問題
高調波に関する記述として,誤っているものは。
キーボード:1〜4で選択・Enterで次へ
答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
高調波について誤っているものを選ぶ問題です。誤りはイです。インバータは、半導体の素子で電流を細かく切り替えて電圧や周波数を変える装置で、電流の波形がひずむため高調波の代表的な発生源です。電力系統の高調波は第5次・第7次など比較的低い次数が大半であること(ア)、進相コンデンサに直列リアクトルを付けることが望ましいこと(ウ)、高調波が電動機の過熱などを起こすこと(エ)は正しい内容です。正答はイです。
高調波は、基本波(50Hzまたは60Hz)の整数倍の周波数をもつ成分で、電圧や電流の波形をひずませます。ア(正しい):三相の整流回路などから発生する高調波は、第5次・第7次など比較的低い次数が大半を占めます。イ(誤り):インバータは、交流を整流回路でいったん直流にし、半導体のスイッチで再び交流をつくる装置で、入力側の整流回路などから高調波電流を発生させます。電動機の速度制御用インバータやインバータエアコンは、代表的な高調波の発生源です。ウ(正しい):進相コンデンサは周波数の高い高調波に対してインピーダンスが小さく、高調波電流が流れ込みやすいため、直列リアクトルを設置して高調波の拡大を防ぎ、コンデンサの過熱を防止します。エ(正しい):高調波電流は電動機や変圧器の損失を増やし、過熱や騒音・振動の原因になります。正答はイです。
本問は高調波の発生源・特徴・対策を問います。
【高調波とは】基本波の整数倍(第n次=基本周波数のn倍)の周波数をもつ成分です。ひずんだ電流の波形は、基本波と多数の高調波を足し合わせたものとして表せます。
【主な発生源】インバータ、整流器(サイリスタ・ダイオードの整流回路)、アーク炉、パソコンやLED照明などの電子機器の電源回路など、半導体で電流を切り替える機器や電圧と電流が比例しない負荷。したがって「インバータは高調波の発生源にならない」とするイは誤りです。
【次数の特徴(ア)】三相ブリッジ整流回路では、第5次・第7次・第11次・第13次…(6k±1次)の高調波が発生し、次数が高いほど小さくなります。このため系統の高調波は第5次・第7次など低い次数が大半です。
【影響(エ)】
- 電動機・変圧器:損失の増加による過熱、騒音・振動
- 進相コンデンサ:高調波電流の流入による過熱・異常音・焼損
- 保護継電器・計器:誤動作や誤差
【対策(ウ)】
- 直列リアクトル:コンデンサのリアクタンスの6%のものが一般的。第5次以上の高調波に対して回路を誘導性にし、高調波電流の拡大を防ぐ
- 交流フィルタやアクティブフィルタで高調波電流を吸収・打ち消す
- 高調波の少ない整流方式やインバータの採用
【数値で確かめる】6%の直列リアクトルの場合、基本波でのコンデンサのリアクタンスを1とすると、リアクトルは0.06です。第5次高調波では、リアクトルは5倍の0.30、コンデンサは1/5の0.20となり、リアクトル側が大きいので回路全体が誘導性になります。これが高調波の拡大を防ぐ仕組みです。
出典と作り方
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和3年度(午前) 第一種電気工事士 学科試験 問19(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-14)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。

