど鎖交する磁束が多くインダクタンスが大きいため、交流電流は導体の表面側に集まる
- 周波数が高いほど、導体が太いほど顕著になり、実効的な抵抗は直流抵抗より大きくなる
【学習のポイント】「損失は電流の2乗に比例し、電流は電圧に反比例する」という関係を式で押さえておけば、送電電圧・電線の太さ・力率改善に関する問題を同じ考え方で解けます。
出典と作り方
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:平成30年度(午後) 第一種電気工事士 学科試験 問17(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-14)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。

