第二種電工
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

第二種電工 電気の基礎理論 問47|RC直列回路の電流計算

問題

第二種電工 | 電気の基礎理論 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-12

抵抗 R = 60Ω とコンデンサ(容量性リアクタンス X_C = 80Ω)を直列接続した回路を 200V の交流電源に接続したとき、回路に流れる電流 I [A] として正しいものはどれか。

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正解は イ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ

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解説

RC 直列回路の電流は「電源電圧 ÷ インピーダンス」で求める。インピーダンス Z = √(R² + X_C²) = √(60² + 80²) = √(3600 + 6400) = √10000 = 100Ω。電流 I = V/Z = 200/100 = 2A(正答イ)。60-80-100 は 3-4-5 の直角三角形の 20 倍で試験頻出の数値セット。コンデンサの場合もコイルと同様に三平方の定理でインピーダンスを計算し、オームの法則で電流を求めるというシンプルな手順を確実に身につけよう。

RC 直列回路の電流計算。

【計算ステップ】

①インピーダンスを求める:

Z = √(R² + X_C²) = √(60² + 80²) = √(3600 + 6400) = √10000 = 100Ω

②電流を求める(オームの法則の交流版):

I = V/Z = 200/100 = 2A(正答イ)

【各電圧の確認】

V_R = IR = 2×60 = 120V(抵抗の電圧)

V_C = IX_C = 2×80 = 160V(コンデンサの電圧)

合成電圧:√(120² + 160²) = √(14400 + 25600) = √40000 = 200V ✓

【力率の計算】

cosφ = R/Z = 60/100 = 0.6(進み力率)

φ = arccos(0.6) ≒ 53.1°(電流が電圧より 53.1° 進む)

【有効電力・無効電力・皮相電力】

P = VI cosφ = 200×2×0.6 = 240W

Q = VI sinφ = 200×2×0.8 = 320var(進み)

S = VI = 200×2 = 400VA

確認:√(240² + 320²) = √(57600 + 102400) = √160000 = 400VA ✓

【RC 直列と RL 直列の違い】

RL 直列RC 直列
インピーダンス√(R²+X_L²)√(R²+X_C²)
電流位相電圧より遅れ電圧より進み
力率の種類遅れ力率進み力率

RC 直列回路は交流フィルタ・位相シフタ・電源回路の基本構成要素。コンデンサの特性(電流が進む)と実務への展開を体系的に理解する。

【RC 直列回路の複素インピーダンス】

Z = R + Z_C = R - jX_C = R - j/(ωC) = R - j×80 [Ω](本問)

|Z| = √(R² + X_C²) = 100Ω

∠Z = arctan(-X_C/R) = arctan(-80/60) = -53.1°(負の角度 = 電流が進む)

電流フェーザ:I = V/Z = 200∠0° / 100∠(-53.1°) = 2∠53.1°

→ 電流が電圧より 53.1° 進む(コンデンサ主体で進み位相)

【RC 直列回路の周波数特性(フィルタとしての応用)】

抵抗 R = 60Ω、コンデンサ C(X_C=80Ω at 50Hz → C = 1/(2π×50×80) = 40μF):

低周波(f→0):X_C→∞、Z→∞、電流→0(高インピーダンス、電流が流れない)

高周波(f→∞):X_C→0、Z→R=60Ω、電流→V/R=200/60≒3.3A(抵抗のみで決まる)

コンデンサを直列に入れると低周波遮断のフィルタ(ハイパスフィルタ)になる。

遮断周波数 f_c = 1/(2πRC) = 1/(2π×60×40×10⁻⁶) ≒ 66.3Hz

→ 50Hz の入力は f_c(66.3Hz)以下なのでやや減衰(本問の X_C=80Ω > R=60Ω でコンデンサが主体)

【RC 位相シフタの原理】

RC 直列回路では入力電圧と出力電圧(抵抗側)に位相差が生じる。

V_R = I×R = V × (R/|Z|) ∠(φ)(位相が φ 進む)

V_C = I×X_C = V × (X_C/|Z|) ∠(φ-90°)(位相が φ-90°)

3 段 RC 直列(各 60° シフト)を縦続すると 180° 位相シフタが構成できる。これに増幅器(増幅率 29 倍以上)を組み合わせると RC 位相シフト発振回路(正弦波発振回路)になる。周波数 f_0 = 1/(2π√6 RC)。試験装置・音響機器・信号発生器の基本回路。

【進相コンデンサとの違い:直列 vs 並列コンデンサ】

①直列コンデンサ(RC 直列 = 本問):

目的:高周波フィルタ・位相シフタ・直流カット

効果:X_C を直列に加えてインピーダンスを増大させる

用途:カップリングコンデンサ(信号系)、高周波フィルタ(通信系)

②並列コンデンサ(進相コンデンサ = 力率改善):

目的:遅れ無効電力の補償

効果:コンデンサの進み無効電力でモーター等の遅れ無効電力を打ち消す

用途:工場・ビルの力率改善設備、変電所の調相設備

電気工事士が扱うのは主に②の並列コンデンサ(電力用)。本問①の直列コンデンサは電子回路・通信機器で多用される。

【RC 直列回路の過渡現象】

直流電源に RC 回路を接続した瞬間(スイッチ投入)の電流・電圧変化:

  • スイッチ投入直後:コンデンサは短絡(V_C = 0)、電流は V/R でピーク
  • 充電が進むにつれて:V_C が指数関数的に上昇、電流が指数関数的に減少
  • 定常状態:V_C = V(電源電圧)、電流 = 0(完全充電)

時定数 τ = RC [s]:電圧が最終値の約 63.2% に達するまでの時間

本問:τ = 60 × 40×10⁻⁶ = 2.4ms

→ 約 5τ(12ms)で完全充電と見なせる

この過渡現象はディジタル回路のパルス幅整形・積分回路・微分回路の原理。

【電験三種への接続】

電験三種「理論」では RC・RL・RLC 回路の過渡現象(微分方程式の解・ラプラス変換による解法)が重要出題範囲。直流・交流両方の入力に対する電流・電圧の過渡応答を計算する。

インピーダンスの周波数特性(Z-f 特性)を利用したフィルタ設計(カットオフ周波数の計算)も「理論」の応用問題として頻出。

第二種電気工事士では「RC 直列のインピーダンスは Z = √(R²+X_C²)」「電流は V/Z」「コンデンサ回路では電流が電圧より進む」の 3 点を確実に覚え、RL と RC の混乱を避けることが重要。

この問題の根拠出典:電気技術者試験センター公表の出題範囲(第二種電気工事士試験)を参照した合格ナビ独自作成
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:電気技術者試験センター公表の出題範囲(第二種電気工事士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-12)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

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