問題
建築物の解体・改修等に伴う石綿対策に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
誤りはオです。石綿則でいう「解体等の作業」は、建築物等の「解体又は改修(封じ込め又は囲い込みを含む。)」の作業です(石綿則第3条第1項)。石綿等が使用されている建築物等の解体等の作業(石綿使用建築物等解体等作業)を行う場合の報告事項には、石綿作業主任者の氏名が含まれています(石綿則第4条の2第2項第6号)。封じ込め・囲い込みも石綿等を取り扱う作業であり、石綿作業主任者技能講習の修了者から石綿作業主任者を選任しなければなりません(安衛令第6条第23号・石綿則第19条)。
ア・イ・ウ・エは、それぞれ石綿則第3条第1項・第5条・第3条第9項・第6条第2項の内容です。
石綿則の主要な解体・改修時の規制:
| 規制事項 | 内容 | 根拠条文 |
|---|---|---|
| 事前調査 | 解体等の作業の前に、石綿等の使用の有無を調査 | 石綿則第3条 |
| 作業計画 | 石綿使用建築物等解体等作業はあらかじめ作業計画を定める | 石綿則第4条 |
| 作業の届出 | 吹き付けられた石綿等の除去・封じ込め・囲い込み等は、あらかじめ所轄労働基準監督署長へ | 石綿則第5条 |
| 隔離等の措置 | 吹き付けられた石綿等の除去等で隔離・集じん排気・負圧等 | 石綿則第6条 |
| 作業主任者 | 石綿作業主任者技能講習修了者から選任 | 石綿則第19条 |
| 特殊健診・記録 | 6月以内ごとに1回・個人票は常時従事しなくなった日から40年保存 | 石綿則第40条・第41条 |
各選択肢の正誤と根拠:
- ア(正): 石綿則第3条第1項のとおりです。
- イ(正): 石綿則第5条第1項第1号の作業の届出です。法第88条第3項の届出をする場合は適用されません(同条第2項)。
- ウ(正): 石綿則第3条第9項のとおりです。
- エ(正): 石綿則第6条第2項第1号〜第4号の措置です(同条第1項ただし書により、同等以上の効果を有する措置を講じたときを除く)。
- オ(誤): 解体等の作業には封じ込め・囲い込みが含まれ(第3条第1項)、石綿等を取り扱う作業として石綿作業主任者の選任が必要です(安衛令第6条第23号・石綿則第19条)。
【理論的背景】
石綿則は、建築物、工作物又は船舶(鋼製の船舶に限る)の「解体又は改修(封じ込め又は囲い込みを含む。)の作業」を「解体等の作業」と定義し(第3条第1項)、除去だけでなく封じ込め・囲い込みも同じ規制の枠組みに入れています。封じ込め・囲い込みであっても、石綿等が使用されている建材に手を加える作業であることに変わりはないからです。
石綿作業主任者は、安衛令第6条第23号の「石綿等を取り扱う作業」等について、石綿作業主任者技能講習を修了した者のうちから選任します(石綿則第19条)。職務は次のとおりです(石綿則第20条)。
- 作業に従事する労働者が石綿等の粉じんにより汚染され、又はこれらを吸入しないように、作業の方法を決定し、労働者を指揮すること
- 局所排気装置、プッシュプル型換気装置、除じん装置等を1月を超えない期間ごとに点検すること
- 保護具の使用状況を監視すること
【実務・条文構造】
事前調査(石綿則第3条):
- 解体等対象建築物等の全ての材料について、設計図書等の文書の確認と目視による確認で行う(第2項)
- 事前調査は、原則として、必要な知識を有する者として厚生労働大臣が定める者に行わせる(第4項)
- 調査しても石綿等の使用の有無が明らかにならないときは分析調査を行う。ただし、石綿等が使用されているものとみなして措置を講じるときは、この限りでない(第5項)
- 記録を作成し、調査終了日から3年間保存する(第7項)
- 目視により確認することが困難な材料は、確認できるようになったときに事前調査を行う(第9項)
事前調査の結果等の報告(石綿則第4条の2): 床面積の合計80㎡以上の建築物の解体工事、請負代金100万円以上の建築物の改修工事などでは、あらかじめ電子情報処理組織を使用して所轄労働基準監督署長に報告する。
作業の届出(石綿則第5条): 吹き付けられている石綿等(石綿含有仕上げ塗材を除く)の除去・封じ込め・囲い込みの作業、張り付けられている石綿含有保温材等の除去・封じ込め・囲い込みの作業(粉じんを著しく発散するおそれがあるもの)は、あらかじめ所轄労働基準監督署長に届け出る。
隔離等の措置(石綿則第6条第2項): ①作業場所の隔離 ②ろ過集じん方式の集じん・排気装置による排気 ③前室・洗身室・更衣室の設置 ④作業場所及び前室を負圧に保つ ⑤〜⑦集じん・排気装置の漏えい点検や前室の負圧点検 ⑧異常があれば直ちに作業を中止し補修等の措置。隔離を解くのは、除去が完了したことを石綿等に関する知識を有する者が確認した後(同条第3項)。
【試験での位置づけ】
石綿則の解体・改修問題では「事前調査の義務」「作業の届出(所轄労働基準監督署長・あらかじめ)」「隔離・負圧等の措置」「封じ込め・囲い込みも解体等の作業に含まれる」が頻出です。オのように「封じ込め・囲い込みは安全だから規制が軽い」とする記述は、石綿則の定義(第3条第1項)を「除去のみ」と誤解させる引っかけです。
【各選択肢の発展補足】
- ア: 事前調査の記録は調査終了日から3年間保存し、調査終了日や調査結果の概要は作業場の見やすい箇所に掲示します(石綿則第3条第7項・第8項)。
- イ: 建設業等の仕事として吹き付けられている石綿等の除去・封じ込め・囲い込みの作業を行う場合は、法第88条第3項の計画の届出(仕事の開始の日の14日前までに労働基準監督署長へ・安衛則第90条第5号の2)の対象となり、この届出をする場合には石綿則第5条の届出は適用されません(同条第2項)。
- ウ: 事前調査は設計図書等の確認と目視によるのが原則で、構造上目視が困難な材料はその時点では対象外となりますが、目視できるようになった段階で調査しなければなりません(石綿則第3条第2項第2号ただし書・第9項)。
- エ: 隔離を行った作業場所では、作業を開始した後速やかに、集じん・排気装置の排気口からの粉じんの漏えいの有無を点検し、その日の作業開始前と作業中断時には前室が負圧に保たれていることを点検します(石綿則第6条第2項第5号・第7号)。
- オ: 石綿使用建築物等解体等作業に係る業務に就かせる労働者には特別教育も必要です(石綿則第27条)。封じ込め・囲い込みもこの解体等作業に含まれます。
【根拠法令】石綿障害予防規則 第3条(事前調査)・第4条(作業計画)・第4条の2(報告)・第5条(作業の届出)・第6条(隔離等の措置)・第19条(石綿作業主任者の選任)・第20条(職務)・第27条(特別の教育)・第40条・第41条(健康診断・記録40年保存)、労働安全衛生法施行令 第6条第23号
【補足】解体等の作業には封じ込め・囲い込みが含まれ、石綿作業主任者の選任が必要。事前調査・作業計画・作業の届出(あらかじめ所轄労働基準監督署長へ)・隔離等の措置はいずれも義務。
- 石綿障害予防規則第3条・第4条の2・第19条・第4条・第5条・第6条e-Govで原文を読む
- 労働安全衛生法第88条e-Govで原文を読む
- 労働安全衛生法施行令第6条e-Govで原文を読む
- 労働安全衛生規則第90条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 石綿障害予防規則(石綿則)第3条(事前調査及び分析調査)・第4条(作業計画)・第4条の2(事前調査の結果等の報告)・第5条(作業の届出)・第6条(吹き付けられた石綿等及び石綿含有保温材等の除去等に係る措置)・第19条(石綿作業主任者の選任)・第20条(石綿作業主任者の職務)・第27条(特別の教育)、労働安全衛生法施行令 第6条第23号。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

