第二種電工 電気の基礎理論 問40:電気の基礎理論
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-12)
20Ω の抵抗と未知の抵抗 R を直列に接続し、100V の電源を加えたところ、20Ω の抵抗に 40V の電圧がかかった。抵抗 R の値 [Ω] として正しいものはどれか。
- ア10
- イ30正答
- ウ50
- エ80
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直列回路では電源電圧が各抵抗に分配され、電流はどこでも同じ値が流れる。20Ω の抵抗に 40V がかかっているので、回路電流 I = V/R = 40/20 = 2A。電源電圧 100V を全電流 2A で割ると合成抵抗 = 50Ω。合成抵抗は 20Ω と R の直列なので R = 50 - 20 = 30Ω(正答イ)。「電流から合成抵抗を求め、既知抵抗を引く」2 ステップで解けるシンプルな問題。直列回路の性質(電流一定・電圧分配)を使いこなすことが重要。
直列回路の未知抵抗を電圧降下から求める問題。2つのアプローチで解く。
【アプローチ 1:電流から合成抵抗を求める】
①20Ω の電圧降下 = 40V
電流:I = V1/R1 = 40/20 = 2A
②電源電圧 100V、電流 2A
合成抵抗:R合 = V/I = 100/2 = 50Ω
③合成抵抗 = R1 + R
50 = 20 + R → R = 30Ω(正答イ)
【アプローチ 2:電圧比で求める(比例式)】
直列回路の電圧比 = 抵抗比
V1 : V_R = R1 : R = 40 : (100-40) = 40 : 60 = 2 : 3
よって R = 20 × (3/2) = 30Ω(正答イ)
【検算】
R に かかる電圧 V_R = 100 - 40 = 60V
R = V_R / I = 60/2 = 30Ω ✓
V1 + V_R = 40 + 60 = 100V ✓
【選択肢の誤答分析】
ア(10):R1-V1/I = 20-20 として誤計算
ウ(50):合成抵抗 R合 そのものを答えた場合
エ(80):100-V1=60 ではなく 100-20=80 と計算した場合
【ポイント:未知抵抗の求め方 3 パターン】
①電流が与えられている → R = V/I 直接
②電圧比が与えられている → 比例計算
③消費電力が与えられている → R = V²/P か I = P/V から求める
直列回路の電圧分配と未知抵抗計算は基礎理論の基本。電位差計・分圧回路・センサ回路の設計に直結する。
【電圧分配の一般式】
直列回路に電源電圧 V をかけると、各抵抗の電圧降下は抵抗値に比例して分配される。
抵抗 Rk の電圧降下:Vk = V × Rk / (R1 + R2 + … + Rn)
2 抵抗の場合:
V1 = V × R1 / (R1+R2)、V2 = V × R2 / (R1+R2)
本問では:V1 = 100 × 20 / (20+R) = 40
100 × 20 = 40 × (20+R)
2000 = 800 + 40R
40R = 1200 → R = 30Ω(正答イ)
【電位差計(分圧器)の設計原理】
精密な電圧源から任意の電圧を取り出す「分圧回路(ポテンショメータ)」はこの原理を利用する。
例:100V 電源から 40V を取り出す分圧回路の設計:
V_out = V_in × R2 / (R1+R2) = 40/100 = 2/5
R2 : R1 = 2 : 3 → R1=30kΩ、R2=20kΩ(抵抗の絶対値は消費電力で決める)
ただし負荷抵抗(R_L)が並列接続されると分圧比が変わる点に注意:
V_out(負荷あり)= V_in × (R2//R_L) / (R1 + R2//R_L)
負荷の影響を無視できる条件:R_L >> R2(通常 R_L ≥ 10×R2 を設計指針とする)
【テブナン電圧としての応用】
複雑な回路から 2 端子を取り出したとき、その端子間の開放電圧(テブナン電圧)は分圧公式で求まることが多い。
例:E=100V の電源と R1=20Ω、R2=30Ω が直列のとき、R2 両端のテブナン電圧:
V_oc = 100 × 30/(20+30) = 60V
テブナン抵抗:R_th = 20//30 = 12Ω(電源を短絡したときの合成抵抗)
この V_oc と R_th を使えば外部負荷接続後の動作点を簡単に計算できる。
【センサ回路への応用:サーミスタ・光センサ】
温度や光の変化を電圧変化として取り出す分圧回路が多用される:
- サーミスタ(温度で抵抗変化)+ 固定抵抗で分圧
- 光センサ(照度で抵抗変化)+ 固定抵抗で分圧
- マイコンの A/D 入力で電圧を読み取り、抵抗値から物理量を換算
本問の「電圧から抵抗を逆算する」手順は、センサ出力電圧からセンサ抵抗を求める計算と全く同じ構造。
【電線路の電圧降下と許容値】
屋内配線では配線抵抗(R_wire)と負荷抵抗(R_load)の直列回路として、電源電圧が分配される:
V_load = V_source × R_load / (R_wire + R_load)
電圧降下率 = V_wire / V_source = R_wire / (R_wire + R_load)
内線規程 JEAC 8001 では幹線の電圧降下を 2% 以内(100V 回路で 2V 以内)に収めることを求めており、電線径(=R_wire)の選定がこの計算で行われる。
例:100V 回路、負荷電流 15A、往復 30m の電路、VVF 2.0mm(R=0.014Ω/m):
R_wire = 0.014 × 30 = 0.42Ω
V_wire = 15 × 0.42 = 6.3V → 6.3% 降下(許容値超過 → 太い電線に変更)
【計測器としての分圧回路:電圧計の倍率器】
電圧計(内部抵抗 r)の測定レンジを拡大するために「倍率器」と呼ぶ直列抵抗 R_m を接続する:
測定電圧 V = V_meter × (r + R_m) / r = V_meter × m(m:倍率)
倍率 m = 1 + R_m/r → R_m = r × (m-1)
例:内部抵抗 1kΩ の電圧計を 10 倍レンジ(10kV 測定)に拡張するには:
R_m = 1000 × (10-1) = 9000Ω = 9kΩ
この設計は本問の「直列回路の電圧比から抵抗を求める」の逆算と同じ原理。
【電験三種への接続】
電験三種「理論」では分圧・分流回路が重ね合わせの定理・テブナンの定理の基礎計算として登場する。特に増幅器の偏向回路・ブリッジ回路(ホイートストンブリッジ)のバランス条件(R1/R2 = R3/R4)も本問の電圧分配の延長上にある。
第二種電気工事士では「未知抵抗を求める」問題の標準解法として分圧公式か電流計算法のどちらかで確実に 30 秒以内に解けるよう練習する。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:電気技術者試験センター公表の出題範囲(第二種電気工事士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-12)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。