第二種電工
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

第二種電工 電気の基礎理論 問77|可動鉄片形計器の特性

問題

第二種電工 | 電気の基礎理論 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-12

可動鉄片形計器に関する記述として、正しいものはどれか。

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正解は ウ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ

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解説

可動鉄片形計器は、コイルに電流を流すと生じる電磁力で鉄片(軟鉄片)を吸引・反発させて指針を動かす計器(正答ウ)。コイルに電流が流れると鉄片が吸引される力は電流の極性(向き)に関係なく、常に「引っ張られる」方向に働くため、交流でも直流でも使用できる。指示値は電流の実効値(RMS値)を示す。アは誤り(可動鉄片形は交直両用)。イは可動コイル形の説明で誤り(可動鉄片形の目盛りは非等間隔・2乗特性)。エは熱電形計器の説明で誤り。商用周波数(50/60Hz)の交流測定に広く使われる計器。

可動鉄片形計器の特性を問う問題。他の計器との比較で整理する。

【可動鉄片形計器の動作原理】

コイルに電流(I)を流すと磁界が発生し、コイル内に置かれた軟鉄片が吸引・偏向される。

力 F ∝ I²(吸引力は電流の2乗に比例)

電流の向きが逆になっても(交流の場合)、磁界の向きと鉄片の磁化の向きが同時に逆になるため、吸引力の向きは変わらない → 交直両用で使える

指示角 θ ∝ I²(非線形・2乗特性)→ 目盛りは不等間隔(小電流側が密・大電流側が広い)

指示値:交流の場合は実効値(RMS値)を示す(I²の時間平均の平方根 = 実効値)

【主要計器の特性比較】

種類交直指示値目盛り
可動コイル形直流専用平均値等間隔
可動鉄片形交直両用実効値不等間隔(2乗)
整流形交流平均値(実効値換算表示)等間隔(正弦波前提)
熱電形交直両用真の実効値不等間隔

【各選択肢の判定】

ア(直流専用):誤り。可動鉄片形は交直両用

イ(等間隔目盛り):誤り。等間隔は可動コイル形。可動鉄片形は2乗特性で不等間隔

ウ(交直両用・実効値):正答

エ(熱電対内蔵):誤り。熱電形計器の説明

【使用場面】

屋内配線の電流測定・商用周波数の交流回路でよく使われる(電流計・電圧計として)。

感度は可動コイル形より劣るが、頑丈で大電流向き。

可動鉄片形計器の動作原理・設計・実効値の意味・現代計器との比較まで体系的に整理する。

【可動鉄片形計器の詳細動作原理】

吸引型(円盤型):

①コイルに電流 I を流す → コイル内部に磁界 H = NI/l が生じる

②コイル内の軟鉄片(扇形)が磁化 → 吸引力で偏向

③偏向トルク T_drive ∝ I² × dM/dθ(M:相互インダクタンス、θ:偏向角)

④バネ制動トルク T_spring = K × θ と釣り合う位置で停止

指示角 θ = (1/K) × I² × dM/dθ(θ に非線形依存 → 不等間隔目盛り)

反発型(2枚鉄片型):

コイル内に固定鉄片と可動鉄片の2枚を配置。電流で両鉄片が同じ極性に磁化 → 同極同士の反発力で可動鉄片が偏向。

吸引型より振れ角が大きく取れる(使いやすい)。

【実効値(RMS値)の物理的意味】

実効値 = 交流電流と同じ熱効果(ジュール熱)を生じさせる直流電流値:

I_rms = sqrt(1/T ∫₀ᵀ i(t)² dt)

可動鉄片形の偏向トルク ∝ I² の時間平均 = I_rms²

→ 自然に実効値に比例した角度で静止する → 実効値計として動作

正弦波 i(t) = I_max × sin(ωt) の場合:

I_rms = I_max / √2 = 0.707 × I_max

波形歪み(インバータ・PWM出力)の場合でも:

可動鉄片形は i(t)² の時間平均 → 波形形状によらず常に「真の実効値」を指示

→ 可動鉄片形は「True-RMS」計器に分類される(整流形は正弦波前提で波形歪みに誤差)

【可動鉄片形計器の誤差要因】

①周波数誤差:

高周波では渦電流・ヒステリシス損が増大 → 商用周波数(50/60Hz)の測定が最適域

精密型では周波数補正回路を追加(測定精度±0.5%、周波数範囲 45〜65Hz)

②温度誤差:

コイル抵抗の温度変化(特に電圧計として使う場合)→ 電圧コイルの直列抵抗に温度補償抵抗(マンガニン)を使用

③磁気ヒステリシス誤差:

前回の大電流測定後に残留磁気 → 次の測定値が影響を受ける

→ 軟鉄片の材質(珪素鋼板・アモルファス鉄)選択で低減

【デジタル計器との比較】

現代のデジタルマルチメータ(DMM)の実効値測定:

True-RMS DMM:A/D変換でサンプリング → マイコンで RMS = sqrt(1/N × Σi[n]²) を演算

サンプリング周波数:10〜100kHz(高調波成分まで測定可能)

可動鉄片形の周波数上限:500Hz〜1kHz(機械的応答限界)

アナログ計器(可動鉄片形)の利点:

①電池不要・停電時も使用可

②衝撃・振動に強い(機械構造)

③連続的な指針で変動がわかりやすい

④電磁ノイズの影響が少ない(電子回路なし)

現場での使い分け:

配電盤パネル電流計 → 可動鉄片形(頑丈・電源不要・大文字盤)

精密計測 → True-RMS DMM(波形歪み対応・高精度)

活線作業での電流測定 → クランプメータ(非接触)

【インバータ時代の計器選択の重要性】

2025年以降の電気設備には多数のインバータが普及:

空調・ポンプ・コンプレッサ → PWMインバータ駆動

LED照明・スイッチング電源 → 非正弦波電流

整流形計器(正弦波前提)で測定 → 大きな誤差(±10〜30%)

可動鉄片形(True-RMS)・熱電形 → 波形歪みに関わらず正確

省エネ法の定期報告(エネルギー管理)では「真の実効値」でエネルギーを計測する要件あり

→ インバータ設備の多い現場では True-RMS 計器の使用が事実上必須

【電験三種への接続】

電験三種「理論」:各種電気計器の特性(計器の種類・交直両用性・指示値の種類・目盛り特性)・実効値の定義と計算が必出。「法規」:電力量計の検定制度(計量法)・インバータ設備のエネルギー計測基準(省エネ法施行規則)。

第二種電気工事士では「可動鉄片形 = 交直両用・実効値指示・不等間隔目盛り」の3点をセットで覚えることが基礎。可動コイル形(直流専用・平均値・等間隔)との対比表を頭に入れておくと選択肢の誤りを瞬時に見抜ける。

この問題の根拠
  • エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律e-Govで原文を読む
条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:電気技術者試験センター公表の出題範囲(第二種電気工事士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-12)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の出題範囲分析に基づき、オリジナル問題と段差のある3段階の解説を作成しています。

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