問題
トップランナー方式で製造されていない 三相誘導電動機について,ファン等の負荷機器 はそのままで,電動機のみ同容量のトップ ランナー方式のものに更新する場合における 留意点の記述として,誤っているものは。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
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解説
トップランナー方式の電動機(高効率形)は、損失を減らすために巻線や鉄心を増やしているので、従来の電動機と比べて「始動電流が大きくなる」「回転速度が少し上がる」「トルクが大きくなる」「外形が大きくなることがある」という違いがある。ウは「始動電流が小さくなる」としているが、実際は大きくなる方向なので誤り。始動電流が増えると、配線用遮断器や電磁開閉器が始動時に動作してしまわないかを見直す必要がある。正答はウ。
「誤っているもの」を選ぶ問題。トップランナーモータは、損失(銅損・鉄損)を減らすために巻線の断面積や鉄心を増やし、すべりを小さくした高効率の電動機である。
ア(電動機が大きくなる場合がある):材料を増やす分、同じ容量でも外形寸法や取付寸法が大きくなる機種がある。正しい。
イ(回転速度が増す):すべりが小さくなると、同じ負荷でも回転速度がわずかに上がる。ファンやポンプは回転速度が上がると風量・流量や軸動力が増えるので、負荷機器の運転能力への注意が要る。正しい。
ウ(始動電流が小さくなる):巻線の抵抗が小さくなるため、始動電流は大きくなる傾向がある。遮断器などの見直しが要るのは確かだが、理由が逆。誤り。
エ(発生トルクが大きくなるおそれ):始動トルクなどが大きくなる場合があり、減速機と直結していれば機械強度の確認が要る。正しい。
したがって正答はウ。
【なぜ特性が変わるのか】三相誘導電動機の効率を上げるには、一次・二次の銅損と鉄損を減らす。具体的には巻線の断面積を増やして抵抗を下げ、鉄心の材質や量を見直す。二次抵抗が下がるとすべり s が小さくなり、回転速度 N=Ns(1−s)(Ns は同期速度)がわずかに上がる。巻線のインピーダンスが下がるため、始動時(s=1)の電流は従来機より大きくなりやすい。
【更新時に確認すること(各選択肢との対応)】
ア:材料が増える分、枠番号や取付寸法が変わる機種がある。据付台や配管・カップリングの寸法を確認する(正しい)。
イ:ファンやポンプは相似則により、流量は回転速度に比例し、軸動力は回転速度の3乗に比例する。回転速度がわずかに上がるだけでも軸動力が増え、省エネの効果が小さくなったり、過負荷になったりすることがある。負荷側の能力の見直しが要る(正しい)。
ウ:始動電流は「小さく」ではなく「大きく」なる傾向がある。そのため、配線用遮断器が始動時に不要動作しないか、電磁開閉器や熱動継電器の選定が適正かを見直す(記述は誤り)。
エ:始動トルクや最大トルクが大きくなる場合があり、減速機・軸継手などの機械強度の確認が要る(正しい)。
【試験での見分け方】「高効率化=電流が減る」という連想でウを正しいと思いやすい。定格運転時の効率が上がっても、始動電流は巻線の抵抗が下がる分かえって大きくなる。始動電流が増える→保護装置の見直し、という因果の向きを押さえておく。正答はウ。
出典と作り方
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和6年度 第一種電気工事士 学科試験 問11(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-14)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。

