問題
電離放射線障害防止規則(電離則)における放射線業務従事者の義務および管理区域の管理に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
正しいのはイです。電離則第8条第3項は、外部被ばくによる線量の測定について、男性又は妊娠する可能性がないと診断された女性は胸部、その他の女性は腹部に放射線測定器を装着させ、最も多く放射線にさらされるおそれのある部位が別にあるときはその部位にも装着させることを定めています。
各誤りの要点: ア→部位によって複数の放射線測定器を装着させる場合があります。オ→事業者は喫煙・飲食を禁止しなければなりません(電離則第41条の2)。ウ→線量の記録は30年間保存します(電離則第9条第2項)。エ→管理区域は標識で明示する義務があります(電離則第3条)。
電離則の主な管理事項:
| 事項 | 内容 |
|---|---|
| 管理区域の明示(第3条) | 実効線量が3月間につき1.3mSvを超えるおそれのある区域等を標識で明示 |
| 放射線測定器の装着(第8条第3項) | 胸部(妊娠する可能性のある女性は腹部)+最も多くさらされるおそれのある部位 |
| 喫煙・飲食の禁止(第41条の2) | 放射性物質取扱作業室等で、事業者が表示等の方法により禁止 |
| 線量の記録(第9条第2項) | 30年間保存(5年間保存後に厚生労働大臣が指定する機関に引き渡すときを除く) |
| 退去者の汚染検査(第31条) | 汚染のおそれのある管理区域の出口に汚染検査場所を設け、退去時に検査 |
各選択肢の正誤と根拠:
- ア(誤): 電離則第8条第3項第2号・第3号により、最も多く放射線にさらされるおそれのある部位(頭・頚部、手指など)にも装着させる場合があります。また妊娠する可能性のある女性の基本部位は腹部です。
- オ(誤): 電離則第41条の2第1項は、事業者に対し、作業従事者の喫煙・飲食を「禁止する旨を見やすい箇所に表示することその他の方法により禁止する」ことを義務付けています。
- ウ(誤): 線量の記録は30年間保存しなければなりません(電離則第9条第2項)。
- エ(誤): 電離則第3条第1項の要件に該当する区域は管理区域として標識で明示しなければなりません。
- イ(正): 電離則第8条第3項各号の内容です。
【理論的背景】
放射線業務従事者の被ばく管理は、①管理区域を明示して立入りを制限し、②その中で受ける外部被ばく・内部被ばくの線量を測定し、③線量を算定・記録して本人に知らせる、という流れで組み立てられています。
管理区域(電離則第3条第1項)は次のいずれかに該当する区域です:
- 外部放射線による実効線量と空気中の放射性物質による実効線量との合計が3月間につき1.3ミリシーベルトを超えるおそれのある区域
- 放射性物質の表面密度が別表第三に掲げる限度の10分の1を超えるおそれのある区域
事業者は、必要のある者以外の者を管理区域に立ち入らせてはならず(同条第4項)、管理区域内の見やすい場所に放射線測定器の装着に関する注意事項等を掲示しなければなりません(同条第5項)。
【実務・条文構造】
放射線測定器の装着部位(電離則第8条第3項):
- 第1号: 男性又は妊娠する可能性がないと診断された女性は胸部、その他の女性は腹部
- 第2号: 頭・頚部、胸・上腕部、腹・大腿部のうち最も多く放射線にさらされるおそれのある部位(第1号と同じ区分の場合を除く)
- 第3号: 最も多く放射線にさらされるおそれのある部位がそれ以外(手指など)のときは、その部位(中性子線の場合を除く)
- 放射線業務従事者等は、管理区域内で放射線測定器を装着しなければならない(同条第6項)
内部被ばくの測定(電離則第8条第4項): 管理区域のうち放射性物質を吸入摂取・経口摂取するおそれのある場所に立ち入る者について、3月以内(妊娠中の女性等は1月以内)ごとに1回。誤って吸入摂取・経口摂取したときは速やかに行う。
線量の記録(電離則第9条第2項):
- 事業者が、厚生労働大臣が定める方法により線量を算定して記録
- 保存期間は30年間。ただし5年間保存した後に厚生労働大臣が指定する機関に引き渡すときは、この限りでない
- 記録に基づき、放射線業務従事者に線量を遅滞なく知らせる(同条第3項)
汚染の防止:
- 喫煙等の禁止(電離則第41条の2): 放射性物質取扱作業室その他の放射性物質を吸入摂取し、又は経口摂取するおそれのある作業場で、事業者が禁止する。作業従事者もその作業場で喫煙・飲食してはならない(同条第2項)
- 退去者の汚染検査(電離則第31条): 汚染のおそれのある管理区域の出口に汚染検査場所を設け、退去時に身体及び装具の汚染の状態を検査する
- 呼吸用保護具(電離則第38条)・保護衣等(電離則第39条)
【試験での位置づけ】
電離則では「管理区域の基準(3月間1.3mSv)」「放射線測定器の装着部位(胸部/妊娠する可能性のある女性は腹部)」「線量の記録は30年保存」「喫煙・飲食の禁止の範囲」が頻出です。ウの「離職後は保存不要」は、30年保存という長期の義務を軽く見せる引っかけです。
【各選択肢の発展補足】
- ア: 装着部位は「胸部だけ」ではありません。最も多く放射線にさらされる部位が頭・頚部や手指などにあるときは、その部位にも放射線測定器を装着させます(電離則第8条第3項第2号・第3号)。
- オ: 喫煙・飲食の禁止は、放射性物質の吸入摂取・経口摂取による内部被ばくを防ぐための規定です。禁止の対象となる場所は「放射性物質取扱作業室その他の放射性物質を吸入摂取し、又は経口摂取するおそれのある作業場」です。
- ウ: 線量の記録の保存期間は30年間で、離職によって保存義務は終わりません。5年間保存した後に厚生労働大臣が指定する機関に引き渡す場合に限り、保存義務の例外が認められています。
- エ: 管理区域の明示は、立入りの制限(電離則第3条第4項)や放射線測定器の装着(電離則第8条第6項)など、その後の管理の前提になります。
- イ: 妊娠する可能性がないと診断された女性を除く女性の基本部位は腹部です(電離則第8条第3項第1号)。また妊娠中の女性は、内部被ばくによる実効線量及び腹部表面に受ける等価線量の1月ごと及び妊娠中の合計も記録します(電離則第9条第2項第6号)。
【根拠法令】電離放射線障害防止規則 第3条(管理区域の明示等)・第8条(線量の測定:放射線測定器の装着部位)・第9条(線量の記録:30年保存)・第31条(退去者の汚染検査)・第41条の2(喫煙等の禁止)
【補足】管理区域は標識で明示する義務がある。放射線測定器は胸部(妊娠する可能性のある女性は腹部)に装着し、最も多くさらされる部位が別にあればその部位にも装着。線量の記録は30年保存。放射性物質取扱作業室等での喫煙・飲食は事業者が禁止する。
- 電離放射線障害防止規則第8条・第41条の2・第9条・第3条・第31条・第38条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 電離放射線障害防止規則(電離則)第3条(管理区域の明示等)・第8条(線量の測定)・第9条(線量の測定結果の確認、記録等:30年保存)・第31条(退去者の汚染検査)・第41条の2(喫煙等の禁止)。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

