問題
変圧器の鉄損に関する記述として,正しいものは。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
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解説
変圧器の鉄損について正しい説明を選ぶ問題です。鉄損は、変圧器の鉄心で生じる損失で、「ヒステリシス損」と「うず電流損」を合わせたものです。合計なので、鉄損はどちらか一方より大きくなり、イとウは誤りです。鉄損は鉄心の中の磁束の大きさで決まり、一次電圧が高くなると磁束が増えて鉄損も増えます。だからアが正しい記述です。周波数が変わると鉄損も変わるので、エも誤りです。正答はアです。
鉄損=ヒステリシス損+うず電流損です。それぞれの大きさは、周波数f、鉄心の最大磁束密度B_mを使っておおよそ次のように表されます。
- ヒステリシス損:f·B_m²に比例
- うず電流損:f²·B_m²に比例(鉄板の厚さの2乗にも比例)
また、変圧器の誘導起電力の式V=4.44fNΦ_mから、磁束(磁束密度)は電圧に比例し、周波数に反比例します(B_m∝V/f)。ア:一次電圧が高くなるとB_mが大きくなり、ヒステリシス損もうず電流損も増えるので、鉄損は増加します。正しい記述です。イ・ウ:鉄損は両者の合計なので、どちらか一方より小さくなることはありません。エ:電圧一定で周波数が変わるとB_mが変わり、ヒステリシス損が変化するので、鉄損は一定ではありません。正答はアです。
本問は鉄損の内訳と、電圧・周波数との関係を問う問題です。
【鉄損の内訳】
- ヒステリシス損P_h:鉄心の磁化の向きが繰り返し変わるときに失われるエネルギー。P_h∝f·B_m²(スタインメッツの実験式では指数を1.6〜2とする)
- うず電流損P_e:鉄心内に誘導されるうず電流によるジュール損。P_e∝(t·f·B_m)²(tは鉄板の厚さ)
鉄損P_i=P_h+P_e なので、P_iはP_hにもP_eにも等しいかそれより大きくなります。
【電圧・周波数との関係】V=4.44fNΦ_mより、B_m∝V/fです。これを代入すると、
- P_h∝f·(V/f)²=V²/f
- P_e∝f²·(V/f)²=V²
となります。
- 電圧を上げると:P_h・P_eともに増える → 鉄損は増加(アが正しい根拠)
- 電圧一定で周波数を上げると:P_hは減り、P_eはほぼ変わらない → 鉄損は減少
- 電圧一定で周波数を下げると:P_hが増え、鉄損は増加
したがって周波数で鉄損は変わり、エは誤りです。
【負荷との関係】鉄損は負荷電流にほとんど関係しない「無負荷損」で、電圧がかかっていれば常に生じます。負荷電流の2乗に比例する銅損(負荷損)とは区別します。変圧器の効率が最大になるのは、鉄損と銅損が等しくなる負荷のときです。
【低減の方法】うず電流損は鉄板を薄くして絶縁して重ねる(積層鉄心)ことで、ヒステリシス損はけい素鋼板やアモルファス合金のようにヒステリシスの小さい材料を使うことで減らせます。
出典と作り方
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和5年度(午後) 第一種電気工事士 学科試験 問11(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-14)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。

