問題
宅地建物取引業者が建物の賃貸借契約を媒介し、契約が成立した場合に交付する書面(宅地建物取引業法37条2項の書面)に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はオです。
宅建業法37条2項は、貸借の契約が成立したときに交付する書面の記載事項を定めています。1号で37条1項の一部の号(1号・2号・4号・7号・8号・10号)の事項を掲げ、2号で借賃の額と支払の時期・方法、3号で借賃以外の金銭の授受に関する定めを加えています。10号の「天災その他不可抗力による損害の負担に関する定め」は、定めがあれば記載が必要です(オ)。
アは誤りで、区分所有建物の規約の定め(35条1項6号)は2項に掲げられていません。イは誤りで、あっせん不成立時の措置(37条1項9号)も2項に含まれません。ウは誤りで、37条3項により宅建士の記名が必要です。エは誤りで、2項2号により記載が必要です。
37条2項の書面の記載事項:
| 根拠 | 記載事項 |
|---|---|
| 2項1号(1項1号) | 当事者の氏名(名称)・住所 |
| 2項1号(1項2号) | 建物の所在・種類・構造など建物を特定する表示 |
| 2項1号(1項4号) | 引渡しの時期 |
| 2項1号(1項7号) | 契約の解除に関する定めがあるときはその内容 |
| 2項1号(1項8号) | 損害賠償額の予定・違約金の定めがあるときはその内容 |
| 2項1号(1項10号) | 天災その他不可抗力による損害の負担の定めがあるときはその内容 |
| 2項2号 | 借賃の額・支払の時期・方法 |
| 2項3号 | 借賃以外の金銭の授受の定めがあるときは、その額・時期・目的 |
各選択肢:
- ア(誤): 35条1項6号は重要事項説明の事項であり、37条2項の記載事項には掲げられていません。
- イ(誤): あっせん不成立時の措置(37条1項9号)は売買・交換の事項で、2項1号に含まれていません。
- ウ(誤): 37条3項は「前二項の規定により交付すべき書面」に宅建士の記名を求めており、貸借の書面も対象です。
- オ(正): 1項10号の事項は2項1号に掲げられており、定めがあれば記載が必要です。
- エ(誤): 借賃の額・支払の時期・方法は2項2号で記載が必要です。
【37条1項と2項の関係・2項に入らない号・35条との違い・電磁的方法による提供】
1. 1項(売買・交換)と2項(貸借)の組み立て
37条1項は売買・交換について1号から12号(2号の2を含む)までの記載事項を定めています。2項は貸借について、1項のうち1号・2号・4号・7号・8号・10号の事項を2項1号で掲げ、そのうえで貸借に固有の事項として借賃(2号)と借賃以外の金銭(3号)を定めています。
2項に入らない1項の号は、2号の2(既存建物の構造耐力上主要な部分等の状況について当事者の双方が確認した事項)、3号(代金・交換差金)、5号(移転登記の申請の時期)、6号(代金・交換差金以外の金銭)、9号(代金・交換差金についての金銭の貸借のあっせん)、11号(契約不適合責任等の定め)、12号(租税その他の公課の負担の定め)です。このうち6号の「代金以外の金銭」に当たるものは、貸借では2項3号の「借賃以外の金銭」(敷金・礼金など)として別に掲げられています。
2. 誰に交付するか
2項は「当事者を代理して契約を締結したときはその相手方及び代理を依頼した者に、その媒介により契約が成立したときは当該契約の各当事者に」交付すると定めています。宅建業者が自ら貸主となる場合は2項の対象に掲げられていません。
3. 35条(重要事項説明)との違い
35条は、契約が成立するまでの間に、宅建士に書面を交付して説明をさせる義務です。37条は、契約が成立した後に、成立した契約の内容を書面にして当事者に交付する義務です。35条1項6号(区分所有建物の敷地に関する権利や共用部分に関する規約の定め等)は重要事項説明の事項として定められていますが、37条2項の記載事項には掲げられていません。「重要事項説明で説明した事項が、そのまま37条書面の記載事項になる」わけではない点に注意が必要です。
4. 宅建士の記名と電磁的方法
37条3項により、37条書面を作成したときは宅建士に記名させなければなりません。37条5項により、貸借の書面は、当事者の承諾を得て、書面の交付に代えて電磁的方法で提供することができ、この場合は書面を交付したものとみなされます(3項の記名の規定は適用されず、省令で定める方法が記名に代わる措置になります)。
- 宅地建物取引業法第37条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 宅地建物取引業法第37条(書面の交付)第1項・第2項・第3項・第5項、第35条(重要事項の説明等)第1項 確認日: 2026-09-30 出典: e-Gov 法令検索(法令API v2) https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176#Mp-At_37 / https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176#Mp-At_35 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。
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