問題
作業環境測定(安衛法第65条)および作業環境測定士に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
正しいのはアです。安衛法第65条の測定対象作業場のうち政令で定める「指定作業場」(粉じん・特定化学物質・鉛・有機溶剤の作業場と放射線業務の作業場の一部)の測定は、その使用する作業環境測定士に実施させ、できないときは作業環境測定機関に委託しなければなりません(作業環境測定法第3条)。
各誤りの要点: ウ→測定義務があるのは安衛令第21条が列挙する作業場のみ。イ→第2種は機器分析を除く業務を行え、「物理的因子のみ」ではない(作業環境測定法第2条)。エ→第3管理区分は最も悪い区分で、直ちに改善措置が必要。オ→安衛法第65条が求めるのは測定と結果の記録で、すべての測定結果の報告は求めていない。
作業環境測定士の区分(作業環境測定法第2条):
| 区分 | できる業務 |
|---|---|
| 第1種作業環境測定士 | 厚生労働大臣の登録を受け、指定作業場について作業環境測定の業務を行う |
| 第2種作業環境測定士 | 厚生労働大臣の登録を受け、指定作業場について作業環境測定の業務を行う。ただし厚生労働省令で定める機器を用いて行う分析(解析を含む)の業務を除く |
※違いは「物理因子か化学物質か」ではなく、「機器を用いて行う分析まで行えるか」という業務範囲の差である。
作業環境の管理区分と事後措置(有機則の例):
| 管理区分 | 事後措置 |
|---|---|
| 第1管理区分 | ― |
| 第2管理区分 | 点検を行い、作業環境を改善するため必要な措置を講ずるよう努める(第28条の4) |
| 第3管理区分 | 直ちに点検し、作業環境を改善するため必要な措置を講じ、第1又は第2管理区分となるようにする。有効な呼吸用保護具の使用等も必要(第28条の3) |
各選択肢の正誤と根拠:
- ウ(誤): 作業環境測定義務は安衛令第21条の列挙作業場(粉じん・暑熱寒冷多湿・騒音・坑内・中央管理方式の空調の事務所・放射線・特定化学物質・鉛・酸素欠乏危険場所・有機溶剤)に限定されます。
- イ(誤): 作業環境測定法第2条により、第2種作業環境測定士は指定作業場の作業環境測定のうち、厚生労働省令で定める機器を用いて行う分析の業務を除く業務を行う者です。「第2種は物理的因子の測定のみ」とする記述は誤りです。
- ア(正): 作業環境測定法第3条により、事業者は指定作業場の作業環境測定をその使用する作業環境測定士に実施させなければならず、できないときは作業環境測定機関(厚生労働大臣又は都道府県労働局長の登録を受けた者)に委託しなければなりません。
- エ(誤): 第3管理区分は最も悪い区分であり、直ちに作業環境を改善するための措置を講じなければなりません。測定義務が免除されることはありません。
- オ(誤): 安衛法第65条第1項が事業者に求めるのは測定の実施と結果の記録です(例: 有機則第28条は6月以内ごとに1回測定し、記録を3年間保存)。すべての測定結果の報告を義務付けてはいません。
【理論的背景】
作業環境測定(安衛法第65条)は、有害な業務を行う屋内作業場その他の作業場で政令で定めるものについて、必要な作業環境測定を行い、その結果を記録させる制度です。測定は厚生労働大臣の定める作業環境測定基準に従って行い(第65条第2項)、事業者は作業環境評価基準に従って結果を評価し、労働者の健康を保持するため必要があるときは施設・設備の設置・整備、健康診断の実施その他の適切な措置を講じます(第65条の2)。作業環境測定法は、作業環境測定士の資格と作業環境測定機関について定める法律です。
作業環境測定の法体系:
- 安衛法第65条: 測定の実施と記録・作業環境測定基準
- 安衛法第65条の2: 結果の評価と評価に基づく措置
- 安衛令第21条: 測定義務のある作業場の列挙(第1号〜第10号)
- 各規則(特化則・有機則・鉛則・電離則等): 測定頻度・記録保存期間・管理区分に応じた措置
- 作業環境測定法: 指定作業場・作業環境測定士・作業環境測定機関
【実務・条文構造】
安衛令第21条が定める作業環境測定義務のある作業場(第1号〜第10号):
1. 土石・岩石・鉱物・金属又は炭素の粉じんを著しく発散する屋内作業場
2. 暑熱・寒冷又は多湿の屋内作業場
3. 著しい騒音を発する屋内作業場
4. 坑内の作業場
5. 中央管理方式の空気調和設備を設けている建築物の室で、事務所の用に供されるもの
6. 放射線業務を行う作業場
7. 特定化学物質を製造し、若しくは取り扱う屋内作業場、石綿等を取り扱う屋内作業場等
8. 一定の鉛業務を行う屋内作業場
9. 酸素欠乏危険場所において作業を行う場合の当該作業場
10. 一定の有機溶剤業務を行う屋内作業場
(各号とも「厚生労働省令で定めるもの」等の限定がある)
指定作業場(作業環境測定法施行令第1条):
- 安衛令第21条第1号・第7号・第8号・第10号の作業場と、第6号の作業場のうち厚生労働省令で定めるもの
- 指定作業場の測定は作業環境測定士に実施させ、できないときは作業環境測定機関に委託する(作業環境測定法第3条)
第3管理区分における事後措置(有機則の例):
- 直ちに施設・設備・作業工程・作業方法の点検を行い、作業環境を改善するため必要な措置を講じ、第1又は第2管理区分となるようにする(第28条の3第1項)
- 措置の効果を確認するため濃度を測定し評価する(同条第2項)
- 労働者に有効な呼吸用保護具を使用させるほか、健康診断の実施その他健康保持に必要な措置を講じ、評価の記録・措置・効果確認の結果を労働者に周知する(同条第3項)
- 改善措置を講じても第1又は第2管理区分とならない場合等は、遅滞なく、事業場に属さない作業環境管理専門家の意見を聴く(第28条の3の2)
【試験での位置づけ】
作業環境測定の問題では「第3管理区分は最も悪い(最も良いという誤りが定番引っかけ)」「測定義務のある作業場は安衛令第21条の列挙(全作業場ではない)」「測定実施者は作業環境測定士または登録機関(内部の衛生管理者等が自由に実施できるわけではない)」の3点が頻出です。管理区分の番号と良悪の方向(第1=良い・第3=悪い)の混同は定番の引っかけです。
【各選択肢の発展補足】
- ウ: 測定義務があるのは安衛令第21条の作業場で、多くの号は「厚生労働省令で定めるもの」に限定されています。例えば有機溶剤は、令別表第6の2第1号〜第47号の有機溶剤に係る一定の業務を行う屋内作業場が対象です(有機則第28条第1項)。
- イ: 第1種作業環境測定士は指定作業場の作業環境測定の業務を行い、第2種作業環境測定士は機器を用いて行う分析(解析を含む)の業務を除いて行います(作業環境測定法第2条第6号・第7号)。指定作業場以外の事業場でも、それぞれの名称を用いて測定業務を行うことができます。
- エ: 第3管理区分の場所では、改善措置と並行して、労働者に有効な呼吸用保護具を使用させるほか、健康診断の実施その他健康保持に必要な措置を講じます(有機則第28条の3第3項)。
- オ: 記録の保存期間は各規則で定められます(有機則は3年・特化則の特別管理物質に係る記録は30年など)。なお、有機則では第3管理区分の場所で所定の措置を講じたときに、措置状況を所轄労働基準監督署長に届け出る規定(第28条の3の3)があり、これは一般的な測定結果の報告義務とは別のものです。
【根拠法令】労働安全衛生法第65条(作業環境測定の義務)・第65条の2(測定結果の評価等)、労働安全衛生法施行令第21条(測定義務のある作業場の列挙)、作業環境測定法第2条(指定作業場・作業環境測定士・第1種/第2種の区分)・第3条(作業環境測定士による実施・測定機関への委託)、作業環境測定法施行令第1条(指定作業場)、有機溶剤中毒予防規則第28条〜第28条の4
【補足】測定義務は「安衛令第21条列挙の特定作業場のみ」(全作業場ではない)。第3管理区分は「最も悪い区分」(免除なし・改善義務あり)。測定実施は測定士または登録機関が必要。
- 労働安全衛生法第65条・第65条の2e-Govで原文を読む
- 労働安全衛生法施行令第21条e-Govで原文を読む
- 有機溶剤中毒予防規則第28条・第28条の3e-Govで原文を読む
- 特定化学物質障害予防規則e-Govで原文を読む
- 鉛中毒予防規則e-Govで原文を読む
- 電離放射線障害防止規則e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働安全衛生法第65条(作業環境測定の義務)・第65条の2(測定結果の評価等)、作業環境測定法第2条(指定作業場・作業環境測定士・第1種/第2種の区分・作業環境測定機関)・第3条(作業環境測定の実施)、安衛令第21条(測定義務のある作業場の列挙)。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

