第二種電工
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

第二種電工 電気の基礎理論 問41|交流の実効値と最大値

問題

第二種電工 | 電気の基礎理論 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-12

最大値が 141V の正弦波交流電圧の実効値 [V] として、最も近いものはどれか。ただし √2 ≒ 1.41 とする。

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正解は イ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ

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解説

交流電圧の「実効値」は、交流が直流と同じ発熱効果をもたらす電圧値のこと。正弦波では実効値=最大値 ÷ √2 という関係がある。最大値が 141V のとき、実効値 = 141 ÷ 1.41 ≒ 100V(正答イ)。私たちが普段使っている「100V コンセント」の 100V がまさにこの実効値。電気機器の定格電圧・家庭用電源の表示は実効値で行われる。最大値(約 141V)は瞬間ピーク電圧であり、実際には波形が山と谷を繰り返している。

交流の実効値と最大値の関係を問う基本問題。

【正弦波の実効値定義】

実効値 V_rms は「交流電圧の 2 乗の平均値の平方根(Root Mean Square)」。

正弦波 v(t) = V_max × sin(ωt) の場合:

V_rms = V_max / √2 ≒ V_max / 1.414

【本問の計算】

V_max = 141V

V_rms = 141 / √2 = 141 / 1.41 ≒ 100V(正答イ)

逆に:V_max = V_rms × √2 = 100 × 1.41 ≒ 141V

【家庭用電源との対応】

日本の家庭用電源:100V(実効値)

最大値:100 × √2 ≒ 141V

この 141V が電気機器の絶縁設計の基準電圧になる。

【各電気量の実効値と最大値の関係】

電気量最大値実効値
100V 電源(電圧)141V100V
200V 電源(電圧)283V200V
20A 回路(電流)28.3A20A

【誤答の罠】

ウ(141):最大値そのまま(実効値と最大値を混同)

エ(200):100 × 2 = 200 と誤計算(√2 ではなく 2 で割った逆)

実効値(RMS 値)の概念は交流回路の電力計算・絶縁設計・計測器の設計に深く関わる。その数学的根拠と実務的応用を体系的に整理する。

【実効値の数学的定義】

正弦波電圧 v(t) = V_max sin(ωt) の実効値は:

V_rms = √(1/T ∫₀ᵀ v²(t) dt)

計算:

∫₀ᵀ sin²(ωt) dt = T/2(半周期ごとに正になる sin²の面積)

V_rms = √(V_max² × T/2 / T) = V_max / √2

これは「交流と同じ発熱効果を発生させる直流電圧」と等価であることを示す。

100V 交流電源に 1Ω の抵抗を接続した場合の消費電力:P = V_rms² / R = 100²/1 = 10kW

→ 100V 直流を同じ抵抗に加えたときと等しい。

【実効値の物理的意義】

① 発熱等価:交流機器の消費電力 P = V_rms × I_rms × cosφ(力率 cosφ は後述)

② 絶縁設計基準:コンセント・電線・スイッチは実効値ではなく最大値(ピーク電圧)に対して絶縁耐力が必要。100V 回路でも 141V に耐える絶縁が必要。

③ 電圧計の読み値:市販の交流電圧計は実効値を表示するよう設計されている(平均値検波・RMS 演算内蔵)。

【波形ファクタ・クレストファクタ】

正弦波以外の交流波形(矩形波・三角波・台形波等)では実効値が異なる。

波形最大値との比(実効値/最大値)備考
正弦波1/√2 ≒ 0.707家庭用電源
矩形波1(= 1/1)全電力がピーク状態
三角波1/√3 ≒ 0.577
半波整流1/2

インバータ出力・UPS 出力・太陽光パワコン出力の波形歪み(THD:全高調波歪み率)が大きいと実効値の算出が複雑になり、計測器の選択も重要になる。

【力率と有効電力・無効電力】

交流回路には抵抗のほかコイル(インダクタンス)とコンデンサ(キャパシタンス)が加わると電流と電圧の位相がずれる(位相差 φ)。

有効電力(実際に仕事をする電力):P = V_rms × I_rms × cosφ [W]

無効電力(仕事をしない電力):Q = V_rms × I_rms × sinφ [var]

皮相電力:S = V_rms × I_rms [VA]

力率 cosφ = P/S = 有効電力/皮相電力。力率 1.0 が最良(抵抗負荷)、モーターやトランスは力率 0.8 程度になりやすい。

【測定器の種類と実効値測定】

電気工事の現場でよく使われる測定器の特性:

① 整流型電圧計:半波または全波整流した平均値を測定し、正弦波のみ実効値に換算して表示(波形が歪むと誤差が出る)

② 熱電型電圧計:実際の発熱(I²R)を利用して真の実効値を測定。波形によらず正確だが温度変化に敏感

③ デジタルマルチメータ(True-RMS):A/D 変換後に波形の RMS を演算する最も精度の高い測定方式。インバータ出力・太陽光パワコン出力の測定に必須

電気工事士試験では「電圧計は実効値を指示する」という原則の理解が求められる。

【100V 回路の絶縁設計への影響】

電気用品安全法・電気設備技術基準では低圧機器の耐電圧試験は「定格電圧の 2 倍+1000V」で行う。100V 機器:200+1000 = 1200V で試験。200V 機器:400+1000 = 1400V で試験。これは最大値(141V・283V)の何倍もの安全余裕を確保するための要件。

【電験三種への接続】

電験三種「理論」の交流回路分野では実効値を用いた有効電力・無効電力・皮相電力の計算、力率改善(コンデンサ設置)の計算が頻出。第一種電気工事士では高圧受電設備(6.6kV:最大値は 6600×√2 ≒ 9334V)の絶縁設計にも実効値と最大値の区別が直結する。「実効値 = 最大値 ÷ √2」は第二種の必須公式。この関係を確実に覚えることが交流理論全分野の出発点となる。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:電気技術者試験センター公表の出題範囲(第二種電気工事士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-12)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

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