電気の基礎理論39電気の基礎理論

第二種電工 電気の基礎理論 問39:電気の基礎理論

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-12

図のような直列回路において、電源電圧が 24V、抵抗 R1 の電圧降下が 8V、抵抗 R2 の電圧降下が 10V であるとき、抵抗 R3 の電圧降下 V3 [V] はいくらか。

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正答:6

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初心者向けまずはここから。やさしく要点を解説

直列回路では電源電圧が各抵抗に分配されるため、全ての電圧降下を足すと電源電圧と等しくなる。これがキルヒホッフの電圧則(KVL)。24V = 8V + 10V + V3 なので V3 = 24 - 8 - 10 = 6V(正答イ)。「直列回路の電圧の和は電源電圧に等しい」という事実を使えば暗算で解ける問題。電圧降下を間違えて足してしまったエ(42V)は電源電圧より大きくなるので物理的にありえない、という直感的な確認も有効。

標準試験対策の基準レベル

キルヒホッフの電圧則(KVL)の直接適用問題。

【KVL の定義】

任意の閉ループを一周したとき、電圧上昇と電圧降下の代数和はゼロ。

数式:Σ V = 0(起電力の上昇と抵抗の降下を符号付きで合計)

【本問への適用】

閉ループを時計回りに一周する(電源 → R1 → R2 → R3 → 電源に戻る):

+24(起電力)- 8(R1)- 10(R2)- V3(R3)= 0

∴ V3 = 24 - 8 - 10 = 6V(正答イ)

【別解:電圧の直感的計算】

直列回路では V電源 = V1 + V2 + V3

24 = 8 + 10 + V3

V3 = 6V

【電流の確認(直列なので全部同じ I)】

もし R1=4Ω なら I = V1/R1 = 8/4 = 2A

R2 = V2/I = 10/2 = 5Ω、R3 = 6/2 = 3Ω

R合 = 4+5+3 = 12Ω

確認:I = 24/12 = 2A → 一致

【選択肢の誤答分析】

ア(2): 8-10+V3=24 と計算した場合の誤り

ウ(16): V電源 - V1 = 16 と V2 を引き忘れた場合

エ(42): V電源 + V1 + V2 = 42 と全部足した場合

上級誤答論破・根拠規定・実務応用まで深掘り

キルヒホッフの電圧則(KVL)はエネルギー保存則(電位の保存)を電気回路に適用した法則。複雑な多ループ回路の解析基盤となる。

【KVL の物理的根拠:電位の経路独立性】

電場はポテンシャルエネルギーの勾配(E = -∇V)で定義されるため、電位は位置だけで決まり経路に依存しない(保存力場)。これは「任意の閉ループに沿って電位を積分するとゼロになる」ことを意味する。電気回路における「電圧降下の和 = 電源起電力」は、この電位の経路独立性を回路言語で表現したもの。

【KVL の数学的記述】

閉ループ k に含まれる全素子(起電力 E_j、抵抗 R_j)について:

Σ E_j - Σ I × R_j = 0(電流の正方向を統一して定義)

本問の一つのループ(直列):

E - I×R1 - I×R2 - I×R3 = 0

24 - I×(4+5+3) = 0 → I = 2A → V3 = 2×3 = 6V(正答イ)

【KCL と KVL の連立:メッシュ電流法】

複数ループを持つ回路では各ループに仮想のメッシュ電流 i1、i2、… を定義し、KVL 方程式を立てる。

例:2 ループ回路(電源 E1、E2、抵抗 R1、R2、R3 が T 字接続):

ループ 1:E1 = i1×R1 + (i1-i2)×R2

ループ 2:E2 = i2×R3 + (i2-i1)×R2

これを連立して解くと各ループ電流が求まり、KCL より各枝路の実電流が求まる。

【テブナン・ノートンの定理との接続】

KVL は「テブナン等価回路」の導出でも中心的役割を果たす。

テブナン定理:任意の 2 端子回路は、開放端電圧 V_oc と等価内部抵抗 R_th による「1 つの電圧源+直列抵抗」で等価置換できる。

  • V_oc の計算には KVL を適用(開放時の電圧分配)
  • R_th の計算には全電源をゼロに置き換えた後の合成抵抗計算が必要

本論点を理解することで、電験三種「理論」の最難関分野(回路方程式・ラプラス解析)への道が開ける。

【電圧降下の実務的意義:電圧降下計算】

屋内配線の設計では電線の抵抗による電圧降下が許容値(一般に 2% = 100V 回路で 2V 以内)を超えないよう電線径を選定する。

電線路の電圧降下(単相 2 線式):

e = 2 × I × r × L [V]

(I:電流、r:電線の抵抗率[Ω/m]、L:片道距離[m])

例:100V 回路、電流 15A、往復 50m の VVF 1.6mm(r = 0.022Ω/m)

e = 2 × 15 × 0.022/2 × 50 = 16.5V → 約 16.5%降下(許容 2V 超で不適)

→ 太い電線(2.0mm:r=0.014Ω/m)に変更:e = 2×15×0.007×50 = 10.5V まだ不足

→ 2.6mm や 8mm² ケーブルを検討

KVL の「電圧降下の総和 = 電源電圧」は、配線設計における「負荷端子電圧 = 電源電圧 - 配線損失」として実務に直結する。

【多電源回路の KVL 適用】

電源が複数ある回路(蓄電池+商用電源の並列充電回路など)では KVL の符号に注意する。電流方向と起電力の向きを確認しながら「時計回り一周」の約束で方程式を立てる。

例:2 電池回路(E1=12V、E2=8V、内部抵抗 r1=0.5Ω、r2=1Ω、外部抵抗 R=5Ω が直列)

KVL:E1 - E2 = I×(r1 + r2 + R) → 12-8 = I×6.5 → I ≒ 0.615A

もし E2 の向きが逆(起電力が互いに助け合う)なら:

12 + 8 = I×6.5 → I ≒ 3.08A

起電力の向きを正確に把握してから KVL を適用することが多電源回路解析の要点。

【電験三種・第一種電気工事士への接続】

電験三種「理論」:重ね合わせの定理・テブナンの定理・メッシュ電流法・ノード電圧法など、すべて KCL と KVL が基礎。交流回路では電圧・電流をベクトル量(フェーザ)として扱うが、KVL・KCL の式の形は直流と同じ。

第一種電気工事士:高圧受電設備の一次回路の電圧降下計算・中性点接地方式の地絡電圧計算にも KVL が使われる。

本問の「直列回路の電圧は足して電源電圧」を確実に理解することが、発展的な回路解析への土台となる。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:電気技術者試験センター公表の出題範囲(第二種電気工事士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-12)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。

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