第一種電工
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

第一種電工 令和元年度 問1|電気の基礎理論

問題

第一種電工 | 電気の基礎理論 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-14

図のように,2本の長い電線が,電線間の距離d[m]で平行に置かれている。両電線に直流電流I[A]が互いに逆方向に流れている場合,これらの電線間に働く電磁力は。

問題の図(出典: 令和元年度 第一種電気工事士 学科試験 問1/電気技術者試験センター)

図・写真の中の記号が イ・ロ・ハ・ニ のときは、選択肢の ア・イ・ウ・エ に順に対応します(試験の問題用紙の表記)。

図の出典:令和元年度 第一種電気工事士 学科試験 問1(一般財団法人 電気技術者試験センター)

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答え合わせ

正解は ウ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ

自信の3択

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解説

平行に置いた2本の電線に電流を流すと、それぞれの電流が作る磁界によって、電線どうしに力が働きます。電流の向きが同じなら引き合い(吸引力)、逆向きなら反発し合います(反発力)。この問題は逆向きなので反発力です。力の大きさは、2本の電流の積に比例し、電線間の距離に反比例します。両方の電流がIなら I×I=I² に比例し、距離dに反比例するので「I²/d に比例する反発力」となります。「同じ向きは引き合う」は磁石と逆なので、取り違えに注意しましょう。正答はウ です。

【力の大きさ】

真空(空気中)で、距離d[m]離れた平行な2本の電線に電流I1、I2[A]が流れるとき、電線1m当たりに働く力は

F=2I1I2/d × 10⁻⁷[N/m]

本問は I1=I2=I なので F=2I²/d × 10⁻⁷ となり、I²/d に比例します。

【力の向き】

・電流が同じ向き → 吸引力

・電流が逆向き → 反発力

本問は逆向きなので反発力。よって「I²/d に比例する反発力」(ウ)が正答。

【ほかの選択肢】

・ア:電流の1乗に比例・吸引力の2点が誤り。

・イ:距離の2乗に反比例するとしている点が誤り(2乗に反比例するのは点電荷どうしのクーロン力など)。

・エ:電流の3乗・距離の2乗、さらに吸引力で誤り。

【式の導き方】

電流I1が流れる長い直線電線から距離dの点の磁束密度は B=μ0I1/(2πd)(μ0=4π×10⁻⁷ H/m)です。この磁界の中に電流I2の電線があると、長さ1m当たりの電磁力は F=BI2=μ0I1I2/(2πd)=2I1I2/d×10⁻⁷[N/m]となります。

【向きの確かめ方】

右ねじの法則で電線1の電流が作る磁界の向きを求め、フレミングの左手の法則で電線2に働く力の向きを求めます。逆向きの電流では、2本の電線の間で磁界が強め合い、外側に押し出す向きの力(反発力)になります。同じ向きなら間の磁界が弱め合い、引き合う向き(吸引力)になります。

【数値の感覚】

100Aずつ流れる電線が10cm離れているとき、F=2×100×100/0.1×10⁻⁷=0.02 N/m とわずかですが、短絡電流が20kAになると 2×(2×10⁴)²/0.1×10⁻⁷=800 N/m に達します。電流の2乗に比例するため、短絡時には通常時の数万倍の力が瞬間的に加わります。

【実務とのつながり】

高圧受電設備の母線やケーブルの支持には、短絡時の電磁力に耐える機械的強度が必要です。往復の電流が流れる2本の電線(単相回路の行きと帰り)は逆向きの電流なので、短絡時には電線どうしが反発して離れようとします。ケーブルの固定や母線支持の間隔が規定されている背景には、この電磁力があります。なお、この力の関係は1A(アンペア)の旧来の定義にも使われていました。

この問題の根拠出典:令和元年度 第一種電気工事士 学科試験 問1(一般財団法人 電気技術者試験センター)
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和元年度 第一種電気工事士 学科試験 問1(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-14)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。