賃管士 管理実務 問5:管理実務・税務
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-10)
賃貸不動産の税務に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。
- ア不動産所得は「総収入金額(家賃等)− 必要経費(減価償却費・修繕費・管理費等)」で計算され、所得税・住民税の課税対象となる。
- イ建物の減価償却費の計算に用いる法定耐用年数は、建物の構造によって異なり、木造住宅は22年年、鉄筋コンクリート造(RC造)は47年年である(所得税法施行令)。
- ウ居住用として賃貸する住宅の賃料収入は、消費税の課税対象外(非課税)である(消費税法別表第二)。
- エ固定資産税の標準税率は1.4%%であり、固定資産税評価額に税率を乗じて計算する(地方税法350条)。
- オ平成19年4月1日以降に取得した木造賃貸住宅(法定耐用年数22年年)について定額法を選択した場合、減価償却費は毎年同額ではなく、最終年度に取得価額の10%相当を一括計上して償却を完了する。正答
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正答(誤っているもの)はオです。
平成19年4月1日以降に取得した減価償却資産の定額法(所得税法施行令120条の2)では、「取得価額 × 定額法の償却率」で計算した同額を耐用年数の期間中、毎年計上します(最終年度に1円の備忘価額を残す)。「最終年度に取得価額の10%相当を一括計上」というオの記述は誤りです。10%相当の残存価額は平成19年3月31日以前取得分(旧定額法)の処理であり、平成19年4月1日以降取得分には適用されません。
ア・イ・ウ・エは正しい記述です。
主要な税目と賃貸不動産への適用:
| 税目 | 根拠 | 内容 |
|---|---|---|
| 所得税・住民税 | 所得税法・地方税法 | 不動産所得(収入−必要経費)に課税 |
| 消費税 | 消費税法6条/別表第二 | 居住用賃料は非課税(事務所等は課税) |
| 固定資産税 | 地方税法350条 | 固定資産税評価額×1.4%%(標準税率) |
| 都市計画税 | 地方税法702条の4 | 評価額×最大0.3%(市街化区域) |
オが誤りの理由(平成19年改正の減価償却制度):
平成19年度税制改正により、減価償却制度が大幅に変更されました:
| 取得時期 | 残存価額 | 償却可能限度 | 最終年度の処理 |
|---|---|---|---|
| 平成19年3月31日以前 | 取得価額の10% | 取得価額の95%まで | 5%残存→備忘価額1円まで5年で均等償却 |
| 平成19年4月1日以降 | 0円 | 取得価額の100% | 耐用年数到来時に備忘価額1円を残す |
平成19年4月1日以降取得分の定額法は「取得価額×定額法償却率」で毎年同額を計上し、耐用年数到来時に1円の備忘価額を残します。「最終年度に10%相当を一括計上」というオは旧制度との混同を狙った誤りです。
各選択肢:
- ア(正): 不動産所得の計算式(収入−必要経費)を正確に記述。
- イ(正): 木造22年年・RC造47年年を所得税法施行令の別表に準拠して正確に記述。
- ウ(正): 居住用賃料は消費税法別表第二により非課税。
- エ(正): 固定資産税の標準税率1.4%%(地方税法350条)を正確に記述。
- オ(誤・正答): 平成19年4月1日以降取得分の定額法は毎年同額・備忘価額1円であり、「10%相当の一括計上」は旧制度(平成19年3月31日以前取得分)との混同。
【不動産所得の必要経費・定額法と定率法・平成19年・平成28年改正の影響・消費税の課否判定・固定資産税の評価】
1. 不動産所得の必要経費の詳細
不動産所得の必要経費として認められる主な項目:
| 費用 | 内容 |
|---|---|
| 減価償却費 | 建物・設備の年次償却費 |
| 固定資産税・都市計画税 | 毎年の税金 |
| 管理委託費 | 賃貸管理会社への管理料 |
| 修繕費 | 原状維持のための補修費用 |
| ローン利息 | 不動産取得のための借入利息(土地分の不動産所得との損益通算には特例制限あり) |
| 損害保険料 | 火災保険・地震保険 |
| 広告費 | 入居者募集費用 |
| 司法書士・税理士費用 | 不動産関連の費用 |
土地の取得費・建物の元金返済は経費計上不可(資本的支出・負債の減少)。
2. 建物の減価償却(定額法)の計算例
木造賃貸住宅(取得価格3,000万円・土地1,000万円・建物2,000万円・平成19年4月以降取得)の場合:
- 定額法償却率(木造22年年):0.046
- 年間減価償却費:2,000万円 × 0.046 = 92万円
- 22年年経過後の帳簿価額:1円(備忘価額)
これが毎年同額で続き、最終年度のみ「差額」で1円を残す形になります。「最終年度に10%相当を一括計上」というオの記述は平成19年3月31日以前取得の旧定額法(残存価額10%)との混同です。
3. 平成19年改正と平成28年改正の整理
| 改正 | 内容 |
|---|---|
| 平成19年4月1日改正 | 残存価額10%を廃止→1円の備忘価額のみに。定率法の償却率も変更(250%定率法) |
| 平成24年4月1日改正 | 定率法の償却率を200%定率法に変更 |
| 平成28年4月1日改正 | 建物附属設備・構築物について定額法のみに限定(定率法の選択不可に) |
平成28年4月1日以降に取得した建物附属設備(電気設備・給排水設備・冷暖房設備等)は定額法のみとなりました。建物本体は以前から平成10年4月以降取得分は定額法のみです。
4. 消費税の課否判定(ウの詳細)
消費税が非課税となる賃料(消費税法別表第二1号):
| 区分 | 消費税 |
|---|---|
| 住宅の家賃 | 非課税 |
| 住宅の更新料 | 非課税 |
| 住宅の敷金・礼金(返還しない部分) | 非課税 |
| 事務所・店舗等の賃料 | 課税 |
| 駐車場代(住宅附帯でない・1月単位の月極等) | 課税 |
住宅附帯の駐車場(賃貸住宅と一体で契約し、住戸1戸につき1台分以内)は非課税扱い。
5. 固定資産税・都市計画税の詳細(エの詳細)
固定資産税:
- 課税標準:固定資産税評価額(公示価格の約70%程度)
- 標準税率:1.4%%(地方税法350条・条例で変更可)
- 住宅用地の特例:小規模住宅用地(200㎡以下)は評価額の1/6に軽減
都市計画税:
- 課税区域:市街化区域
- 制限税率:0.3%まで
- 住宅用地の特例:小規模住宅用地は評価額の1/3に軽減
6. 青色申告・損益通算の特典
賃貸経営の節税ポイント:
- 青色申告特別控除(最大65万円・電子申告等の要件)
- 純損失の3年間繰越
- 不動産所得の赤字を他の所得(給与等)と損益通算(土地の借入金利息は特例制限あり)
管理業者としてオーナーへの税務情報提供は、付加価値の高いサービスとなります(最終的には税理士相談を推奨)。
<!-- 監修確定 2026-06-10(legal-reviser): 所得税法施行令120条の2(定額法)・134条(残存価額の改正)・平成19年改正(残存価額10%廃止・1円備忘価額)確認済。当初版の選択肢オは「耐用年数到来後の備忘価額1円」が正しい記述で誤り選択肢として成立していなかったため、本版で「最終年度に10%相当を一括計上」(旧制度との混同を狙う誤り)に差し替え、正答=オの構造を整合させた。木造22年年・RC47年年・固定資産税1.4%%は変更なし。 -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 所得税法施行令第6条(建物の耐用年数)・第120条の2(定額法)・第134条(残存価額の改正)・消費税法第6条/別表第二(非課税)・地方税法350条(固定資産税の標準税率) 確認日: 2026-06-10 出典: e-Gov 所得税法施行令 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=340CO0000000096 ・ 国税庁 https://www.nta.go.jp/ 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-10)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。