賃管士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

賃管士 管理実務 問1|入居審査——審査の目的・確認事項・個人情報保護

問題

賃管士 | 管理実務 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-12

賃貸住宅の入居審査に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。

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答え合わせ

正解は ウ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答(誤っているもの)はウです。

収入・職業を理由とした入居拒否は私法(民法)上の契約自由として認められる面がありますが、「国籍・人種・民族を理由とした入居拒否」は人種差別撤廃条約・障害者差別解消法の趣旨・住宅セーフティネット法の精神に反する行為であり、社会的に許されない差別的取扱いとして問題となります。「同様に合法である」とするウは誤りです。

ア・イ・エ・オは正しい記述です。入居審査の目的(ア)、個人情報保護法の適用(イ)、保証会社審査後の独自審査の認容(エ)、虚偽申告による契約取消し(オ)はいずれも正しい内容です。

入居審査における主な確認事項:

確認事項内容
収入・支払能力月収・収入証明・勤務先
職業・雇用形態会社員・フリーランス・無職等
家族構成単身・夫婦・家族、ペット
連帯保証人・保証会社保証の確保
過去の入居トラブル歴滞納・近隣トラブル歴(確認可能な範囲で)

差別的入居拒否の問題(ウが誤りの理由):

収入・職業を理由とした審査は「契約の相手方を選択する自由」の範囲内として一般的に認められますが、国籍・人種・民族・障害等を理由とした差別的入居拒否は問題です:

  • 人種差別撤廃条約(日本が批准)の趣旨に反する
  • 障害者差別解消法(令和3年改正・令和6年4月1日施行で、事業者の合理的配慮の提供も義務化)
  • 住宅セーフティネット法の趣旨(住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅の供給促進)

「国籍を理由に断っても合法」とする単純な記述は誤りです。

各選択肢:

  • ア(正): 入居審査の目的を正確に記述。
  • イ(正): 個人情報保護法の適用を正確に記述。
  • ウ(誤・正答): 国籍・人種・民族を理由とした入居拒否は差別問題・「合法」とは言えない。
  • エ(正): 保証会社審査後の独自審査は認められる(オーナーの裁量)。
  • オ(正): 虚偽申告による契約取消し・解除の可能性を正確に記述。

【入居審査の法的根拠・差別的拒否の問題・個人情報の取扱い・虚偽申告の効果・外国人・高齢者・子育て世帯への対応】

1. 入居審査の法的位置づけ

賃貸借契約は私法上の契約であり、民法上は「契約自由の原則」(民法521条)により、当事者は誰と契約するかを原則として自由に決定できます。したがって、オーナー・管理会社は一定の基準で入居申込者を審査し、基準に合わない場合は契約を断ることができます。

ただし、この「契約自由」は無制限ではなく、公序良俗(民法90条)・差別禁止法令・社会通念の制約を受けます。

2. 差別的拒否の問題(ウの詳細)

差別的入居拒否として問題となる主なケース:

拒否理由問題の根拠
国籍・民族人種差別撤廃条約・社会的差別
障害(身体・知的・精神)障害者差別解消法(令和6年4月から義務化)
生活保護受給住宅セーフティネット法の精神・社会的差別
子育て世帯子育て支援に反する差別
高齢者高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者住まい法)の趣旨・孤立死リスクを理由にした一律拒否は問題

「国籍が外国籍だから一律断る」という対応は法的・社会的に許されない差別です。ウは「同様に合法」としていますが、正確ではありません。

3. 個人情報の取扱い(イの詳細)

入居申込書で収集する個人情報の扱い:

  • 取得目的の明示: 「入居審査・賃貸借契約の管理のみに利用」と明記
  • 第三者提供の制限: 保証会社・連帯保証人確認先に提供する場合は本人同意が原則(例外あり)
  • 安全管理措置: 漏洩・紛失・不正アクセス防止
  • 保管期間・廃棄: 入居拒否となった申込書は速やかに適切に廃棄

令和2年改正個人情報保護法(令和4年4月1日施行)では、一定の漏えい等が生じた場合の個人情報保護委員会への報告と本人への通知が義務化されるなど、規律が強化されています。

4. 虚偽申告の効果(オの詳細)

申込者が虚偽の情報を告知して契約した場合:

  • 詐欺による取消し: 民法96条(詐欺による意思表示の取消し)。重大な虚偽で賃貸人を誤信させた場合、契約の取消しが認められる場合あり
  • 解除原因: 虚偽申告が「信頼関係破壊」として契約解除の根拠になる場合あり
  • 損害賠償: 虚偽申告に基づく損害(滞納による損害等)を請求可能

「収入を多く見せた」「職業を偽った」等の軽微な案件でも、実際に賃料滞納・近隣トラブルが生じた場合の解除交渉において虚偽申告の事実が重要な材料になります。

5. 外国人・高齢者・子育て世帯への対応(住宅セーフティネット法)

住宅セーフティネット法は、「住宅確保要配慮者」(法律で低額所得者・被災者・高齢者・障害者・子育て世帯を定め、省令で外国人等を追加)への賃貸住宅の供給を促進する法律です:

  • セーフティネット住宅(住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅)の登録制度
  • 家賃債務保証の保証料補助
  • 居住支援法人(NPO等)との連携
  • 令和6年改正(令和7年10月1日施行)で、居住支援法人等が入居中のサポートを行う「居住サポート住宅」の認定制度が創設

管理業者として、住宅確保要配慮者への合理的配慮(入居後の生活支援・緊急連絡先の確保等)をオーナーに提案することが、社会的責任の観点からも重要です。

6. 入居審査業務のコンプライアンス

管理業者として遵守すべき事項:

  • 申込者全員に同一基準で審査を実施(基準の客観化)
  • 拒否理由の記録(恣意的・差別的拒否でないことの証拠)
  • 個人情報の適切な管理・廃棄
  • 差別的拒否を防止するための社内教育

コンプライアンス違反は、管理業法上の処分・損害賠償責任・社会的信用の失墜につながります。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 個人情報保護法(令和2年改正・令和4年4月1日施行)・障害者差別解消法(令和3年改正・令和6年4月1日施行)・住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律(住宅セーフティネット法) 確認日: 2026-06-10 出典: 国土交通省 住宅セーフティネット https://www.mlit.go.jp/ 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

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