電気の基礎理論46電気の基礎理論

第二種電工 電気の基礎理論 問46:電気の基礎理論

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-12

抵抗 R = 8Ω、誘導性リアクタンス X_L = 6Ω の RL 直列回路を 100V の交流電源に接続した。この回路の力率として正しいものはどれか。

  • 0.6
  • 0.75
  • 0.8正答
  • 1.0
正答:0.8

AI解説(初心者・標準・上級)

理解度に合わせて3レベルの解説を無料で読めます。根拠(電気設備技術基準・内線規程・電気工事士法・電気用品安全法)も明記。

初心者向けまずはここから。やさしく要点を解説

力率とは「電源が供給する電力のうち、実際に仕事(熱・光・回転)に使われる割合」のこと。公式は cosφ = R / Z。まずインピーダンスを求める。Z = √(R² + X_L²) = √(8² + 6²) = √(64+36) = √100 = 10Ω。力率 cosφ = R/Z = 8/10 = 0.8(正答ウ)。6-8-10 は 3-4-5 の直角三角形の 2 倍で試験の定番数値。力率が 1.0 に近いほど効率がよく、0.8 以下になると電力会社から追加料金が課せられることもある。

標準試験対策の基準レベル

RL 直列回路の力率計算。

【計算ステップ】

①インピーダンス Z を求める:

Z = √(R² + X_L²) = √(8² + 6²) = √(64+36) = √100 = 10Ω

②力率 cosφ を求める:

cosφ = R/Z = 8/10 = 0.8(正答ウ)

③力率角 φ:

φ = arccos(0.8) ≒ 36.9°(電流が電圧より 36.9° 遅れ)

【電流と各電圧の計算】

I = V/Z = 100/10 = 10A

V_R = IR = 10×8 = 80V

V_L = IX_L = 10×6 = 60V

確認:√(80²+60²) = √(6400+3600) = √10000 = 100V ✓

【有効電力と皮相電力】

有効電力 P = V×I×cosφ = 100×10×0.8 = 800W

皮相電力 S = V×I = 100×10 = 1000VA

無効電力 Q = √(S²-P²) = √(1000²-800²) = 600var

【力率の別解法】

cosφ = P/S = 800/1000 = 0.8(電力比から求める方法)

sinφ = X_L/Z = 6/10 = 0.6(無効成分比)

sin²φ + cos²φ = 0.36 + 0.64 = 1.0 ✓

上級誤答論破・根拠規定・実務応用まで深掘り

力率は電力システム管理・省エネ設計・電動機特性の核心指標。数値の計算だけでなく力率改善の実務と意義まで体系的に理解する。

【力率の物理的定義】

交流回路では電圧 v(t) = V_max sin(ωt) と電流 i(t) = I_max sin(ωt - φ) の位相差 φ が発生する(誘導性負荷では電流が遅れ)。

瞬時電力 p(t) = v(t)×i(t) = V_max×I_max sin(ωt) sin(ωt-φ)

三角関数の積の公式を使って変形すると:

p(t) = (V_max I_max/2)[cosφ - cos(2ωt-φ)]

有効電力(平均値)P = V_rms I_rms cosφ

→ cosφ が 1.0 のとき(同位相)、p(t) は常に正(常に仕事をしている)

→ cosφ が 0 のとき(90° ずれ)、p(t) の正負が打ち消して平均ゼロ(仕事をしない)

【力率の 3 つの解釈】

①インピーダンス三角形:cosφ = R/Z(抵抗とインピーダンスの比)

②電力三角形:cosφ = P/S(有効電力と皮相電力の比)

③電圧三角形:cosφ = V_R/V(抵抗電圧と電源電圧の比)

本問では R=8、X_L=6、Z=10 なので cosφ = 8/10 = 0.8(どの解釈でも同じ)。

【力率と電力会社の料金】

電気料金の「力率割引」制度:

  • 力率 85% 未満:割増料金(超過 1% ごとに基本料金 1% 割増)
  • 力率 85%:基準(割引も割増もなし)
  • 力率 90% 以上:割引(1% ごとに基本料金 0.5% 割引)

大規模工場では力率改善だけで年間数十万〜数百万円の料金節減になることがある。

【力率改善:進相コンデンサの容量計算】

RL 直列負荷の力率を改善するには、コンデンサを並列接続する。

本問の条件:P=800W、Q=600var(遅れ)、cosφ₁=0.8(φ₁=36.9°)

目標:cosφ₂=0.95(φ₂=18.2°)に改善

必要な無効電力(コンデンサが吸収):

Q_C = P(tanφ₁ - tanφ₂) = 800 × (tan36.9° - tan18.2°) = 800 × (0.750 - 0.329) = 337var

コンデンサ容量(V=100V、f=50Hz):

C = Q_C / (2πfV²) = 337 / (2π×50×100²) = 337/3141600 ≒ 107μF

【力率 1.0(抵抗負荷)と力率 0(純リアクタンス負荷)の対比】

| 負荷 | 力率 | 有効電力 | 無効電力 | 特徴 |

|---|---|---|---|---|

| 純抵抗 | 1.0 | 全電力 | 0 | 白熱電球・電熱器 |

| RL(本問)| 0.8 | P = S×cosφ | Q = S×sinφ | 一般電気機器 |

| 純コイル | 0.0 | 0 | 全電力 | 理想インダクタ |

| 純コンデンサ | 0.0(進み)| 0 | 全電力(進み)| 理想キャパシタ |

現実の機器は抵抗とリアクタンスが混在し、力率は 0〜1 の間になる。

【三相負荷の力率測定:2 電力計法】

三相 3 線式回路の全電力は 2 台の電力計で測定できる(2 電力計法)。

W1、W2 の読みから:

P(有効電力)= W1 + W2

Q(無効電力)= √3 × (W1 - W2)

力率 cosφ = P / √(P² + Q²)

W1 = W2 のとき Q=0 → 力率 1.0(平衡三相抵抗負荷)

W1 ≠ W2 のとき力率 1.0 未満→ 差の絶対値が大きいほど力率低下

【電験三種への接続】

電験三種「理論」では交流電力(有効・無効・皮相)、電力三角形、最大電力転送定理が頻出。「電力」では変電所の無効電力調整(進相コンデンサ・分路リアクトル・同期調相機)、電力系統の電圧調整が力率と密接に絡む。「機械」では誘導電動機のすべり-力率特性が出題される。第二種電気工事士では cosφ = R/Z を確実に計算できることが基礎。6-8-10(cos=0.8)、3-4-5(cos=0.6)、5-12-13(cos=5/13≒0.38)などの定番パターンを瞬時に認識できると大きな時間節約になる。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:電気技術者試験センター公表の出題範囲(第二種電気工事士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-12)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。

関連論点

交流回路の力率頻出度A

電気の基礎理論の他の問題

1
電気の基礎理論
2
電気の基礎理論
3
電気の基礎理論
4
電気の基礎理論
5
電気の基礎理論
6
電気の基礎理論
電気の基礎理論の一覧

分野別に解いて、第二種電工に合格

4分野のオリジナル問題。各問に根拠(電気設備技術基準・内線規程・電気工事士法・電気用品安全法)とAI解説(3レベル)付き・閲覧無料。