第二種電工 電気の基礎理論 問45:電気の基礎理論
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-12)
抵抗 R = 30Ω とコイル(誘導性リアクタンス X_L = 40Ω)を直列に接続した回路のインピーダンス Z [Ω] として正しいものはどれか。
- ア10
- イ35
- ウ50正答
- エ70
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抵抗とコイルの直列回路では、電圧が位相のずれた 2 つの成分に分かれるため、インピーダンスは単純に足し算(30+40=70)にならない。ピタゴラスの定理(三平方の定理)を使い Z = √(R² + X_L²) で求める。Z = √(30² + 40²) = √(900 + 1600) = √2500 = 50Ω(正答ウ)。30-40-50 の直角三角形(3-4-5 の倍数)は試験によく出る黄金比率。R = 30、X_L = 40 の組合わせを見たら即座に「50」と反応できると解答時間を大幅に短縮できる。
RL 直列回路のインピーダンス計算(三平方の定理の適用)。
【RL 直列回路のインピーダンス公式】
Z = √(R² + X_L²) [Ω]
R:抵抗 [Ω](有効成分)
X_L:誘導性リアクタンス [Ω](無効成分・コイル)
インピーダンス三角形の斜辺が Z、水平辺が R、垂直辺が X_L。
【本問の計算】
Z = √(30² + 40²) = √(900 + 1600) = √2500 = 50Ω(正答ウ)
これは 3-4-5 の直角三角形の 10 倍(30-40-50)。試験頻出パターン。
【位相角 φ(力率角)の計算】
φ = arctan(X_L / R) = arctan(40/30) = arctan(1.333) ≒ 53.1°
力率 cosφ = R/Z = 30/50 = 0.6
【電源 100V 接続時の電流】
I = V/Z = 100/50 = 2A
抵抗の電圧:V_R = IR = 2×30 = 60V
コイルの電圧:V_L = IX_L = 2×40 = 80V
電圧の合成(位相差考慮):√(60² + 80²) = √(3600+6400) = √10000 = 100V ✓
【試験頻出の直角三角形(3-4-5 族)】
R=3, X=4, Z=5(基本)
R=6, X=8, Z=10(2 倍)
R=30, X=40, Z=50(10 倍・本問)
RL 直列回路のインピーダンス計算はフェーザ表現・複素インピーダンス・電力三角形への発展の基礎。電動機・変圧器・蛍光灯安定器の特性理解に直結する。
【複素インピーダンスによる表現】
RL 直列回路のインピーダンスをフェーザ(複素数)で表すと:
Z = R + jX_L = 30 + j40 [Ω]
絶対値(大きさ):|Z| = √(R² + X_L²) = 50Ω(本問)
偏角(位相角):∠Z = arctan(X_L/R) = arctan(40/30) ≒ 53.1°
複素数の極座標表示:Z = 50∠53.1° = 50(cos53.1° + j sin53.1°)
フェーザ計算の利点:正弦波の加算・乗算・除算が代数演算で行える。
V_L = I × Z(複素数乗算)で電流と電圧の振幅比・位相差を一括計算できる。
【電圧三角形と電力三角形】
RL 直列回路に電流 I が流れるとき:
- 抵抗の電圧 V_R = IR(電流と同位相)
- コイルの電圧 V_L = IX_L(電流より 90° 進む)
- 電源電圧 V = √(V_R² + V_L²)(三平方の定理)
これが「電圧三角形」。それぞれを I で割ると R・X_L・Z の「インピーダンス三角形」、I を掛けると消費電力・無効電力・皮相電力の「電力三角形」になる。
【電力三角形の計算(電源 100V、Z=50Ω の場合)】
I = 100/50 = 2A
有効電力 P = I²R = 4×30 = 120W(抵抗での消費)
無効電力 Q = I²X_L = 4×40 = 160var(コイルでの蓄放)
皮相電力 S = VI = 100×2 = 200VA
確認:S = √(P² + Q²) = √(120² + 160²) = √(14400+25600) = √40000 = 200VA ✓
力率 cosφ = P/S = 120/200 = 0.6
【誘導電動機(モーター)との対応】
誘導電動機(三相モーター)の等価回路は基本的に RL 直列(抵抗 = 銅損・機械的出力、リアクタンス = 磁化リアクタンス)で近似できる。
一般的な誘導電動機の力率:0.7〜0.9(遅れ)
→ モーターが多い工場では大きな遅れ無効電力が発生
→ 進相コンデンサ(X_C = X_L になる容量)を並列に設置して力率改善
進相コンデンサの容量 C を求める式:
cosφ₁ → cosφ₂ に改善するのに必要な無効電力 Q_C = P(tanφ₁ - tanφ₂)
C = Q_C / (ωV²) = Q_C / (2πfV²)
【インピーダンス三角形の派生パターン(試験頻出)】
試験で出る直角三角形のパターンを網羅する:
①3-4-5 系:(R,X,Z) = (30,40,50)、(60,80,100)、(3,4,5)×n
②5-12-13 系:(R,X,Z) = (50,120,130)、(25,60,65)
③8-15-17 系:(R,X,Z) = (80,150,170)
④一般型:Z = √(R²+X²) を計算する
Z > R かつ Z > X の関係を満たすかで誤答をチェックできる。本問でウ(50)は 30 と 40 の両方より大きい ✓、エ(70)は 30+40 の単純和で誤り ✗。
【インピーダンスと周波数の関係】
コイルの X_L = 2πfL は周波数依存であるため、RL 直列回路のインピーダンスも周波数によって変わる。
f → 0(直流):X_L → 0、Z → R(抵抗のみ)
f → ∞:X_L → ∞、Z → ∞(電流が流れなくなる)
これを利用した「RL フィルタ(ハイカットフィルタ)」:
遮断周波数 f_c = R/(2πL) より高い周波数成分を減衰させる。
例:R=30Ω、L(X_L=40Ω at 50Hz)の遮断周波数:
L = X_L/(2πf) = 40/(2π×50) ≒ 0.127H
f_c = R/(2πL) = 30/(2π×0.127) = 30/0.798 ≒ 37.6Hz
37.6Hz 以上の高周波成分が減衰→ 低域フィルタ(ローパスフィルタ)として機能。
【電験三種への接続】
電験三種「理論」ではフェーザ図を用いたインピーダンス計算・交流回路の電力計算・共振回路の解析が頻出。「機械」では誘導電動機の等価回路(T 型等価回路)でインピーダンスの概念が応用される。「電力」では送電線の等価回路(R+jX の直列回路として表現)でインピーダンス計算が送電損失・電圧降下計算に使われる。
第二種電気工事士では Z = √(R² + X²) と力率 cosφ = R/Z の計算を確実にマスターすることが交流理論全体の要。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:電気技術者試験センター公表の出題範囲(第二種電気工事士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-12)。
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執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。