第二種電工 電気の基礎理論 問80:電気の基礎理論
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-12)
絶縁抵抗計(メガー)の使用方法に関する記述として、誤っているものはどれか。
- ア絶縁抵抗を測定する前に、電路の電源を必ず切ってから測定する
- イコンデンサが接続されている回路では、測定後に必ずコンデンサを放電してから端子を外す
- ウ測定端子(L 端子・E 端子)は、測定対象の絶縁抵抗値に関係なく接続方法を変えなくてよい正答
- エ絶縁抵抗計は直流高電圧を発生させて測定するため、活線(充電中)の回路への接続は禁止されている
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絶縁抵抗計(メガー)の使用方法で「誤り」を選ぶ問題(正答ウ)。ウは「接続方法を変えなくてよい」と記述しているが、これは誤り。正しくは「L端子(Line)を測定対象の電路側に、E端子(Earth)を接地側に正しく接続する必要がある」。接続を逆にしたり、コンデンサの漏電保護経路が正しく構成されないと正確な測定ができない。ア(電源を切ってから測定)・イ(コンデンサの放電必須)・エ(活線への接続禁止)はいずれも正しい安全手順。メガーは直流500Vまたは1000Vの高電圧を発生するため、活線回路への接続は絶対禁止。
絶縁抵抗計(メガー)の正しい使用手順と注意事項を整理する問題(誤りを選ぶ)。
【絶縁抵抗計(メガー)の基本】
絶縁抵抗計は直流高電圧(500V・1000V等)を回路と大地(または外被)間に印加し、漏れ電流を測定して絶縁抵抗 [MΩ] を算出する計器。
R = V / I_leak(I_leak:漏れ電流)
測定対象:電線・機器の絶縁被覆・変圧器巻き線・電動機の固定子 vs 外被等
【正しい使用手順(安全手順)】
①測定前に電源を遮断(選択肢ア:正しい)
②電路に接続されているコンデンサ・サージアブソーバを確認
③E端子(接地端子)を大地(アース端子)に接続
④L端子(ライン端子)を測定対象の導体(電線・端子台)に接続
→ L/E 端子は正しく使い分ける必要がある(ウの「変えなくてよい」は誤り)
⑤測定スタート → 指示値が安定するまで待つ(数秒〜1分)
⑥測定終了後、コンデンサが接続された回路では必ず放電処置(選択肢イ:正しい)
(放電せずに端子を外すとスパーク・感電リスク)
⑦活線(充電中)の回路への接続は絶対禁止(選択肢エ:正しい)
【L/E 端子の使い分けが必要な理由】
L端子:測定電圧の高電位側(内部発電機の + 側)
E端子:接地側(内部発電機の - 側・シールドに接続)
誤接続すると:測定誤差・シールド電流の影響・漏れ電流経路の混乱
【正答確認】
ウ:L/E 端子の接続方法を変えなくてよい → 誤り(必ず正しく使い分ける)
絶縁抵抗計の測定原理・規定値・判定基準・現場での注意点まで体系的に整理する。
【絶縁抵抗計の内部構造と測定原理】
①内部発電機(または DC-DC コンバータ):直流高電圧を発生
手動型メガー(アナログ):手回し発電機(ハンドル操作)
電子式メガー(デジタル):電池から DC-DC コンバータで高電圧生成(9V 乾電池 → 1000V DC)
②測定電圧(定格電圧)の選択:
低圧回路(300V 以下):500V メガー
低圧回路(300V 超):1000V メガー
高圧回路(600V 超):5000V メガー(特別高圧・変圧器測定用)
③測定原理:
大地(または外被)と電路間に高電圧 V を印加
絶縁抵抗が高い(正常):漏れ電流 I_leak ≒ 0 → R = V/I_leak → ∞ に近い
絶縁抵抗が低い(劣化・故障):I_leak が大きい → R が低い値を示す
【絶縁抵抗の法定基準値(電気設備技術基準・解釈第 14 条)】
電路の使用電圧区分 | 絶縁抵抗値
300V 以下 対地電圧 150V 以下 | 0.1MΩ 以上
300V 以下 対地電圧 150V 超 | 0.2MΩ 以上
300V 超 | 0.4MΩ 以上
本問で扱うメガーの使用場面:
第二種電気工事士の作業対象:低圧(600V 以下)→ 500V メガーで 0.1〜0.4MΩ 以上を確認
【測定時の注意事項(詳細)】
①電源遮断(アの根拠):
メガーが発生する 500〜1000V DC を活線回路に印加 → 短絡・アーク・機器破損のリスク
ブレーカー OFF → 検電器で無充電を確認 → メガー接続の手順が必須
②コンデンサの放電(イの根拠):
コンデンサは測定電圧(500V)に充電される → C = 10μF・V = 500V の場合:
蓄積エネルギー = ½CV² = ½ × 10×10⁻⁶ × 500² = 1.25J
人体が受ける電気エネルギーとして危険 → 放電抵抗(数kΩ)を通じて完全放電後に端子を外す
③活線禁止(エの根拠):
充電中の回路に 500〜1000V の測定電圧が重畳 → 異常高電圧が回路全体に現れる
機器絶縁破壊・感電・発火のリスク
④L/E 端子の正確な接続(ウの正しい情報):
Linen(L)端子:被測定回路(電路側)に接続
Earth(E)端子:大地・アース端子・外被に接続
Gaurd(G)端子(3端子型):表面漏れ電流をバイパス → 体積抵抗のみ測定(高精度測定用)
G 端子(ガード端子)の役割:
絶縁材料の表面に水分・汚れがある場合、表面を這う漏れ電流が混入 → 絶縁抵抗が低く見える誤差
G 端子にガード電極を接続 → 表面漏れをバイパス → 体積抵抗のみを正確に測定
【PI(分極指数)・DAR(誘電吸収比)による劣化診断】
単発の絶縁抵抗値だけでなく、時間変化で絶縁劣化をより正確に評価:
PI(Polarization Index)= R₁₀min / R₁min(10分後/1分後の抵抗比)
PI ≥ 2.0:良好
1.0〜2.0:要注意
< 1.0:劣化・使用禁止
DAR(Dielectric Absorption Ratio)= R₆₀s / R₃₀s(60秒/30秒の比)
DAR ≥ 1.6:良好
1.4〜1.6:許容範囲
< 1.4:劣化の可能性
電動機・変圧器の予防保全:年1回の PI/DAR 測定でトレンドを管理し、急激な低下を早期検知。
【絶縁抵抗と接地抵抗の違い(混同注意)】
絶縁抵抗(メガーで測定):
電路と大地間の「絶縁」の質を測定(高いほど良い = 0.1MΩ以上必要)
測定電圧:直流高電圧(500V・1000V)
接地抵抗(接地抵抗計で測定):
接地電極と大地間の「繋がり」の質を測定(低いほど良い = D種は100Ω以下)
測定原理:交流電流を補助電極に流して電圧降下を測定(コールラウシュブリッジ法)
両者の測定タイミング:
電気設備の使用前検査・定期点検の両方で実施が義務付けられている(電技解釈第 14 条・第 17 条)
【電験三種への接続】
電験三種「法規」:電路・機器の絶縁抵抗基準(電技解釈第 14 条)・絶縁抵抗測定の実施タイミング・電気工事士法の定期点検義務。「理論」:絶縁体の誘電特性・絶縁劣化の電気的特性(PI/DAR の理論的根拠)。
第二種電気工事士では「電源を切ってから測定」「コンデンサは放電してから端子を外す」「活線接続禁止」「L/E端子は正しく使い分ける」の4点が安全確保の鉄則。実技試験でも絶縁抵抗測定は頻出であり、メガーの端子接続と測定値の規定値(0.1MΩ/0.2MΩ/0.4MΩ)を正確に記憶することが合格への必須条件。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:出典:電気技術者試験センター公表の出題範囲(第二種電気工事士試験)を参照した合格ナビ独自作成 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-12)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の出題範囲分析に基づきオリジナル問題と段差性のあるAI解説を作成しています。