電気の基礎理論43電気の基礎理論

第二種電工 電気の基礎理論 問43:電気の基礎理論

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-12

インダクタンス L = 100mH のコイルを、周波数 50Hz の交流電源に接続したときの誘導性リアクタンス X_L [Ω] として最も近いものはどれか。ただし π ≒ 3.14 とする。

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正答:31

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初心者向けまずはここから。やさしく要点を解説

コイル(インダクタ)は交流を流すと「誘導性リアクタンス」と呼ばれる抵抗に似た働きを示す。公式は X_L = 2πfL(f:周波数、L:インダクタンス)。本問では X_L = 2 × 3.14 × 50 × 0.1 = 31.4 ≒ 31Ω(正答ウ)。100mH = 0.1H と単位変換する点に注意。コイルのリアクタンスは周波数が高いほど大きくなる(高周波を通しにくい)のが特徴で、ラジオの同調回路や電源の平滑コイル(チョーク)など幅広く使われている。

標準試験対策の基準レベル

誘導性リアクタンスの計算問題。

【コイルの誘導性リアクタンス公式】

X_L = 2πfL = ωL [Ω]

f:周波数 [Hz]、L:インダクタンス [H]、ω:角速度 [rad/s]

【本問の計算】

L = 100mH = 100 × 10⁻³ H = 0.1H

f = 50Hz

X_L = 2 × 3.14 × 50 × 0.1

  = 6.28 × 50 × 0.1

  = 6.28 × 5

  = 31.4 ≒ 31Ω(正答ウ)

【コイル回路の特性】

①電圧と電流の位相関係:コイルでは電流が電圧より 90° 遅れる

②「電気で大(Lagging)」:電気(L)を使うとき電流は Lagging(遅れ)と覚える

③消費電力:コイルは純粋な無効電力(磁気エネルギーの蓄放)。有効電力はゼロ

【周波数とリアクタンスの関係】

50Hz:X_L = 31.4Ω

100Hz:X_L = 62.8Ω(周波数 2 倍でリアクタンス 2 倍)

直流(f=0):X_L = 0(コイルは直流に対して抵抗なし、短絡状態)

【誘導性・容量性リアクタンスの違い】

| | 誘導性(コイル) | 容量性(コンデンサ) |

|---|---|---|

| 公式 | X_L = 2πfL | X_C = 1/(2πfC) |

| 周波数が上がると | X_L 大きくなる | X_C 小さくなる |

| 電流位相 | 電圧より 90° 遅れ | 電圧より 90° 進み |

上級誤答論破・根拠規定・実務応用まで深掘り

コイルの誘導性リアクタンスは交流回路理論の中核。フェーザ表示・複素インピーダンス・共振回路への拡張まで体系的に理解する。

【誘導性リアクタンスの物理的根拠:ファラデーの電磁誘導則】

コイルに交流電流 i(t) = I_max sin(ωt) が流れると、鎖交磁束 Φ = L×i が時間変化する。

誘導起電力:e = -L × di/dt = -L × I_max × ω × cos(ωt) = -V_max × cos(ωt)

電流(sin)と電圧(-cos)の位相差を見ると、電流が電圧より 90°(π/2)遅れていることがわかる。この「位相のずれ」がコイルが有効電力を消費しない(エネルギーを磁界として蓄え放出するだけ)理由。

電圧の振幅:V_max = ωL × I_max

リアクタンス X_L = V_max / I_max = ωL = 2πfL

【複素インピーダンス表示】

フェーザ(複素数)表示では:

Z_L = jX_L = jωL = j2πfL

j は虚数単位(j² = -1)で、90° の位相差を表す。

本問では Z_L = j × 31.4Ω ≒ j31Ω

コイルと抵抗の直列接続(RL 回路):

Z = R + jωL

|Z| = √(R² + (ωL)²)(インピーダンスの大きさ)

φ = arctan(ωL/R)(位相角)

例:R=40Ω、X_L=30Ω の RL 直列回路

|Z| = √(40² + 30²) = √(1600 + 900) = √2500 = 50Ω

φ = arctan(30/40) = arctan(0.75) ≒ 36.9°(電流が 36.9° 遅れ)

【RLC 直列共振回路】

コイル(X_L=ωL)とコンデンサ(X_C=1/ωC)を同じ回路に入れると、特定の周波数(共振周波数 f_0)でリアクタンスが打ち消し合う:

X_L = X_C → ωL = 1/(ωC) → ω₀ = 1/√(LC) → f₀ = 1/(2π√(LC))

共振時の特性:

①インピーダンスが最小(=R のみ)

②電流が最大

③コイルとコンデンサの電圧が等しく(VL = VC)、互いに打ち消し合う

④Q 値(共振の鋭さ)= X_L/R = ωL/R で回路のバンド幅が決まる

ラジオの選局回路・電源の高調波フィルタ・無線機の同調回路はすべて共振を応用している。

【電源回路のフィルタ(チョークコイル)】

スイッチング電源・インバータ回路では高周波ノイズを除去するために入出力にコイルを入れる(EMI フィルタ)。

  • 入力 AC ライン:コモンモードチョーク(数 mH〜数十 mH)で商用電源ラインへのノイズ逆流を防ぐ
  • 出力 DC ライン:インダクタ(数 μH)でスイッチングリプルを平滑化

50Hz に対する X_L = 31Ω に対し、スイッチング周波数 100kHz に対するリアクタンスは X_L = 2π×100000×0.1 = 62.8kΩ → 100kHz の信号はほぼ通さず(大きな減衰)。このように周波数が高いほどコイルのリアクタンスが大きくなる性質を「ハイパスフィルタ(通さない方向)」として活用している。

【電力計測との関係:力率と無効電力】

コイルのみの回路では電圧と電流が 90° ずれているため:

有効電力(Watt):P = V_rms × I_rms × cos90° = 0

無効電力(var):Q = V_rms × I_rms × sin90° = V_rms × I_rms

皮相電力(VA):S = V_rms × I_rms

力率 cosφ = P/S = 0(純コイル)

実際のモーター・変圧器は銅線(抵抗)とコイル(インダクタンス)が組み合わさっているため、力率は 0 ではなく 0.7〜0.9 程度。力率が低いと同じ有効電力を供給するのに大きな電流(=電線損失増大)が必要になるため、進相コンデンサを並列接続して力率を改善する。

【電験三種への接続】

電験三種「理論」では交流回路のインピーダンス計算・共振回路・過渡現象(RL・RC・RLC 回路の微分方程式)が主要出題範囲。X_L = 2πfL とコイルの性質(電流 90° 遅れ、無効電力のみ)を確実に理解することが交流理論全体の鍵。第二種電気工事士では本問のような数値計算問題と、RL 直列回路のインピーダンス(Z = √(R²+X_L²))の計算が出題される。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:電気技術者試験センター公表の出題範囲(第二種電気工事士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-12)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。

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