問題
同容量の単相変圧器2台をV結線し,三相負荷に電力を供給する場合の変圧器1台当たりの最大の利用率は。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
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解説
同じ容量の単相変圧器2台を「V」の形につないで三相を供給するとき、1台の能力のうちどれだけを使えるか(利用率)を問う問題です。変圧器1台の容量をP[kV·A]とすると、2台で2Pの能力があるのに、V結線で取り出せる三相の容量は√3P(約1.73P)までです。利用率は√3P÷2P=√3/2(約0.866)になり、約87%までしか使えません。3台でΔ結線にした場合(3Pまで使える)より、1台あたりの効率が悪い点が特徴です。正答はウです。
変圧器1台の定格容量をP=VI[kV·A](V:定格電圧、I:定格電流)とします。V結線では、各変圧器の巻線を流れる電流がそのまま線電流になるので、線電流の上限は定格電流Iです。したがって三相出力の上限は√3VI=√3P[kV·A]です。一方、2台の変圧器の容量の合計は2Pなので、利用率=√3P/2P=√3/2≒0.866となります。なお、Δ結線(3台)の出力3Pと比べた出力比は√3P/3P=1/√3≒0.577で、これは「出力比」と呼び、利用率とは別の値です。エ(2/√3)は利用率を逆にした値で、1を超えてしまうので誤りです。ア(1/2)、イ(√2/2)はV結線の関係からは出てきません。正答はウです。
本問はV結線の「利用率」を、出力比と区別して正しく求められるかを問う問題です。
【導出】
- 変圧器1台の容量:P=VI
- V結線では線電流=変圧器の巻線電流。上限はI
- V結線の三相出力:P_V=√3VI=√3P
- 利用率=P_V/(2台の設備容量2P)=√3/2≒0.866
- 出力比=P_V/(Δ結線3台の出力3P)=1/√3≒0.577
【数値で確かめる】50kV·Aの単相変圧器2台をV結線すると、三相出力の上限は√3×50≒86.6kV·Aです。2台の合計100kV·Aに対して86.6%しか使えません。同じ変圧器3台のΔ結線なら150kV·Aを供給できます。
【V結線が使われる場面】
- Δ結線の1台が故障したとき、残り2台で三相供給を続ける
- 三相負荷が小さく、将来の増設を見込んで当面2台で供給する
- 単相負荷と三相負荷の両方がある「異容量V結線」(灯動共用)として、低圧の配電で使われる
【選択肢の見分け方】
- ウ:√3/2。V結線の利用率として正しい
- エ:2/√3。利用率の逆数で、1を超えるので利用率にならない
- ア:1/2、イ:√2/2。V結線の関係から得られない
試験では「利用率(√3/2)」と「出力比(1/√3)」のどちらを問われているかを、文章から読み取ることが大切です。
出典と作り方
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和5年度(午前) 第一種電気工事士 学科試験 問11(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-14)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。

