関係法令(有害業務)26第一種電離放射線障害防止規則(電離則)

衛生管理者 関係法令(有害業務) 問26:電離放射線障害防止規則(電離則)

電離放射線障害防止規則(電離則)における放射線業務従事者の義務および管理区域の管理に関する次の記述のうち、**正しいもの**はどれか。

  • 放射線業務従事者は、管理区域内では常に個人線量計(ガラスバッジ等)を胸部に着用しなければならず、部位によって複数の線量計を着用する必要はない。
  • 放射線業務従事者は、管理区域内で飲食や喫煙をすることができない。これは放射性物質による内部被ばく(経口摂取)を防止するための規制である。
  • 事業者は、放射線業務従事者が管理区域内で受けた被ばく線量の累積記録を、当該業務従事者が離職した後は保存する必要がない。
  • 管理区域の設定は任意であり、事業者の判断によって設定しても設定しなくてもよい。
  • 個人線量計の着用部位は法令で具体的に規定されており、全身均等被ばくの場合は胸部または腹部、不均等被ばくが予想される場合は最大線量を受けるおそれのある部位に着用する。正答
正答:個人線量計の着用部位は法令で具体的に規定されており、全身均等被ばくの場合は胸部または腹部、不均等被ばくが予想される場合は最大線量を受けるおそれのある部位に着用する。

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正しいのはオです。個人線量計(ガラスバッジ・電子線量計等)の着用部位は電離則第8条で定められており、全身均等被ばくの場合は胸部または腹部、不均等被ばくが予想される場合は最大線量を受けるおそれのある部位に着用します。頭頸部・手指等に特に線量が集中する作業では、複数の線量計を異なる部位に着用することがあります。

各誤りの要点: ア→部位による不均等被ばくの場合は複数の線量計が必要な場合があります。イ→管理区域内での飲食・喫煙の禁止は正しいですが、「できない」という禁止の方向性は正しい(選択肢イは正しい記述です)。ウ→被ばく線量記録は30年間保存(離職後も)。エ→管理区域の設定は義務(任意ではない)。

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管理区域の主な義務的管理事項(電離則):

| 事項 | 内容 |

|---|---|

| 管理区域の設定(第3条) | 一定以上の線量が予想される場所は必ず設定(任意でない) |

| 個人線量計の着用(第8条) | 着用部位は均等/不均等被ばくで異なる・複数着用の場合あり |

| 飲食・喫煙の禁止(第20条) | 管理区域内での飲食・喫煙は禁止 |

| 線量記録の保存(第9条) | 30年間保存(離職後も継続) |

| 汚染検査(第22条) | 退去時に必要に応じて実施 |

各選択肢の正誤と根拠:

  • ア(誤): 複数の線量計を着用する場合があります。例えば放射線診断を行う医師・放射線技師が手指に鉛手袋をしながら処置する場合、手指部位の線量計が必要なことがあります。
  • イ(正): 電離則第20条の通り、管理区域内での飲食・喫煙は禁止されています。放射性物質が付着した手で食事をしたり、放射性物質を含む粉じんが舞い上がる環境でタバコを吸うと、内部被ばく(経口・吸入)につながります。
  • ウ(誤): 線量記録(線量測定の記録)は30年間保存(電離則第9条)。離職後も30年間保存が義務で、事業廃止時は都道府県労働局長への引継ぎが必要です。
  • エ(誤): 管理区域の設定は義務(電離則第3条)。一定の線量以上の場所は必ず設定しなければならず、任意ではありません。
  • オ(正): 電離則第8条の通り、個人線量計の着用部位は被ばくの均等性に応じて定められており、不均等被ばくの場合は複数箇所に着用する必要があります。
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【理論的背景】

個人線量計(個人被ばく線量計)は、放射線業務従事者が実際に受けた放射線の線量を個人レベルで測定・記録するための装置です。代表的なものはガラス線量計(ガラスバッジ)・TLD(熱ルミネッセンス線量計)・OSL(光刺激ルミネッセンス線量計)・リアルタイムで読み取り可能な電子線量計等があります。

全身均等被ばくと不均等被ばくの区別:

  • 全身均等被ばく: 全身がほぼ均等に放射線を受ける状況(医療機関での透視業務等)。胸部または腹部の1か所の線量計で全身の線量を代表できる。
  • 不均等被ばく: 身体の一部(手指・眼・頭等)が特に高線量を受ける状況(核医学・放射線インターベンション・放射性物質取扱い等)。最大線量を受けるおそれのある部位と胸部等の複数箇所に着用が必要。

内部被ばくの経路と管理区域内飲食禁止の意義:

内部被ばくの経路は「経口摂取(汚染した手で触れた食品等)」「吸入(放射性物質を含むエアロゾルの吸入)」「経皮吸収(皮膚からの侵入・一部の放射性物質)」です。管理区域内での飲食・喫煙の禁止は、「経口摂取」と「喫煙による吸入」を防ぐための基本的な管理措置です。

【実務・条文構造】

個人線量計の着用部位(電離則第8条):

外部被ばく測定の方法:

  • 全身均等被ばくの場合: 胸部(または腹部)に1個の線量計を着用
  • 不均等被ばくが予想される部位がある場合: 最大線量を受けるおそれのある部位(手指・頭頸部等)に追加着用
  • 妊娠可能期間中の女性: 腹部への着用が推奨される場合あり

線量記録の保存(電離則第9条):

  • 保存義務者: 事業者
  • 保存期間: 30年間
  • 保存内容: 個人線量計の測定値・測定期間・測定部位等
  • 事業廃止時: 都道府県労働局長への引継ぎ義務

管理区域内の行動規制(電離則第20条・第21条):

  • 飲食・喫煙の禁止(第20条): 管理区域内での飲食・喫煙は全面禁止
  • 保護具の使用(第21条): 密封されていない放射性物質取扱い等での保護具着用
  • 汚染検査後の退去(第22条): 必要に応じて身体・衣類の汚染検査の実施

【試験での位置づけ】

電離則の業務従事者管理問題では「管理区域内での飲食・喫煙禁止(内部被ばく防止)」「線量記録は30年保存(離職後も)」「管理区域の設定は義務(任意でない)」「個人線量計の着用部位(均等被ばく=胸部・不均等=最大線量部位)」の4点が頻出です。ウのような「離職後の記録保存は不要」という誤りは、30年保存という特別な長期義務を軽視させる典型的な引っかけです。放射線の晩発性発がんリスクへの対応として、記録は離職後も事業者が責任を持って保存することを明確に覚えてください。

【各選択肢の発展補足】

  • ア: 放射線インターベンション(カテーテル治療等の透視下手術)に従事する医師・技師は、X線照射源が手指に近い作業をするため、指輪型の線量計(リングバッジ)を着用することがあります。また鉛エプロンで胴体を防護しながら頭頸部が高線量を受ける場合は、首(甲状腺)への追加線量計着用が必要です。このように複数線量計の着用は実際の現場での重要な安全管理措置です。
  • イ: 管理区域内での飲食・喫煙禁止の実務的な管理として、事業者は管理区域の境界に「飲食・喫煙禁止」の標識を設置し、入場者へ周知徹底することが求められます。また管理区域退去時には手洗い(汚染除去)を実施してから区域外で飲食・喫煙するよう指導することが安全文化として重要です。
  • ウ: 30年保存の線量記録は、労働者が将来のがん発症の際に「職業性放射線曝露との因果関係」を立証するための証拠として機能します。放射線被ばく記録がなければ労働者補償・保険申請が困難になります。事業者廃止後の記録引継ぎ先(都道府県労働局)が「最後の受け皿」として機能しています。
  • エ: 管理区域の設定は安全管理の「入口」となる義務であり、設定なしでは個人線量計の着用・飲食禁止・立入記録等の後続する管理義務がすべて機能不全に陥ります。設定義務(電離則第3条)は放射線管理の基盤となる最重要規定の一つです。
  • オ: 着用部位の統一基準(胸部/腹部での全身均等被ばくの代表)は、全業種・全施設での被ばく記録の比較・集計を可能にするための「標準化」の意味もあります。部位ごとに異なる線量を持ちながらも、胸部での測定値を全身実効線量の代表値として使用する換算係数も電離則で規定されています。

【根拠法令】電離放射線障害防止規則 第3条(管理区域の設定義務:法令上の要件を満たす場所は必ず設定・任意ではない)・第8条(個人線量計の着用部位:全身均等=胸部または腹部・不均等=最大線量部位・複数着用も必要な場合あり)・第9条(線量記録:30年保存・離職後も継続)・第20条(管理区域内での飲食・喫煙禁止)

【補足】管理区域の設定は義務(任意ではない)。線量記録は離職後も含め30年保存。個人線量計の着用部位:均等被ばく=胸部または腹部・不均等=最大線量部位(複数着用の場合あり)。管理区域内の飲食・喫煙は禁止。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 電離放射線障害防止規則(電離則)第3条(管理区域の設定義務)・第8条(外部被ばく線量の測定方法・個人線量計の着用部位)・第9条(線量記録:30年保存)・第20条(飲食・喫煙の禁止)。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

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