第二種電工 電気の基礎理論 問44:電気の基礎理論
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-12)
静電容量 C = 100μF のコンデンサを、周波数 50Hz の交流電源に接続したときの容量性リアクタンス X_C [Ω] として最も近いものはどれか。ただし π ≒ 3.14 とする。
- ア0.03
- イ3
- ウ32正答
- エ314
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コンデンサ(キャパシタ)も交流を流すと「容量性リアクタンス」という抵抗に似た働きを示す。公式は X_C = 1 / (2πfC)。本問では C = 100μF = 100 × 10⁻⁶ F = 10⁻⁴ F なので、X_C = 1 / (2 × 3.14 × 50 × 10⁻⁴) = 1 / (0.0314) ≒ 31.8 ≒ 32Ω(正答ウ)。コンデンサのリアクタンスはコイルとは逆で「周波数が高いほど小さくなる(高周波を通しやすい)」のが特徴。直流(f=0)では X_C が無限大になり電流がほぼ流れない。
容量性リアクタンスの計算問題。
【コンデンサの容量性リアクタンス公式】
X_C = 1 / (2πfC) = 1 / (ωC) [Ω]
f:周波数 [Hz]、C:静電容量 [F]、ω:角速度 [rad/s]
【本問の計算】
C = 100μF = 100 × 10⁻⁶ F = 10⁻⁴ F
f = 50Hz
X_C = 1 / (2 × 3.14 × 50 × 10⁻⁴)
= 1 / (6.28 × 50 × 10⁻⁴)
= 1 / (6.28 × 0.005)
= 1 / 0.0314
≒ 31.8 ≒ 32Ω(正答ウ)
【コンデンサ回路の特性】
①電圧と電流の位相関係:コンデンサでは電流が電圧より 90° 進む
②「電気でComing(進み)」:Capacitor = C(先に電流が流れる)と覚える
③消費電力:コンデンサも無効電力のみ(電気エネルギーの蓄放)。有効電力ゼロ
【周波数とリアクタンスの関係】
50Hz:X_C ≒ 31.8Ω
100Hz:X_C ≒ 15.9Ω(周波数 2 倍でリアクタンス 1/2)
直流(f=0):X_C = ∞(電流が流れない、開放に相当)
【コイルとコンデンサの対比】
| | コイル(L) | コンデンサ(C) |
|---|---|---|
| リアクタンス | X_L = 2πfL | X_C = 1/(2πfC) |
| f が上がると | X_L 大(高周波遮断) | X_C 小(高周波通過) |
| 電流位相 | 電圧より 90° 遅れ | 電圧より 90° 進み |
| 直流では | 短絡(0Ω) | 開放(∞Ω) |
コンデンサの容量性リアクタンスは交流回路理論・フィルタ設計・力率改善・測定技術の核心。物理的根拠から実務応用まで体系的に整理する。
【容量性リアクタンスの物理的根拠】
コンデンサに交流電圧 v(t) = V_max sin(ωt) を加えると、蓄積電荷 q = Cv が時間変化する。
電流:i(t) = dq/dt = C × dv/dt = C × V_max × ω × cos(ωt) = I_max × cos(ωt)
cos = sin + 90°(位相が進む)なので、電流は電圧より 90° 進む。
電流の振幅:I_max = ωC × V_max
容量性リアクタンス:X_C = V_max / I_max = 1/(ωC) = 1/(2πfC)
コンデンサは「電圧変化を先読みして電流を流す」——これが 90° 進みの直感的な意味。電圧が最大になる瞬間、コンデンサは既に満充電されており電流はゼロになる。電圧がゼロから上昇し始める瞬間、充電電流が最大になる。
【複素インピーダンス表示】
フェーザ(複素数)表示では:
Z_C = -jX_C = -j/(ωC) = 1/(jωC)
コイル(Z_L = jωL)と対比すると:
- コイル:正の虚数部(+j)→ 電流が遅れ
- コンデンサ:負の虚数部(-j)→ 電流が進み
RLC 直列回路のインピーダンス:
Z = R + j(X_L - X_C) = R + j(ωL - 1/ωC)
|Z| = √(R² + (X_L - X_C)²)
位相角 φ = arctan((X_L - X_C)/R)
X_L > X_C(誘導性優勢)→ φ > 0 → 電流が電圧より遅れ
X_L < X_C(容量性優勢)→ φ < 0 → 電流が電圧より進み
X_L = X_C(共振)→ φ = 0 → 電流と電圧が同相、インピーダンス最小 = R
【力率改善への応用:進相コンデンサ】
モーター・変圧器などの誘導性負荷では電流が電圧より遅れ(遅れ力率)、有効電力よりも大きな皮相電力が供給される。進相コンデンサを並列に接続すると、コンデンサの進み電流がモーターの遅れ電流を打ち消し、合成電流の位相差が小さくなる→ 力率が改善する。
力率改善の計算例:
有効電力 P = 10kW、力率 0.7(φ₁ = 45.57°)の負荷に cosφ₂ = 0.9 まで改善したい。
必要な無効電力 Q_C = P × (tanφ₁ - tanφ₂) = 10 × (1.020 - 0.484) = 5.36kvar
コンデンサ容量 C = Q_C / (ωV²) = 5360 / (2π×50×100²) = 1.707×10⁻³ F ≒ 1707μF
力率改善により:① 電流低減 → 電線損失低減、② 電力会社の力率割引(0.9 超で 1%/0.01 の料金割引)、③ 変圧器・幹線の余裕創出。
【フィルタ回路への応用】
コンデンサは高周波を通しやすく(X_C が小さい)、低周波・直流を通しにくい(X_C が大きい)性質から、フィルタ回路に多用される:
①ローパスフィルタ(LPF):コイルを直列、コンデンサを並列に接続
→ 低周波を通し、高周波を遮断(オーディオの音質調整・EMI フィルタ)
②ハイパスフィルタ(HPF):コンデンサを直列、コイルを並列に接続
→ 高周波を通し、低周波・直流を遮断(結合コンデンサ・デカップリングコンデンサ)
③バンドパスフィルタ(BPF):特定周波数帯のみ通過(RLC 共振回路の応用)
→ ラジオの選局・無線機の帯域分離
【コンデンサの種類と電気工事への関係】
絶縁体(誘電体)の種類によって特性が異なる:
①フィルムコンデンサ:PET・PP フィルム。進相コンデンサ(電力用)に使用。大容量(数十 μF〜数千 μF)
②電解コンデンサ:アルミ箔+電解液。大容量だが極性あり(+- 逆接で破損)。平滑用に使用
③セラミックコンデンサ:高周波特性良好。デカップリング用(数 pF〜数十 μF)
④マイカコンデンサ:精密・安定。計測器・通信機器用
電気工事士が扱う進相コンデンサは主に①フィルムコンデンサ(電力用)。
【電験三種への接続】
電験三種「理論」では RLC 回路の過渡現象(微分方程式の解)・共振現象・交流ブリッジ(コンデンサの誘電率測定)・三相回路のコンデンサ容量計算が頻出。「電力」では変電所の調相設備(進相コンデンサ・分路リアクトル)の力率管理が出題される。第二種電気工事士では X_C = 1/(2πfC) の計算と「コンデンサは電流が進み」の性質を確実に習得することが、RC フィルタ・進相コンデンサの理解に直結する。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:電気技術者試験センター公表の出題範囲(第二種電気工事士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-12)。
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執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。