問題
送電・配電及び変電設備に使用するがいしの塩害対策に関する記述として,誤っているものは。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
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解説
塩害は、海から運ばれた塩分ががいしの表面に付き、霧や小雨で湿ると表面に電気が流れやすくなって、絶縁が悪くなる(ひどいと表面で放電する)被害。対策は、表面の距離を長くしたがいしを使う(ア)、付いた塩分を洗い流す(ウ)、水をはじく物質を塗って水の膜をできにくくする(エ)。イのアークホーンは、雷の異常電圧で起きる放電からがいしを守る部品で、塩分の付着による絶縁低下を防ぐものではない。正答はイ。
がいしの塩害の原因と対策を問う問題(正答イ)。
・塩害のしくみ:がいしの表面に塩分が付き、霧・露・小雨で湿ると、表面に電気を通す水の膜ができる。表面を漏れ電流が流れ、乾いた部分で小さな放電が起き、最後にはがいしの表面全体で放電(せん絡)して地絡事故になる。
・ア(正しい):沿面距離(がいしの表面に沿って測った電極間の距離)の大きいがいし(ひだを深く・多くしたもの、長幹がいしなど)を使うと、表面の漏れ電流が流れにくくなる。がいしの個数を増やす方法もある。
・ウ(正しい):がいしの表面に付いた塩分を定期的に水で洗い流す。停電せずに洗う活線洗浄の方法もある。
・エ(正しい):シリコンコンパウンドなどのはっ水性の物質を塗ると、表面の水が粒になって連続した水の膜ができにくくなる。
・イ(誤り・正答):アークホーンは雷などの異常電圧によるアークをがいしから離して、がいしの破損を防ぐもの。塩分の付着による絶縁低下には効果がない。
【塩害による絶縁低下の過程】
① 海からの風で運ばれた塩分ががいしの表面にたまる。
② 霧・露・小雨で塩分が湿ると、表面に電気を通す薄い水の膜ができる(大雨では逆に洗い流されることもある)。
③ 水の膜を漏れ電流が流れ、その熱で一部が乾くと、乾いた帯の部分に電圧が集中して小さな放電(部分放電)が起きる。
④ 放電が広がってがいしの両端がつながると、表面全体のせん絡(フラッシオーバ)となり、地絡事故や停電につながる。
雷のような一瞬の異常電圧ではなく、ふだんの運転電圧のままでせん絡に至る点が塩害の特徴である。
【対策の分類】
・がいしの設計で対応:沿面距離の大きい耐塩がいし・長幹がいしを使う、がいしの連結個数を増やして全体の沿面距離を長くする(過絶縁)。
・汚れを取り除く:定期的な洗浄(停電して洗う方法と、充電したまま注水する活線洗浄がある)。
・表面の性質を変える:シリコンコンパウンドなどのはっ水性物質を塗る。
・汚れにくい設計:屋内形・閉鎖形の設備にして、がいしを外気にさらさない。
【アークホーンとの区別】アークホーンは、雷の異常電圧でがいし表面にせん絡が起きたとき、アークをホーンどうしの間に移して、がいしの熱による破損や電線の溶断を防ぐ。せん絡そのものを防ぐのではなく、せん絡が起きたときの被害を小さくする部品であり、塩分の付着による絶縁低下を防ぐ働きはない。雷害対策(架空地線・避雷器・アークホーン)と塩害対策(沿面距離・洗浄・はっ水性物質)を分けて整理しておくと、どちらの形式で出題されても判断できる。
出典と作り方
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和2年度 第一種電気工事士 学科試験 問18(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-14)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。

