電験三種
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

電験三種 令和5年度下期 機械 問11|電動機応用

問題

電験三種 | 機械 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-29

電動機ではずみ車を加速して,運動エネルギーを蓄えることを考える。 まず,加速するための電動機のトルクを考える。加速途中の電動機の回転速度を N[min⁻¹] とすると,そのときの毎秒の回転速度 n[s⁻¹] は①式で表される。 (ア) ……① この回転速度 n[s⁻¹] から②式で角速度 ω[rad/s] を求めることができる。 (イ) ……② このときの電動機が1秒間にする仕事,すなわち出力を P[W] とすると,トルク T[N·m] は③式となる。 (ウ) ……③ ③式のトルクによってはずみ車を加速する。電動機が出力し続けて加速している間,この分のエネルギーがはずみ車に注入される。電動機に直結するはずみ車の慣性モーメントを I[kg·m²] として,加速が完了したときの電動機の角速度を ω₀[rad/s] とすると,このはずみ車に蓄えられている運動エネルギー E[J] は④式となる。 (エ) ……④ 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

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正解は 5
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  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

電験三種「機械」の「電動機応用」に関する問題(令和5年度下期 問11)。正答は(5)です。

(ア) N は1分間の回転数なので、1秒間では60で割って n = N/60。

(イ) 1回転は 2π [rad] なので、1秒間に n 回転すると ω = 2π×n [rad/s]。

(ウ) 回転体の出力は P = Tω なので、T = P/ω。

(エ) 回転体の運動エネルギーは、直線運動の (1/2)mv² の m を I に、v を ω に置き換えた E = (1/2)Iω₀²。

4つすべてがそろっているのは(5)です。

【論点】回転速度・角速度・トルク・運動エネルギーの基本式(令和5年度下期 問11)

【(ア) 回転速度の換算】

N [min⁻¹] は1分間(60秒)の回転数なので n = N/60 [s⁻¹]。n = 60N は換算の向きが逆。

【(イ) 角速度】

1回転 = 2π rad。毎秒 n 回転なら ω = 2πn [rad/s]。ω = n/(2π) は掛けるべき 2π で割っている。

【(ウ) トルク】

出力(仕事率)P [W] = T [N·m] × ω [rad/s] より T = P/ω。T = Pω は単位が W·rad/s になり N·m にならない。

【(エ) 運動エネルギー】

E = (1/2)Iω₀² [J]。単位は kg·m² × (rad/s)² = kg·m²/s² = J。E = (1/2)I²ω₀ は kg²·m⁴/s となり J にならない。

【組合せの判定】

(1):(エ)が誤り。

(2):(ア)(イ)(ウ)(エ)すべて誤り。

(3):(ウ)が誤り。

(4):(ア)(イ)(エ)が誤り。

(5):すべて正しい → 正答(5)。

【核心論点】直線運動と回転運動の対応関係を押さえれば、4つの式はすべて導ける(令和5年度下期 問11)。正答は(5)です。

【直線運動と回転運動の対応】

・位置 x [m] ↔ 角度 θ [rad]

・速度 v [m/s] ↔ 角速度 ω [rad/s]

・質量 m [kg] ↔ 慣性モーメント I [kg·m²]

・力 F [N] ↔ トルク T [N·m]

・仕事率 P = Fv ↔ P = Tω

・運動エネルギー (1/2)mv² ↔ (1/2)Iω²

・運動方程式 F = m·dv/dt ↔ T = I·dω/dt

この表から、(ウ) T = P/ω と (エ) E = (1/2)Iω₀² が直ちに得られる。(ア)(イ)は単位換算で、ω = 2πN/60 [rad/s] とまとめて覚えておくと計算が速い。

【数値例】

N = 1 500 min⁻¹ まで加速する場合:n = 1 500/60 = 25 s⁻¹、ω₀ = 2π × 25 ≒ 157.1 rad/s。

電動機出力 P = 3.7 kW なら、この回転速度でのトルクは T = 3 700/157.1 ≒ 23.6 N·m。

はずみ車の慣性モーメント I = 2 kg·m² とすると、蓄えられる運動エネルギーは E = (1/2) × 2 × 157.1² ≒ 2.47 × 10⁴ J(約24.7 kJ)。

損失を無視し、加速中ずっと出力 3.7 kW を出し続けられるとすると、加速に要する時間は E/P ≒ 24 674/3 700 ≒ 6.7 s となる。

【誤りの選択肢の見抜き方】

単位(次元)を確かめるのが最も確実である。

・(1/2)I²ω₀ の単位は (kg·m²)² × s⁻¹ でエネルギーにならない。

・Pω の単位は W × s⁻¹ = J/s² でトルクにならない。

・n = 60N、ω = n/(2π) は換算の向きを逆にした形で、数値が3 600倍や (2π)² 倍ずれる。

単位だけで(1)〜(4)を消去でき、(5)が残る。

【はずみ車の役割と応用】

エネルギーは ω₀ の2乗に比例するので、同じはずみ車でも回転速度を2倍にすると4倍のエネルギーを蓄えられる。プレス機械のように瞬間的に大きな仕事をする負荷では、はずみ車に蓄えたエネルギーを放出させることで、電動機の容量を小さくできる。また、慣性モーメントは回転軸から遠い位置にある質量ほど大きく効く(I = Σmr²)ため、はずみ車は外周部に質量を集めた形状にする。電力系統でも、発電機の回転子に蓄えられた運動エネルギーが需給の急変時に周波数の変化を緩やかにする役割を果たしており、本問の E = (1/2)Iω₀² がその基礎になっている。

この問題の根拠出典:令和5年度下期 第三種電気主任技術者試験 機械(一般財団法人 電気技術者試験センター)
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和5年度下期 第三種電気主任技術者試験 機械(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。