賃管士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

賃管士 管理実務 問71|建物の耐震化——耐震改修促進法の義務

問題

賃管士 | 管理実務 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-12

賃貸住宅の耐震化と建築物の耐震改修の促進に関する法律(耐震改修促進法)に関する次のア〜オの記述のうち、最も適切なものはどれか。

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答え合わせ

正解は イ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はイです。

耐震改修促進法14条1号は「多数の者が利用する建築物で政令で定めるもの」で政令で定める規模以上のものを対象とし、同法施行令6条は、その建築物に賃貸住宅(共同住宅に限る。)を含め、規模を階数3以上かつ床面積の合計1,000㎡以上としています。その所有者の耐震診断・耐震改修は努力義務です。

アは誤り(一律に除却を命じる規定はない)。ウは誤り(7条は報告の義務)。エは誤り(直ちに賃料の支払いを止められる規定はない)。オは誤り(補助を義務付ける規定はない)。

耐震改修促進法の義務と努力義務:

対象条文義務の性質
要安全確認計画記載建築物(都道府県・市町村の耐震改修促進計画に記載された建築物等)7条・8条耐震診断を行い、期限までに所管行政庁に報告しなければならない(義務)
特定既存耐震不適格建築物(多数の者が利用する一定規模以上の建築物等)14条耐震診断を行い、必要なら耐震改修を行うよう努めなければならない(努力義務)

賃貸共同住宅の扱い(施行令6条):

施行令6条1項7号は「賃貸住宅(共同住宅に限る。)、寄宿舎又は下宿」を掲げ、同条2項3号はその規模を「階数三及び床面積の合計千平方メートル」としています。この規模以上の賃貸マンションで既存耐震不適格のものは、14条の努力義務の対象になります。

各選択肢:

  • イ(正): 14条1号・施行令6条のとおり。
  • ア(誤): 旧耐震の建物を一律に除却させる規定はない。
  • ウ(誤): 7条は「報告しなければならない」という義務。
  • エ(誤): 耐震改修の未実施だけで賃料の支払いを直ちに止められる規定はない。
  • オ(誤): 補助の実施を地方公共団体に義務付ける規定はない。

【耐震改修促進法の対象を条文と政令で確かめる】

1. 要安全確認計画記載建築物(7条・8条)——報告の義務

7条は、①都道府県耐震改修促進計画に記載された建築物、②都道府県・市町村の耐震改修促進計画に記載された道路に接する通行障害既存耐震不適格建築物(耐震不明建築物に限る)を「要安全確認計画記載建築物」とし、その所有者は、耐震診断を行い、その結果を計画に記載された期限までに所管行政庁に報告しなければならないと定めています。報告をしない、又は虚偽の報告をしたときは、所管行政庁は報告又は是正を命ずることができ(8条1項)、命令をしたときはその旨を公表しなければなりません(8条2項)。

2. 特定既存耐震不適格建築物(14条)——努力義務

14条は、既存耐震不適格建築物のうち、①学校・体育館・病院・劇場・百貨店・事務所・老人ホームその他多数の者が利用する建築物で政令で定めるものであって政令で定める規模以上のもの、②一定の危険物の貯蔵場・処理場、③計画に記載された道路に接する通行障害建築物(いずれも要安全確認計画記載建築物を除く)を「特定既存耐震不適格建築物」とし、その所有者に、耐震診断と、必要と認められるときの耐震改修を「努めなければならない」としています。

3. 賃貸共同住宅は政令で対象に含まれている

14条1号の条文そのものには「賃貸住宅」の文字はありませんが、同法施行令6条1項7号が「賃貸住宅(共同住宅に限る。)、寄宿舎又は下宿」を掲げ、同条2項3号が規模を「階数三及び床面積の合計千平方メートル」としています。条文本文だけを読んで「賃貸マンションは対象外」と判断すると誤ります。管理業者は、管理する建物が旧耐震基準で建てられ、この規模に当たるかを確認し、オーナーに努力義務があることを説明できるようにしておく必要があります。

4. 旧耐震の建物と賃料

耐震改修促進法には、旧耐震の建物を一律に除却させる規定も、耐震改修の未実施を理由に賃借人が直ちに賃料の支払いを止められるとする規定もありません。賃料の減額などが問題になるのは、民法の一般の規定(例えば賃借物の一部が使用できなくなった場合の賃料の減額を定める611条)の要件を満たす場合に限られます。

5. 補助制度の位置づけ

耐震診断・耐震改修の費用の補助は、国や地方公共団体の予算措置として行われているものであり、耐震改修促進法が地方公共団体に補助の実施を義務付けているわけではありません。管理業者は、対象建物がどの類型に当たるか(要安全確認計画記載建築物か、特定既存耐震不適格建築物か、どちらにも当たらないか)を確かめたうえで、義務の程度と利用できる補助をオーナーに案内することが重要です。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 建築物の耐震改修の促進に関する法律7条(要安全確認計画記載建築物の所有者の耐震診断の義務)・8条(報告命令等)・14条(特定既存耐震不適格建築物の所有者の努力)、同法施行令6条1項7号・2項3号(多数の者が利用する特定既存耐震不適格建築物の要件) 確認日: 2026-09-30 出典: e-Gov 法令検索 耐震改修促進法 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000123#Mp-At_14 / 同法施行令 https://laws.e-gov.go.jp/law/407CO0000000429#Mp-At_6(法令API v2で全文取得・条文照合) 各根拠条文は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-10-12)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達・ガイドラインは改正されることがあるため、最新の内容は一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは協議会と一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。賃貸住宅管理業法・サブリース新法・国土交通省ガイドラインの出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。