問題
労働安全衛生法第57条が規定する危険物または有害物の容器・包装へのラベル表示に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
誤りはアです。ラベル表示義務の対象(安衛令第18条)は、別表第9に掲げる物だけでなく、国のGHS分類で危険性・有害性があると区分された物で厚生労働省令で定めるものや、これらを含有する製剤その他の物も含みます。「別表第9の物質に限定されている」という記述が誤りです。
正しい内容: イ→名称・人体に及ぼす作用・貯蔵又は取扱い上の注意・表示者の氏名等はいずれも法定の表示事項。ウ→全てを印刷・貼付することが困難なときは、名称以外の事項を票箋に印刷して結びつけることができる(安衛則第32条ただし書)。エ→一般消費者向けの容器・包装は免除(安衛法第57条第1項ただし書)。オ→雇入れ時等の教育(安衛法第59条・安衛則第35条)も別に義務。
安衛法第57条のラベル表示義務の対象範囲:
| 対象 | 内容 |
|---|---|
| 第1号 | 安衛令別表第9に掲げる物 |
| 第2号 | 国が行うGHS分類の結果、危険性又は有害性があると区分された物(特定危険性有害性区分物質)のうち厚生労働省令で定めるもの |
| 第3号 | 前2号の物を含有する製剤その他の物(含有量が厚生労働大臣の定める基準未満のものを除く)(←アの誤りポイント) |
| 第4号 | 別表第3第1号1〜7の物を含有する製剤その他の物で厚生労働省令で定めるもの |
| 適用除外 | 容器・包装のうち主として一般消費者の生活の用に供するためのもの(法第57条第1項ただし書) |
ラベルの表示事項(安衛法第57条第1項・安衛則第33条):
1. 名称
2. 人体に及ぼす作用
3. 貯蔵又は取扱い上の注意
4. 表示をする者の氏名(法人は名称)・住所・電話番号(則第33条第1号)
5. 注意喚起語(則第33条第2号)
6. 安定性及び反応性(則第33条第3号)
7. 標章(絵表示)(法第57条第1項第2号)
各選択肢の正誤と根拠:
- ア(誤): 表示対象物は安衛令第18条第1号〜第4号に定められ、別表第9の物のほか、GHS分類で区分された物で省令で定めるもの、これらを含有する製剤その他の物も対象です。「別表第9の物質に限定されている」は誤りです。
- イ(正): 名称・人体に及ぼす作用・貯蔵又は取扱い上の注意(法第57条第1項第1号イ〜ハ)と表示者の氏名・住所・電話番号(安衛則第33条第1号)はいずれも法定の表示事項です。
- ウ(正): 安衛則第32条ただし書により、表示事項等の全てを印刷し、又は印刷した票箋を貼り付けることが困難なときは、名称以外の事項を印刷した票箋を容器又は包装に結びつけることにより表示できます。表示そのものを省略できるわけではありません。
- エ(正): 安衛法第57条第1項ただし書により、容器又は包装のうち主として一般消費者の生活の用に供するためのものは表示義務の対象外です。
- オ(正): 安衛法第59条の雇入れ時・作業内容変更時の教育はラベル・SDS制度とは別の義務です。教育事項には「原材料等の危険性又は有害性及びこれらの取扱い方法」「保護具の性能及びこれらの取扱い方法」等が含まれます(安衛則第35条)。
【理論的背景】
安衛法第57条のラベル表示制度は、危険物・有害物を「容器に入れ、又は包装して、譲渡し、又は提供する」際に、その容器又は包装に名称・人体に及ぼす作用等を表示させ、受け取る側の事業者・労働者に危険性・有害性を伝える仕組みです。容器・包装以外の方法で譲渡・提供する場合は、同じ事項を記載した文書を相手方に交付します(第57条第2項)。表示事項には、労働者に注意を喚起するための標章(絵表示)も含まれます(第1項第2号)。
表示対象物の構成(安衛令第18条):
- 第1号: 別表第9に掲げる物
- 第2号: 国が行うGHS分類の結果、危険性又は有害性があると区分された物(特定危険性有害性区分物質)のうち厚生労働省令で定めるもの
- 第3号: 前2号の物を含有する製剤その他の物(含有量が厚生労働大臣の定める基準未満のものを除く)
- 第4号: 別表第3第1号1〜7の物を含有する製剤その他の物で厚生労働省令で定めるもの
【実務・条文構造】
安衛法第57条のラベル表示事項(詳細):
法第57条第1項第1号イ〜ハ・第2号:
1. 名称
2. 人体に及ぼす作用
3. 貯蔵又は取扱い上の注意
4. 標章(絵表示)
安衛則第33条(法第57条第1項第1号ニの事項):
5. 表示をする者の氏名(法人は名称)・住所・電話番号
6. 注意喚起語
7. 安定性及び反応性
表示の方法(安衛則第32条):
- 原則: 容器又は包装に表示事項等を印刷し、又は表示事項等を印刷した票箋を貼り付ける
- 例外: 全てを印刷・貼付することが困難なときは、名称以外の表示事項等(人体に及ぼす作用・貯蔵又は取扱い上の注意・則第33条の事項・標章)を印刷した票箋を容器又は包装に結びつけることができる
- 適用除外: 容器又は包装のうち主として一般消費者の生活の用に供するためのもの(法第57条第1項ただし書)
【試験での位置づけ】
ラベル表示の問題では「表示対象物は別表第9の物に限られない(GHS区分物質・含有製剤も対象)」「一般消費者向け製品は適用除外」「表示事項の内容」が頻出です。また「ラベルとSDSは別制度(ラベルは容器・SDSは書類)」「ラベル義務違反は第119条(6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金)・製造禁止違反より軽い」という体系的な知識も問われます。
【各選択肢の発展補足】
- ア: 表示対象物には、別表第9の物を含有する製剤その他の物(第3号)も含まれるため、単一物質だけでなく製剤(混合物)にも表示義務が及びます。含有量が厚生労働大臣の定める基準未満のものは除かれます。
- イ: 「人体に及ぼす作用」「貯蔵又は取扱い上の注意」は法律で、「表示をする者の氏名・住所・電話番号」「注意喚起語」「安定性及び反応性」は安衛則第33条で定められた表示事項です。
- ウ: 票箋を結びつける方法が認められるのは名称以外の事項に限られ、名称は容器又は包装に印刷し、又は票箋を貼り付けて表示します(安衛則第32条)。
- エ: 適用除外は「主として一般消費者の生活の用に供するため」の容器又は包装に限られます。SDS(第57条の2)にも同様のただし書があります。
- オ: 雇入れ時等の教育は、従事する業務に関する安全又は衛生のため必要な事項について遅滞なく行います。十分な知識及び技能を有していると認められる労働者については、該当事項の教育を省略できます(安衛則第35条第2項)。
【根拠法令】労働安全衛生法第57条第1項(ラベル表示事項)・同項ただし書(一般消費者向け製品の適用除外)・第59条(安全衛生教育)、労働安全衛生法施行令第18条・別表第9(表示義務対象物)、労働安全衛生規則第32条(表示の方法)・第33条(表示事項)・第35条(雇入れ時等の教育)
【補足】ラベル義務は「別表第9の物に限られない」(GHS区分物質・含有製剤も対象)。一般消費者向け製品は適用除外。表示が困難なときは名称以外の事項を票箋で結びつけることができる。
- 労働安全衛生法第57条・第59条e-Govで原文を読む
- 労働安全衛生法施行令第18条e-Govで原文を読む
- 労働安全衛生規則第32条・第35条・第33条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働安全衛生法第57条(ラベル表示義務)・同条第1項ただし書(一般消費者向け製品の免除)・第59条(安全衛生教育)、安衛令第18条・別表第9(表示義務の対象物)、安衛則第32条(表示の方法・票箋の結びつけ)・第33条(表示事項の追加)・第35条(雇入れ時等の教育)。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

