第一種電工 電気機器・蓄電池・配線器具 問8:電気機器・蓄電池・配線器具
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-14)
かご形誘導電動機のY- 始動法に関する 記述として,誤っているものは。
- ア固定子巻線をY 結線にして始動したのち,Δ結線に切り換える方法である。
- イ始動トルクはΔ結線で全電圧始動した場合と同じである。正答
- ウΔ結線で全電圧始動した場合に比べ,始動時の線電流は に低下する。
- エ始動時には固定子巻線の各相に定格電圧の 倍の電圧が加わる。
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Y-Δ(スター・デルタ)始動法は、始動時に固定子巻線をY結線にして電圧を下げ、加速後にΔ結線に切り換えることで大きな始動電流を抑制する方法。Y結線では各巻線にかかる電圧が線間電圧の1/√3倍になるため、始動トルクはΔ直入と比べて1/3に低下する。選択肢イ「始動トルクはΔ結線で全電圧始動した場合と同じ」は誤り。正しくは始動トルクもΔ直入の1/3に低下する。正答イ。
Y-Δ始動法(スター・デルタ始動)に関する誤り選択を問う問題。各選択肢を検証する。ア(Y結線で始動後Δに切り換える)は正しい定義。ウ(始動時の線電流がΔ直入の1/3に低下する)は正しい:Y結線では各相電圧がVL/√3となり、巻線インピーダンスは一定なので相電流I_ph=VL/(√3×Z)。Δ直入時の線電流I_Δ=√3×I_ph_Δ=√3×VL/Z。Y始動時の線電流I_Y=I_ph_Y=VL/(√3×Z)。比率I_Y/I_Δ=(VL/√3Z)÷(√3VL/Z)=1/3。エ(始動時に各相巻線に定格電圧の1/√3倍の電圧が加わる)は正しい。イ(始動トルクがΔ直入と同じ)は誤り:トルクは電圧の二乗に比例するため、電圧が1/√3になると始動トルクは(1/√3)²=1/3に低下する。正答イ。
【Y-Δ始動法の詳細解析と応用】Y-Δ始動法は中型誘導電動機(5.5kW〜数百kW)で広く採用される減電圧始動法。第一種電気工事士では高圧受電設備内の低圧動力設備の施工・保守で必須知識。
【電圧・電流・トルクの定量関係】Δ直入始動(フルボルテージ始動)の各量を基準1とする。Y始動時の相電圧:V_Y=VL/√3(Δの1/√3倍)。Y始動時の相電流:I_phY=V_Y/Z=VL/(√3Z)(Δの1/√3倍)。Y始動時の線電流:I_Y=I_phY(Y結線では線電流=相電流)=VL/(√3Z)。Δ直入時の線電流:I_Δ=√3×I_phΔ=√3×VL/Z。比率:I_Y/I_Δ=VL/(√3Z)÷√3VL/Z=1/3。したがって線電流は1/3に低下。始動トルクTはトルクT∝V²(電圧の二乗に比例):T_Y/T_Δ=(1/√3)²=1/3。つまり始動電流も始動トルクも共に1/3に低下(正答イが誤りとなる根拠)。
【Y-Δ始動法の欠点と代替技術】始動トルクが1/3に低下するため、高負荷(ポンプの水圧・圧縮機の吸入圧力など)ではY結線時に始動できない場合がある。Δ切換え時に一瞬電流が遮断されるため、切換えショックが生じる。この欠点を克服するのがインバータ(VVVF)始動で、周波数を0からリニアに上昇させることで始動電流を定格電流程度に抑えつつ高始動トルクを実現できる。現代の高圧インバータは始動電流を定格の100-150%に制限しながら全トルクを維持でき、Y-Δ始動法より圧倒的に優れた始動性能を発揮する。電験三種「機械」では始動法の特性比較、電験二種では詳細な過渡現象解析が問われる。
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています(公式FAQで教育目的の許諾不要・使用料不要を明示容認・GREEN判定)。 根拠・出典:出典:令和6年度 第一種電気工事士 学科試験 問10(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-14)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき段差性のあるAI解説(初心者・標準・上級)を作成しています。