問題
粉じん障害防止規則(粉じん則)および関係法令に定める粉じん作業に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
誤りはウです。粉じん障害防止規則には作業主任者の定めがありません。作業主任者を選任すべき作業を定める安衛令第6条にも粉じん作業は掲げられていないため、「粉じん作業主任者」という作業主任者は存在しません。
特定粉じん作業について粉じん則が求めるのは、特別の教育(第22条)や、常時特定粉じん作業が行われる屋内作業場での粉じん濃度の測定(第25条・第26条)などです。ア・イの定義(第2条)、エの特別の教育と記録の3年保存、オのじん肺健康診断の頻度(じん肺法第8条)は正しい記述です。
粉じん則の用語(第2条第1項):
| 用語 | 定義 |
|---|---|
| 粉じん作業 | 別表第1に掲げる作業のいずれかに該当するもの(所轄都道府県労働局長が措置不要と認定した作業を除く) |
| 特定粉じん発生源 | 別表第2に掲げる箇所 |
| 特定粉じん作業 | 粉じん作業のうち、その粉じん発生源が特定粉じん発生源であるもの |
特定粉じん作業に関する主な義務:
- 特別の教育: 常時特定粉じん作業に係る業務に就かせる労働者に、粉じんの発散防止及び作業場の換気の方法・作業場の管理・呼吸用保護具の使用の方法・粉じんに係る疾病及び健康管理・関係法令の科目で行う(粉じん則第22条、安衛則第36条第29号)
- 作業環境測定: 常時特定粉じん作業が行われる屋内作業場で、6か月以内ごとに1回、空気中の粉じんの濃度を測定し、記録を7年間保存(粉じん則第25条・第26条)
各選択肢の正誤と根拠:
- ア(正): 粉じん則第2条第1項第1号の定義どおりです。
- イ(正): 粉じん則第2条第1項第2号・第3号の定義どおりです。
- ウ(誤): 粉じん則に作業主任者の規定はなく、安衛令第6条(作業主任者を選任すべき作業)にも粉じん作業は掲げられていません。
- エ(正): 特別の教育は粉じん則第22条、記録の作成と3年間保存は安衛則第38条によります。
- オ(正): 常時粉じん作業に従事する労働者は3年以内ごと、そのうちじん肺管理区分が管理二又は管理三の者は1年以内ごとに1回です(じん肺法第8条第1項第1号・第2号)。
【理論的背景】
粉じん則は「粉じん作業」(別表第1)と、そのうち粉じん発生源が「特定粉じん発生源」(別表第2)である「特定粉じん作業」の二段階で規制を組み立てています(第2条第1項)。特定粉じん作業には、特別の教育(第22条)や、常時特定粉じん作業が行われる屋内作業場の作業環境測定(第25条・第26条)といった追加の義務がかかります。
一方で、粉じん則の章立ては「総則」「設備等の基準」「設備の性能等」「管理」「作業環境測定」「保護具」で、作業主任者の章や条文はありません。作業主任者を選任すべき作業は安衛法第14条を受けて安衛令第6条に列挙されていますが、そこにも粉じん作業は掲げられていません。粉じん作業の管理は、作業主任者ではなく、事業者が直接負う設備・教育・測定・保護具の義務によって行う仕組みです。
【実務・条文構造】
定義(粉じん則第2条第1項):
- 第1号 粉じん作業: 別表第1に掲げる作業。ただし、粉じんの発散の程度等からみて措置を講ずる必要がないと所轄都道府県労働局長が認定した作業を除く
- 第2号 特定粉じん発生源: 別表第2に掲げる箇所
- 第3号 特定粉じん作業: 粉じん作業のうち、粉じん発生源が特定粉じん発生源であるもの
特別の教育(粉じん則第22条):
- 対象: 常時特定粉じん作業に係る業務に就かせる労働者(安衛則第36条第29号)
- 科目: 粉じんの発散防止及び作業場の換気の方法、作業場の管理、呼吸用保護具の使用の方法、粉じんに係る疾病及び健康管理、関係法令
- 記録: 受講者・科目等の記録を作成し3年間保存(安衛則第38条)
作業環境測定(粉じん則第25条・第26条):
- 対象: 常時特定粉じん作業が行われる屋内作業場
- 頻度: 6か月以内ごとに1回、空気中の粉じんの濃度を測定(土石・岩石・鉱物に係るものは遊離けい酸の含有率も)
- 記録: 7年間保存(第26条第8項)
じん肺健康診断(じん肺法第8条第1項):
- 常時粉じん作業に従事する労働者: 3年以内ごとに1回
- そのうちじん肺管理区分が管理二又は管理三の者: 1年以内ごとに1回
- 過去に常時粉じん作業に従事させたことがあり、現に粉じん作業以外の作業に常時従事している者(厚生労働省令で定める者を除く): 管理二は3年以内ごと、管理三は1年以内ごと
【試験での位置づけ】
粉じん則の問題では「粉じん作業=別表第1、特定粉じん発生源=別表第2、特定粉じん作業=粉じん作業のうち発生源が特定粉じん発生源のもの」「特別の教育は常時特定粉じん作業に係る業務」「屋内の常時特定粉じん作業場は6か月以内ごとに粉じん濃度を測定・記録7年保存」「じん肺健康診断は3年以内ごと(管理二・三は1年以内ごと)」が問われます。ウのように、他の規則(有機則・特化則・鉛則など)の作業主任者の仕組みを粉じん則に当てはめた記述は誤りです。作業主任者の選任が必要な作業は安衛令第6条で確認しましょう。
【各選択肢の発展補足】
- ア: 粉じん作業から除かれるのは、粉じんの発散の程度・作業の工程等からみて措置を講ずる必要がないと所轄都道府県労働局長が認定した作業です。認定を受けるには、粉じん作業非該当認定申請書を所轄労働基準監督署長を経由して所轄都道府県労働局長に提出します(第2条第2項)。
- イ: 特定粉じん作業かどうかは「作業」ではなく「粉じん発生源」が別表第2の箇所に当たるかで決まります。同じ粉じん作業でも、発生源が別表第2に当たらなければ特定粉じん作業ではありません。
- ウ: 安衛令第6条には高圧室内作業、有機溶剤・特定化学物質・鉛・石綿等を取り扱う作業、酸素欠乏危険場所における作業などが掲げられていますが、粉じん作業はありません。粉じん作業の管理は、事業者が負う設備・教育・測定・保護具の義務で行います。
- エ: 特別教育の記録の3年保存は安衛則第38条の共通規定で、粉じん則第22条第3項も安衛則第37条・第38条を前提としています。
- オ: じん肺法第8条は、現に常時粉じん作業に従事している労働者だけでなく、過去に常時粉じん作業に従事させたことがあり現に他の作業に常時従事している管理二・管理三の労働者にも定期のじん肺健康診断を義務付けています。
【根拠法令】粉じん障害防止規則 第2条(粉じん作業・特定粉じん発生源・特定粉じん作業の定義)・第22条(特別の教育)・第25条・第26条(粉じん濃度の測定:6か月以内ごとに1回・記録7年保存)、労働安全衛生法施行令 第6条(作業主任者を選任すべき作業)、労働安全衛生規則 第36条第29号・第38条(特別教育と記録の3年保存)、じん肺法 第8条(定期のじん肺健康診断)
【補足】粉じん則に作業主任者の定めはない。特別の教育=常時特定粉じん作業に係る業務・記録3年保存。屋内の常時特定粉じん作業場の測定=6か月以内ごと・記録7年保存。じん肺健康診断=3年以内ごと(管理二・三は1年以内ごと)。
- 粉じん障害防止規則第22条・第25条・第2条e-Govで原文を読む
- じん肺法第8条e-Govで原文を読む
- 労働安全衛生法施行令第6条e-Govで原文を読む
- 労働安全衛生規則第36条・第38条・第37条e-Govで原文を読む
- 労働安全衛生法第14条e-Govで原文を読む
- 有機溶剤中毒予防規則e-Govで原文を読む
- 特定化学物質障害予防規則e-Govで原文を読む
- 鉛中毒予防規則e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 粉じん障害防止規則(粉じん則)第2条(粉じん作業・特定粉じん発生源・特定粉じん作業の定義)・第22条(特別の教育)、労働安全衛生法施行令第6条(作業主任者を選任すべき作業:粉じん作業は掲げられていない)、労働安全衛生規則第36条第29号・第38条(特別教育と記録の保存)、じん肺法第8条(定期健康診断)。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

