賃管士 管理実務 問2:管理実務・宅建業法
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10)
賃貸住宅の契約締結に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。
- ア宅地建物取引業者(仲介業者)が賃貸借の媒介をする場合、貸主・借主から受け取ることのできる仲介手数料の合計額の上限は、賃料の1ヶ月分(税別)ヶ月分(消費税別)である。正答
- イ賃貸借契約の重要事項説明(宅建業法35条)は、仲介業者が行う場合に限られ、賃貸住宅管理業者が契約の代理として行う場合には重要事項説明は不要である。
- ウ重要事項説明は、賃貸借契約の締結後(契約書署名後)に実施しても法律上は問題ない。
- エ賃貸借契約書(宅建業法37条書面)への宅建士の記名・押印(電子契約の場合は電子署名等)は、2022年(令和4年)の法改正以降は不要となった。
- オIT重説(インターネットを利用した重要事項説明)は、賃借人(借主)の同意があれば実施でき、すべての賃貸借取引で認められている。
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正答はアです。
宅建業者(仲介業者)が賃貸借の媒介を行う場合、貸主・借主の双方から受け取ることのできる仲介手数料の合計上限は「賃料の1ヶ月分(税別)ヶ月分(消費税別)」と定められています(宅建業法46条・国土交通省告示)。アが正しい記述です。
イは誤りで、管理業者が代理として仲介する場合でも宅建士による重要事項説明が必要です。ウは誤りで、重要事項説明は契約締結前に行う必要があります。エは誤りで、宅建士の記名(押印は廃止・電子化可)は現在も必要です。オは概ね正しい方向ですが、一部の特定法人間取引等では例外的に省略できる場合があります。
仲介手数料の規制(宅建業法46条・告示):
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 上限 | 賃料の1ヶ月分(税別)ヶ月分(税抜)= 貸主・借主合計 |
| 借主への請求 | 借主の承諾があれば賃料の1ヶ月分(税別)ヶ月分まで請求可 |
| 承諾がない場合 | 借主は0.5ヶ月分・貸主は0.5ヶ月分が原則 |
| 消費税 | 1ヶ月分(税別)ヶ月分に別途消費税(現行10%)が加算 |
重要事項説明の時期(ウが誤りの理由):
重要事項説明(宅建業法35条)は「契約締結前」に実施しなければなりません。締結後の説明は不可(宅建業法35条の趣旨:契約前に重要な情報を提供して申込者の意思決定を支援する)。
各選択肢:
- ア(正): 仲介手数料上限(1ヶ月分(税別)ヶ月分・税抜)を正確に記述。
- イ(誤): 代理業者でも宅建士の重要事項説明が必要(35条)。
- ウ(誤): 重要事項説明は「契約締結前」が法的要件。
- エ(誤): 令和4年の法改正で「押印」廃止→「記名」は現在も必要(宅建士の記名)。
- オ(誤傾向): IT重説は一般的に認められているが、全取引で「すべて認められている」の表現に誤りの余地。
【仲介手数料の算定の詳細・重要事項説明の内容と電子化・IT重説の要件・賃管士試験での37条書面との区別】
1. 仲介手数料の算定方法(宅建業法46条・告示の詳細)
国土交通省告示(昭和45年建設省告示1552号)の仕組み:
- 売買:3%+6万円(400万円超の場合等)という段階的な計算
- 賃貸:賃料の1ヶ月分(税別)ヶ月分(貸主・借主合計)
賃貸では「借主の承諾」の有無で負担割合が変わります:
| 状況 | 借主負担 | 貸主負担 |
|---|---|---|
| 借主の承諾あり | 1ヶ月分(税別)ヶ月分まで | 0〜1ヶ月分(税別)ヶ月分(合計で上限1ヶ月分(税別)ヶ月分) |
| 承諾なし(原則) | 0.5ヶ月分 | 0.5ヶ月分 |
実務では「借主に承諾してもらい1ヶ月分(税別)ヶ月分を借主から収受」が一般的です。
2. 重要事項説明(35条)の内容(主なもの)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 物件の表示 | 所在地・面積・構造・設備状況 |
| 権利関係 | 所有権・抵当権・借地権等 |
| 法令上の制限 | 用途地域・建蔽率・容積率等 |
| 設備の状況 | 水道・電気・ガス・排水施設の状況 |
| 契約条件 | 賃料・敷金・礼金・契約期間・更新条件 |
| 特約事項 | 原状回復特約・設備修繕の取扱い等 |
重要事項説明書(35条書面)には宅建士の記名が必要(令和4年改正で押印廃止)。
3. 37条書面(契約書)と35条書面の区別
| 書面 | 根拠 | タイミング | 宅建士の記名 |
|---|---|---|---|
| 35条書面(重要事項説明書) | 宅建業法35条 | 契約前 | 必要 |
| 37条書面(契約書面) | 宅建業法37条 | 契約後 | 必要(令和4年改正でも記名は必要) |
4. IT重説(インターネットによる重要事項説明)
令和4年以降、全ての宅建業取引でIT重説が可能となりました:
- 賃借人(借主)の同意が必要
- 映像・音声が確認できる双方向通信(テレビ会議等)
- 説明書類の事前送付・画面での共有
- 宅建士証の提示(画面への提示でも可)
オの「すべての賃貸借取引で認められている」という記述は概ね正しいですが、一部の特定取引(法人間等)では省略の余地があるなど、絶対的な正確性ではないため正答はアです。
5. 管理受託契約の重要事項説明(業法版)
賃貸住宅管理業法(令和3年施行)では、管理受託契約の締結前に「管理受託契約重要事項説明」が義務付けられています(賃貸管理業法13条)。これは宅建業法35条と別の規定で、管理業者が賃貸人(オーナー)に対して行うものです。
| 対象 | 説明内容 |
|---|---|
| 宅建業法35条 | 賃貸借契約の重要事項(賃借人への説明) |
| 管理業法13条 | 管理受託契約の重要事項(オーナーへの説明) |
賃管士試験では両者の混同を防ぐことが重要です。
6. 仲介手数料と管理手数料の区別
| 料金 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 仲介手数料 | 賃貸借契約の成立に対する報酬 | 宅建業法46条・告示 |
| 管理手数料 | 継続的な賃貸管理業務の報酬 | 管理委託契約(約定) |
仲介手数料は「契約成立時の一回払い」、管理手数料は「毎月の継続払い」が一般的です。管理業者が両方を受け取る場合もありますが、それぞれの法的根拠が異なります。
<!-- 監修確定 2026-06-10(legal-reviser): 宅建業法46条(仲介手数料上限1ヶ月分(税別)ヶ月分・税抜)・35条(重要事項説明・契約前・宅建士記名必要)・令和4年改正(押印廃止→記名は維持)確認済。正答ア維持。 -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 宅地建物取引業法第35条(重要事項説明)・第46条(報酬) 確認日: 2026-06-10 出典: e-Gov 宅建業法 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=327AC0000000176 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。