問題
労働安全衛生法令に基づく化学物質の表示・通知(ラベル・SDS)およびリスクアセスメントに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正しいのはエです。安衛則第12条の5第1項は、リスクアセスメント対象物(安衛令第18条各号の物及び安衛法第57条の2第1項の通知対象物)を製造し、又は取り扱う事業場ごとに化学物質管理者を選任し、表示・通知、リスクアセスメントの実施、措置の内容と実施、労働災害発生時の対応などの技術的事項を管理させなければならないと定めています。
各誤りの要点:ア→表示義務は政令で定める物等が対象で、一般消費者の生活の用に供するものは除かれる。イ→通知は「文書の交付その他厚生労働省令で定める方法」による。ウ→第57条の3第1項は「調査しなければならない」と定める(調査結果に基づき、法令の規定による措置のほか必要な措置を講ずることが努力義務)。オ→第57条第1項第2号で注意を喚起するための標章の表示も求められる。
表示・通知・リスクアセスメントの規定:
| 規定 | 内容 |
|---|---|
| 安衛法第57条(表示) | 政令で定める物等を容器に入れ又は包装して譲渡・提供する者は、名称・人体に及ぼす作用・貯蔵又は取扱い上の注意等と、注意を喚起するための標章を表示する。一般消費者の生活の用に供するための容器・包装は除く |
| 安衛法第57条の2(通知) | 通知対象物を譲渡・提供する者は、文書の交付その他厚生労働省令で定める方法により、相手方に所定の事項を通知する |
| 安衛法第57条の3(調査) | 事業者は危険性又は有害性等を調査しなければならない(第1項)。調査結果に基づき、法令の規定による措置を講ずるほか、必要な措置を講ずるよう努める(第2項) |
| 安衛則第12条の5 | リスクアセスメント対象物を製造・取扱う事業場ごとに化学物質管理者を選任 |
| 安衛則第12条の6 | 化学物質管理者を選任した事業者は、リスクアセスメントの結果に基づく措置として保護具を使用させるときは、保護具着用管理責任者を選任 |
各選択肢の正誤と根拠:
- ア(誤): 第57条第1項は「政令で定めるもの」等が対象で、ただし書で一般消費者の生活の用に供するための容器・包装を除いている。
- イ(誤): 第57条の2第1項は「文書の交付その他厚生労働省令で定める方法」と定めている。
- ウ(誤): 第57条の3第1項は調査を義務として定めている。
- エ(正): 安衛則第12条の5第1項のとおり。
- オ(誤): 第57条第1項第2号は「当該物を取り扱う労働者に注意を喚起するための標章で厚生労働大臣が定めるもの」の表示を求めている。
【理論的背景】
化学物質の情報伝達は、①容器・包装への表示(ラベル、安衛法第57条)、②譲渡・提供の相手方への通知(SDS等、第57条の2)、③それを使う事業者の調査(リスクアセスメント、第57条の3)、の3段階でつながっています。
- 表示(第57条第1項): 表示事項は、イ 名称、ロ 人体に及ぼす作用、ハ 貯蔵又は取扱い上の注意、ニ その他厚生労働省令で定める事項(第1号)と、当該物を取り扱う労働者に注意を喚起するための標章で厚生労働大臣が定めるもの(第2号)です。容器・包装以外の方法で譲渡・提供するときは、これらを記載した文書を交付します(第2項)。
- 通知(第57条の2第1項): 通知対象物を譲渡・提供する者は、文書の交付その他厚生労働省令で定める方法により通知します。主として一般消費者の生活の用に供される製品として譲渡・提供する場合は除かれます。
- 調査(第57条の3): 事業者は、第57条第1項の政令で定める物及び通知対象物による危険性又は有害性等を調査しなければなりません(第1項)。調査の結果に基づき、法令の規定による措置を講ずるほか、必要な措置を講ずるよう努めなければなりません(第2項)。厚生労働大臣は必要な指針を公表します(第3項)。
【実務・条文構造】
安衛則の主な規定:
- 第12条の5(化学物質管理者): リスクアセスメント対象物を製造・取扱う事業場ごとに選任(第1項)。譲渡・提供のみを行う事業場でも、表示等と教育管理のために選任(第2項)。選任すべき事由が発生した日から14日以内に選任し、リスクアセスメント対象物を製造している事業場では、厚生労働大臣が定める化学物質の管理に関する講習を修了した者等から選任する(第3項)。氏名を掲示等で関係労働者に周知(第5項)。
- 化学物質管理者が管理する事項(第12条の5第1項各号): 表示・文書・通知、リスクアセスメントの実施、第577条の2の措置等の内容と実施、労働災害発生時の対応、リスクアセスメント結果の記録の作成・保存・周知、第577条の2第11項の記録、労働者に対する必要な教育。
- 第12条の6(保護具着用管理責任者): 化学物質管理者を選任した事業者は、リスクアセスメントの結果に基づく措置として労働者に保護具を使用させるときは、保護具着用管理責任者を選任し、保護具の適正な選択・適正な使用・保守管理を管理させる。
- 第34条の2の8(記録): リスクアセスメントを行ったときは、対象物の名称、業務の内容、結果、講ずる措置の内容を記録し、次にリスクアセスメントを行うまでの期間(3年以内に次のリスクアセスメントを行ったときは3年間)保存し、労働者に周知する。
【試験での位置づけ】
この論点では、①表示は「政令で定める物」等が対象で一般消費者向けは除外、②表示には注意喚起の標章(絵表示)を含む、③通知は文書の交付その他省令で定める方法、④リスクアセスメント(調査)は義務、⑤化学物質管理者は事業場ごとに選任・保護具着用管理責任者は保護具を使用させるときに選任、の5点を押さえます。
【各選択肢の発展補足】
- ア: 表示の対象は第57条第1項の「政令で定めるもの」又は第56条第1項の物(製造許可物質)で、すべての化学品ではありません。
- イ: 「その他厚生労働省令で定める方法」があるため、文書の交付だけに限られません。
- ウ: 調査(第1項)は義務、調査結果に基づく必要な措置(第2項)は法令の規定による措置のほかは努力義務、という区別が大切です。
- エ: 化学物質管理者は事業場ごとに選任し、選任すべき事由が発生した日から14日以内に選任します。
- オ: 標章(絵表示)は第57条第1項第2号に規定されており、表示義務の一部です。
【根拠】労働安全衛生法第57条・第57条の2・第57条の3、労働安全衛生規則第12条の5・第12条の6・第34条の2の8。
【補足】エ(正): リスクアセスメント対象物を製造・取扱う事業場ごとに化学物質管理者を選任(安衛則第12条の5)。ア(誤): 表示は政令で定める物等が対象・一般消費者向けは除外。イ(誤): 通知は文書の交付その他省令で定める方法。ウ(誤): リスクアセスメントは義務。オ(誤): 標章(絵表示)の表示も義務。
- 労働安全衛生法第57条・第57条の2・第57条の3e-Govで原文を読む
- 労働安全衛生規則第12条の5・第12条の6e-Govで原文を読む
- 労働安全衛生法施行令第18条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働安全衛生法第57条(表示等)・第57条の2(文書の交付等)・第57条の3(事業者が行うべき調査等)、労働安全衛生規則第12条の5(化学物質管理者)・第12条の6(保護具着用管理責任者)・第34条の2の8(リスクアセスメントの結果等の記録及び保存並びに周知)。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

