社会保険一般常識1社会保険に関する一般常識(社一)

社労士 社会保険一般常識 問1:社会保険に関する一般常識(社一)

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-07

短時間労働者に対する社会保険(厚生年金保険・健康保険)の適用拡大に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。なお、令和8年度試験の法令基準日(2026年4月10日)時点で施行されている制度を前提とすること。

  • 法令基準日(2026年4月10日)時点では、短時間労働者に社会保険が適用されるためには、①所定労働時間が週20時間以上であること、②賃金月額が8.8万円(月額換算・年収106万円の目安)以上であること、③使用する事業所の被保険者数が51人以上であること、④学生でないこと、の4つの要件をすべて満たす必要がある(雇用期間の見込みは要件に含まれない)。
  • 2026年10月1日に施行された改正により、短時間労働者への社会保険適用における「賃金月額8.8万円以上」の要件は撤廃され、週20時間以上就労する短時間労働者はすべて適用対象となった。
  • 適用拡大における企業規模要件(被保険者数)は段階的に引き下げられており、2024年10月には51人以上に、2026年10月にはすべての事業所に対する規模要件が撤廃される予定である。
  • 短時間労働者として新たに厚生年金保険・健康保険の被保険者となった場合、保険料は事業主と労働者が折半で負担し、国民年金の第3号被保険者であった者は第2号被保険者に変更となる。正答
  • 社会保険の適用拡大は「106万円の壁」と呼ばれ、被扶養者が扶養の範囲内に就労を抑制する問題を引き起こしているが、2026年10月の改正後は賃金要件が撤廃されることで、すべての週20時間以上就労の短時間労働者が強制適用され、この問題は法制度上解消される。
正答:短時間労働者として新たに厚生年金保険・健康保険の被保険者となった場合、保険料は事業主と労働者が折半で負担し、国民年金の第3号被保険者であった者は第2号被保険者に変更となる。

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正答はエ(正しい記述)です。

短時間労働者が新たに社会保険の被保険者となった場合、保険料は使用者と被保険者が折半で負担します。また、国民年金の第3号被保険者(専業主婦・被扶養配偶者)だった方は、厚生年金保険の第2号被保険者に変更となります。これにより、将来の老齢厚生年金・障害厚生年金の権利が生まれます(エは正しい記述)。

アは「①〜④の4要件のみ」と書いていますが、実際は①週20時間以上、②月額8.8万円以上、③2か月超の雇用見込み、④51人以上事業所、⑤学生でない5要件が必要です(年金機構公式)。アは「②2か月超の雇用見込み」が欠落しており誤り。イ・ウ・オは2026年10月施行の改正内容を「既に施行された」かのように記述しているため、試験基準日(4/10)を前提とすると誤りとなります。

標準試験対策の基準レベル

令和8年度試験(基準日2026年4月10日)で出題対象となる適用要件は5つです(健保法第3条第1項第9号・厚年法第12条)。

1. 週所定労働時間20時間以上

2. 賃金月額8.8万円以上(年収約106万円相当)

3. 2か月を超える雇用見込み

4. 使用事業所の被保険者数51人以上(特定適用事業所)

5. 学生でないこと

ポイントは、①「2か月超の雇用見込み」要件の存在(アで欠落)、②51人以上要件は2024年10月施行で基準日時点では有効、③2026年10月施行の「賃金要件撤廃」は基準日後のため出題対象外、の3点です。

各選択肢の正誤判定:

  • ア(誤): 「①〜④の4要件のみ」としている点が誤り。「2か月超の雇用見込み」が欠落しており要件の数が一つ足りない。正しくは5要件。
  • イ(誤): 「2026年10月1日に施行された」が誤り。試験基準日(4/10)時点では当該改正は未施行のため、「賃金要件は撤廃された」とは言えない。基準日時点の制度では月額8.8万円以上の要件は存続している。
  • ウ(誤): 「2024年10月に51人以上へ引下げ」は正しいが、「2026年10月にすべての事業所で規模要件が撤廃」が誤り。企業規模要件の撤廃は2035年10月までかけて段階的に実施される予定であり、2026年10月一括撤廃ではない。2026年10月の主眼は賃金要件撤廃。
  • エ(正): 保険料の労使折半(健保法第161条・厚年法第82条)、第3号被保険者から第2号被保険者への変更(国年法第7条)は、いずれも現行制度の正確な記述。基準日時点で施行済みの制度として唯一正しい。
  • オ(誤): 2026年10月改正は基準日後で出題対象外。さらに「すべての問題が法制度上解消される」という断定も不正確で、賃金要件が撤廃されても週20時間以上の労働時間要件は残るため、就業調整インセンティブは完全には消えない。

正答エの再確認: 折半負担と第3号→第2号への切替は、適用拡大の効果として最も基本的かつ確定的な制度内容。試験基準日に関係なく正しい記述として成立する。

<!-- 監修確定 2026-06-07(legal-reviser): 結果=年金機構公式(nenkin.go.jp/service/kounen/tekiyo/jigyosho/tanjikan.html)および厚労省001633788.pdfで短時間労働者の適用要件は5要件(週20時間以上・月8.8万円以上・2か月超の雇用見込み・51人以上事業所・学生でない)と確認。アは「2か月超の雇用見込み」要件が欠落しており誤り。これによりアとエの二重正答状態を解消(アを誤肢化)。正答エは「保険料折半・第3号→第2号」で現行制度の正確な記述として維持。一次ソース: 年金機構・厚労省001633788.pdf。2026年10月施行の改正(賃金要件撤廃・企業規模要件は2035年10月までかけて段階的撤廃)は試験基準日後のため出題対象外も確定。 -->

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【制度趣旨と適用拡大の立法経緯】

短時間労働者への社会保険適用拡大は、平成24年(2012年)年金機能強化法(公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律)により導入され、平成28年(2016年)10月から段階的に施行された。立法趣旨は大きく3点ある。

1. 「労働者性に応じた保険適用」原則の徹底: 正規・非正規の格差是正と「働き方に中立な制度」の実現

2. 第3号被保険者(無業の被扶養配偶者)の段階的縮小: 専業主婦モデルからの脱却と就労促進

3. 厚生年金財政の支え手拡大: 加入者拡大による財政基盤強化

この趣旨に照らせば、適用拡大の本質は「短時間労働者も労働者である以上、保険料を負担し、その分将来の給付(老齢厚生年金・傷病手当金・出産手当金等)を受ける権利を持つべき」という原則の徹底にある。社一の論述・選択肢では、この趣旨を踏まえた制度理解が問われる。

【適用拡大の段階的スケジュール(年表で整理)】

| 施行時期 | 企業規模要件 | 賃金要件 | valid_for_exam(基準日4/10) |

|---|---|---|---|

| 2016年10月 | 501人以上 | 8.8万円以上 | — |

| 2017年4月 | 500人以下も労使合意で任意適用 | 8.8万円以上 | — |

| 2022年10月 | 101人以上 | 8.8万円以上 | — |

| 2024年10月 | 51人以上 | 8.8万円以上 | true(出題対象) |

| 2026年10月 | (変更なし) | 撤廃 | false(基準日後) |

| 2035年10月(予定) | 撤廃完了 | 撤廃済 | false |

【関連他法令との接続】

社一の出題は単独制度ではなく、関連法令との連動で問われやすい。

  • 国民年金法第7条: 第1号・第2号・第3号の区分。適用拡大により第3号→第2号への移行が発生する設計。
  • 健康保険法第3条第1項第9号: 短時間労働者の被保険者要件。厚年法第12条と並列規定。
  • 税法(所得税法第83条の2・配偶者特別控除): 「103万円の壁」「150万円の壁」と社保の「106万円・130万円の壁」が二重に絡む構造。
  • 労働基準法・パートタイム労働法: 週20時間という労働時間要件は雇用保険法(基本手当の被保険者要件)とも連動。

特に「税の壁(103万・150万)」と「社保の壁(106万・130万)」を混同させる問題が頻出するため、「税」と「社保」は別系統の制度で、それぞれ独立した基準額があると整理する必要がある。

【社労士試験で頻出する論点パターン】

過去問・予想問題を分析すると、適用拡大では以下のパターンが繰り返される。

1. 要件の数を誤らせる: 4要件と書く誤肢(アのパターン)・6要件と書く誤肢

2. 施行時期と基準日のズレ: 「2026年10月施行済」と書く誤肢(イ・オのパターン)

3. 被保険者種別変更の混同: 第3号→第1号と誤らせる、保険料負担を全額自己負担と書く誤肢

4. 規模要件の数値: 51人/101人/501人を入れ替える誤肢

5. 学生要件の例外: 通信制・夜間学生は適用対象であることを問う

【実務での落とし穴】

  • 「2か月超の雇用見込み」の判定: 当初2か月以内の契約でも、契約更新により2か月超が見込まれる場合は当初から被保険者となる(厚労省疑義照会)。実務では契約書の文言と運用実態の両面確認が必要。
  • 賃金月額8.8万円の算定範囲: 残業代・賞与・通勤手当・精皆勤手当は除外される。基本給+役職手当等の固定的賃金で判定するため、見かけの年収と異なる場合がある。
  • 企業規模カウント: 同一法人の被保険者総数で判定。支店単位ではなく法人単位である点に注意。
  • 資格取得日: 適用拡大に伴う新規加入は施行日を資格取得日とする経過措置があり、遡及適用は原則なし。

【簡易計算例:106万円の壁を超える月の手取り影響】

賃金月額9.0万円(基準日時点・51人以上事業所・週20時間勤務)の短時間労働者が新規加入した場合の月次負担(協会けんぽ・東京都・40歳未満・令和8年度料率前提の概算)。

  • 厚生年金保険料: 9.0万円 × 18.30% × 1/2 ≒ 8,235円(本人負担)
  • 健康保険料: 9.0万円 × 約10.0% × 1/2 ≒ 4,500円(本人負担)
  • 本人負担合計: 約12,700円/月
  • 年間: 約15.2万円の手取り減

ただし、将来の老齢厚生年金(報酬比例部分)が加入年数に応じて加算され、傷病手当金・出産手当金等の短期給付も受給可能となる。社労士相談では、この短期的負担と長期的給付のバランス、配偶者の税控除との総合判定が求められる。

<!-- 監修確定 2026-06-07(legal-reviser): 結果=年金機構公式(nenkin.go.jp/service/kounen/tekiyo/jigyosho/tanjikan.html)および厚労省001633788.pdfで短時間労働者の適用要件は5要件(週20時間以上・月8.8万円以上・2か月超の雇用見込み・51人以上事業所・学生でない)と確認。アは「2か月超の雇用見込み」要件が欠落しており誤り。これによりアとエの二重正答状態を解消(アを誤肢化)。正答エは「保険料折半・第3号→第2号」で現行制度の正確な記述として維持。一次ソース: 年金機構・厚労省001633788.pdf。2026年10月施行の改正(賃金要件撤廃・企業規模要件は2035年10月までかけて段階的撤廃)は試験基準日後のため出題対象外も確定。 -->

<!-- 段差性是正 2026-06-07(legal-reviser): standard簡潔化・advanced深掘り強化 -->

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生年金保険法第12条の2(短時間労働者への適用拡大)・健康保険法第3条第1項第8号、厚生労働省「社会保険の適用拡大について」(2026年10月施行分・確認日2026-06-07・出典: 厚労省 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000147284_00021.html) 施行日注記: 本問は「法令基準日(2026年4月10日)時点で施行されている制度」を前提。2026年10月施行の賃金要件撤廃・企業規模撤廃は**試験基準日時点で未施行**(valid_for_exam=falseの部分を含む)。選択肢イ・ウ・オは「2026年10月以降の制度」の記述として正誤を判定することに注意。 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-07)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

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