問題
図のように,直列リアクトルを設けた高圧進相コンデンサがある。この回路の無効電力(設備容量)[var]を示す式は。ただし,XL<XCとする。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
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解説
直列リアクトル付きの高圧進相コンデンサ全体が、電源からみてどれだけの無効電力を受け持つかを式で表す問題です。図ではコンデンサがY(星形)につながれ、各相にリアクタンスX_LのリアクトルとX_Cのコンデンサが直列に入っています。コンデンサの方が大きい(X_L<X_C)ので、1相分は「X_C−X_L」の容量性リアクタンスと考えられます。1相の電圧はV/√3、電流はV/{√3(X_C−X_L)}で、これを3相分まとめるとV²/(X_C−X_L)になります。正答はアです。
Y結線の1相分に着目して計算します。①1相のリアクタンス:リアクトルとコンデンサは逆向きに働くので、合成はX=X_C−X_L[Ω](容量性)。②1相の電圧と電流:Y結線の相電圧はV/√3なので、I=(V/√3)÷(X_C−X_L)=V/{√3(X_C−X_L)}。③回路全体の無効電力:Q=3I²X=3×V²/{3(X_C−X_L)²}×(X_C−X_L)=V²/(X_C−X_L)[var]。同じ結果はQ=√3VIからも得られます(√3×V×V/{√3(X_C−X_L)})。イはリアクタンスを足しており、リアクトルとコンデンサの働きが逆向きであることを無視しています。ウはX_Cを掛けた分だけ単位が合わず、エはV²ではなくVなので電力の単位になりません。正答はアです。
本問は「直列リアクトルを入れると、コンデンサ設備全体の無効電力はどう表されるか」を、Y結線の1相等価回路で確かめる問題です。
【導出】
- 1相の合成リアクタンス:X=X_C−X_L(X_L<X_Cなので容量性)
- 相電圧V/√3、線電流I=V/{√3(X_C−X_L)}
- 回路全体:Q=3I²(X_C−X_L)=V²/(X_C−X_L)
【コンデンサ単体との違い】リアクトルが無ければQ₀=V²/X_Cです。X_Lを入れると分母がX_C−X_Lに小さくなるため、回路全体の無効電力はQ₀より大きくなります。また、コンデンサの端子電圧はリアクトルの分だけ高くなり、1相分ではI×X_C=(V/√3)×X_C/(X_C−X_L)です。直列リアクトルを付けるとコンデンサには電源電圧より高い電圧がかかる、という点はコンデンサの定格電圧を選ぶときに重要になります。
【数値で確かめる】X_C=150Ω、X_L=9Ω(コンデンサのリアクタンスの6%)とすると、Q=V²/141となり、リアクトルが無い場合のV²/150より約6%大きくなります。
【選択肢の見分け方】
- ア:V²/(X_C−X_L)。1相等価回路から導いた式で正しい
- イ:X_CとX_Lを足しており、容量性と誘導性を同じ向きに扱った誤り
- ウ:X_C·V/(X_C−X_L)は電圧の形(コンデンサ端子電圧を思わせる式)で、電力の単位にならない
- エ:V/(X_C−X_L)は電流の形で、電力の単位にならない
【直列リアクトルの目的】高調波(特に第5調波)に対して回路を誘導性にして、コンデンサへの高調波電流の流入と高調波の拡大を抑えること、またコンデンサ投入時の突入電流を抑えることです。
出典と作り方
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和3年度(午後) 第一種電気工事士 学科試験 問9(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-14)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。


