第二種電工 電気の基礎理論 問38:電気の基礎理論
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-12)
図のような回路において、抵抗 R1 に 4A、抵抗 R2 に 6A の電流が流れているとき、電源から供給される電流 I [A] として正しいものはどれか。ただし R1 と R2 は並列接続されているものとする。
- ア2
- イ4
- ウ6
- エ10正答
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並列回路では各枝路(分岐)の電流を足し合わせたものが、幹線(電源側)の電流になる。これをキルヒホッフの電流則(KCL)という。R1 に 4A、R2 に 6A 流れているなら、電源から供給される全電流は 4+6=10A(正答エ)。「並列回路の電流は合計する」と覚えておくと確実。逆に「直列回路の電流はどこでも同じ」と対比して整理すると混乱しない。試験では図を見て「直列か並列か」をまず判断することが重要なポイント。
キルヒホッフの電流則(KCL)の適用問題。
【KCL の定義】
任意の節点(ノード)において、流入する電流の総和 = 流出する電流の総和。
数式:ΣI_in = ΣI_out(または Σi = 0)
【本問への適用】
電源の正極から出た電流 I が節点 A で R1 側(4A)と R2 側(6A)に分岐。
KCL:I = I_R1 + I_R2 = 4 + 6 = 10A(正答エ)
節点 B(R1・R2 の合流点)でも確認:
R1 からの 4A と R2 からの 6A が合流して 10A が電源負極に戻る。
【電圧の確認(合成抵抗との整合)】
仮に電源電圧を V とすると:
- R1 = V/4、R2 = V/6
- 並列合成抵抗 R合 = (R1×R2)/(R1+R2) = (V/4 × V/6) / (V/4 + V/6) = V²/24 / (5V/12) = V/10
- I = V / (V/10) = 10A → 一致
【直列・並列の電流と電圧の対比】
| 接続 | 電流 | 電圧 |
|---|---|---|
| 直列 | どこでも同じ | 各素子に分配 |
| 並列 | 各枝に分配、合計が幹線 | どの枝も同じ |
キルヒホッフの電流則(KCL)は電気回路解析の 2 大法則の一つ。電荷保存則から導かれ、複雑な回路に対しても普遍的に適用できる。
【KCL の物理的根拠:電荷保存則】
任意の閉じた面(節点)を通過する電荷の収支は正味ゼロ。電荷が節点に蓄積することはない(静電容量を除く定常状態)。電流は単位時間あたりの電荷移動量(I = dQ/dt)であるから、節点に流入する電荷速度=流出する電荷速度、すなわち ΣI = 0 が成立する。
【KCL の数学的記述】
節点 k に接続された全ての枝の電流を i_j とする(節点に流入する方向を正とする):
Σ i_j = 0
本問の節点 A では:I(流入)- I_R1(流出)- I_R2(流出)= 0
I = 4 + 6 = 10A(正答エ)
【KVL(電圧則)との組合わせ:連立方程式による回路解析】
KCL と KVL(閉ループの電圧降下総和=0)を連立することで、任意の回路を数学的に解ける。
例:3 節点・2 電源の回路(メッシュ電流法)
- 独立した KCL 式の数 = 節点数 - 1
- 独立した KVL 式の数 = 枝路数 - 節点数 + 1
本問は単純な 2 枝並列なので KCL 一式で解けるが、実際の多ループ回路では連立方程式を解く必要がある。
【重ね合わせの定理との接続】
複数電源が存在する回路では「重ね合わせの定理」が有効。各電源を単独で働かせた場合の電流を KCL で求め、各枝路で代数和をとる。KCL が各電源の個別解析でも同様に適用される。
【電流分配の公式(2 枝並列の場合)】
2 つの抵抗 R1、R2 が並列のとき、全電流 I が次の比で分配される:
I_R1 = I × R2 / (R1 + R2)
I_R2 = I × R1 / (R1 + R2)
「電流は抵抗の少ない方に多く流れるが、公式の分子は"反対側"の抵抗」という点に注意。
本問では I_R1:I_R2 = 4:6 = 2:3、すなわち R2:R1 = 2:3(R1 の方が大きい)。
【実務への応用:電流計・クランプメータの読み取り】
分電盤の各回路に流れる電流をクランプメータで測定し、幹線電流を KCL で検証する作業は電気工事士の竣工検査の基本。
例:分電盤から 3 回路(照明 5A・エアコン 8A・コンセント 7A)が並列分岐している場合、主幹回路の電流は KCL より 5+8+7=20A。100A 主幹開閉器に対して余裕あり(20%使用)。
不平衡な三相回路では中性線電流の計算に KCL が直接使われる:
I_N = I_a + I_b + I_c(ベクトル和)
平衡三相ではベクトル和がゼロになるため中性線に電流が流れない(kiso_31 参照)。
【測定機器との対応】
電流計は直列接続・内部抵抗が極めて小さい(≒0Ω)。並列回路の各枝路電流を測定するには各枝に電流計を直列に入れる。クランプメータは電線を挟むだけで電流測定でき、大電流回路の回路を切断せずに測定できる。
KCL の応用として:クランプメータで各枝路電流 4A・6A を測定 → 幹線の電流が 10A と予測できるため、幹線クランプ測定結果(10A)との整合を確認できる。
【電験三種への接続】
電験三種「理論」ではノード電圧法(各節点の電圧を未知数として KCL の方程式を立てる手法)が頻出。n 節点回路に対して n-1 本の KCL 方程式を立て、線形連立方程式を解く。アドミタンス行列(Y 行列)を用いた系統解析はこの延長上にあり、大規模電力系統の潮流計算・安定度解析の基礎となる。第二種電気工事士では KCL を「並列回路の電流は足す」の感覚レベルで使えることが最低限だが、上位資格への道筋として法則の論理構造を理解しておくと有利。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:電気技術者試験センター公表の出題範囲(第二種電気工事士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-12)。
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執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。