問題
特定化学物質障害予防規則(特化則)における特別管理物質の取扱いに関する記録等の規定について、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
正しいのはイです。特別管理物質を取り扱う業務に従事した労働者の特殊健康診断の記録(個人票)は30年間保存しなければなりません(特化則第40条)。
各誤りの要点: ア→作業記録の保存期間は「5年間」ではなく30年間です(特化則第38条の4)。ウ→特別管理物質には第1類物質(塩素化ビフェニル等を除く)だけでなく、特化則第38条の4に列挙された第2類物質(ベンゼン・クロム酸等)も含まれます。エ→事業を廃止しようとするときは、記録等を所轄労働基準監督署長に提出します(特化則第53条)。オ→保存場所について都道府県労働局長への届出は必要とされていません。
特別管理物質の定義と範囲(特化則第38条の4):
特別管理物質とは、第1類物質(塩素化ビフェニル等を除く)と、特化則第38条の4に列挙された令別表第3第2号の物等の総称です。第1類物質がすべて特別管理物質になるわけではなく(塩素化ビフェニル等は除かれる)、第2類物質も列挙されたものに限られます。
| 物質分類 | 特別管理物質の対象 | 代表物質 |
|---|---|---|
| 第1類物質(別表第3第1号の純物質は7物質) | 塩素化ビフェニル等を除く第1類物質 | ジクロルベンジジン・ベリリウム・ベンゾトリクロリド等 |
| 第2類物質 | 第38条の4に列挙された物 | ベンゼン・クロム酸及びその塩・塩化ビニル・ニッケル化合物等 |
30年保存義務の対象と根拠:
| 記録の種類 | 保存期間 | 根拠条文 |
|---|---|---|
| 特別管理物質の作業記録(労働者が従事した期間・業務内容等) | 30年間 | 特化則第38条の4 |
| 特別管理物質の特殊健康診断個人票 | 30年間 | 特化則第40条 |
| 第2類物質の特殊健康診断個人票(特別管理物質以外) | 5年間 | 特化則第40条(通常の保存期間) |
| 作業環境測定記録(特別管理物質) | 30年間 | 特化則第36条第3項 |
各選択肢の正誤と根拠:
- ア(誤): 特別管理物質の作業記録は、1か月を超えない期間ごとに記録し「30年間」保存します(特化則第38条の4)。「5年間」は誤りです。
- イ(正): 特別管理物質の特殊健康診断個人票は30年保存が義務です(特化則第40条第2項。通常の特定化学物質の個人票は5年保存)。
- ウ(誤): 特別管理物質には、第1類物質(塩素化ビフェニル等を除く)だけでなく、特化則第38条の4に列挙された第2類物質(ベンゼン・クロム酸及びその塩・ニッケル化合物等)も含まれます。第1類物質のうち塩素化ビフェニル等は除かれるため「第1類物質はすべて該当」も誤りです。
- エ(誤): 特化則第53条により、特別管理物質を製造し、又は取り扱う事業者は、事業を廃止しようとするときは、特別管理物質等関係記録等報告書(様式第十一号)に測定の記録・作業の記録・特定化学物質健康診断個人票又はこれらの写しを添えて、所轄労働基準監督署長に提出します。
- オ(誤): 保存場所について都道府県労働局長への届出義務は特化則には規定されていません。事業廃止時の手続は第53条(所轄労働基準監督署長への提出)です。
【理論的背景】
特別管理物質の記録を30年間保存させる趣旨は、がん等の遅発性の健康障害が退職後など長期間を経て現れた場合でも、「どの職場で」「いつ」「どの物質を扱ったか」を後から確認できるようにすることにあります。そのため特化則は、作業の記録・作業環境測定の記録・健康診断個人票の3種類を30年間保存させ、事業を廃止するときはこれらを所轄労働基準監督署長に提出させています。
【実務・条文構造】
特別管理物質の記録保存体系(特化則第36条・第38条の4・第40条・第53条):
(1)作業環境測定記録(特化則第36条):
- 測定: 令第21条第7号の作業場について6か月以内ごとに1回、定期に空気中の濃度を測定(第1項)
- 記録事項: 測定日時・測定方法・測定箇所・測定条件・測定結果・測定を実施した者の氏名・予防措置を講じたときはその概要(第2項)
- 保存期間: 通常は3年間(第2項)、特別管理物質等に係る測定の記録は30年間(第3項)
(2)特別管理物質の作業記録(特化則第38条の4):
- 対象: 特別管理物質を製造し、又は取り扱う作業場において常時作業に従事する労働者
- 記録事項: 労働者の氏名/従事した作業の概要及び当該作業に従事した期間/特別管理物質により著しく汚染される事態が生じたときは、その概要及び事業者が講じた応急の措置の概要
- 1か月を超えない期間ごとに記録し、30年間保存
(3)特定化学物質健康診断個人票(特化則第40条):
- 通常: 5年間保存(第1項)
- 特別管理物質を製造し、又は取り扱う業務に常時従事し、又は従事した労働者に係るもの: 30年間保存(第2項)
(4)事業廃止時(特化則第53条):
- 特別管理物質等関係記録等報告書(様式第十一号)に、第36条第3項の測定の記録・第38条の4の作業の記録・第40条第2項の個人票又はこれらの写しを添えて、所轄労働基準監督署長に提出
【試験での位置づけ】
特別管理物質の30年保存は「特化則の通常ルールとの対比」で出題されます。具体的には:
- 特別管理物質の作業記録・健康診断個人票・作業環境測定記録: 30年保存
- 通常の特定化学物質健康診断個人票: 5年保存(第40条第1項)
- 通常の作業環境測定記録: 3年保存(第36条第2項)
- 鉛則・高圧則の健康診断個人票: 5年保存
この差異は頻出の引っかけポイントです。また「特別管理物質は第1類のみ」「第1類はすべて特別管理物質」も典型的な誤り選択肢です(塩素化ビフェニル等は除かれ、列挙された第2類物質が含まれる)。
【各選択肢の発展補足】
- ア: 特化則の通常の保存期間は、健康診断個人票が5年(第40条第1項)、作業環境測定の記録が3年(第36条第2項)です。特別管理物質に係るものだけが30年になる点を区別します。
- イ: 第40条第2項の対象は「常時従事し、又は従事した労働者」の個人票であり、現在は当該業務に従事していない労働者の分も含みます。
- ウ: 特別管理物質の範囲は第38条の4に物質ごとに列挙されています。クロム酸等については、クロム酸等を鉱石から製造する事業場においてクロム酸等を取り扱う作業場に限るなどの限定もあります。
- エ: 事業を廃止しようとするときは、記録そのもの又はその写しを所轄労働基準監督署長に提出します(第53条)。廃業と同時に廃棄してよいわけではありません。
【根拠法令】特定化学物質障害予防規則第36条(作業環境測定記録:通常3年・特別管理物質等は第3項で30年保存)・第38条の4(特別管理物質の定義・作業記録:30年保存)・第40条(特殊健康診断個人票:特別管理物質は第2項で30年・その他は第1項で5年保存)・第53条(事業廃止時の所轄労働基準監督署長への提出)
【補足】特別管理物質の作業記録・健診個人票・作業環境測定記録は「30年保存」(健診個人票の通常5年・作業環境測定記録の通常3年と区別)。事業廃止時は記録等を所轄労働基準監督署長に提出。特別管理物質は第1類物質(塩素化ビフェニル等を除く)と第38条の4に列挙された第2類物質等(特化則第38条の4)。
- 特定化学物質障害予防規則第40条・第38条の4・第53条・第36条e-Govで原文を読む
- 労働安全衛生法施行令第6条e-Govで原文を読む
- 鉛中毒予防規則e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 特定化学物質障害予防規則第38条の4(特別管理物質の定義・作業記録・30年保存)・第40条第2項(特別管理物質の健康診断個人票・30年保存)・第36条第3項(特別管理物質の作業環境測定記録・30年保存)・第53条(事業廃止時の記録等の提出)。特別管理物質の定義: 特化則第38条の4(第1類物質(塩素化ビフェニル等を除く)と、同条に列挙された第2類物質等を「特別管理物質」と総称)。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

