問題
図に示すサイリスタ(逆阻止3端子サイリスタ)回路の出力電圧v0の波形として,得ることのできない波形は。ただし,電源電圧は正弦波交流とする。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
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解説
サイリスタは「一方向にしか電流を通さない」「ゲートに信号を入れたときに電流が流れ始める」という性質をもつ半導体です。図の回路では、電源の正の半周期でゲート信号を入れた瞬間から出力が出て、電流が0になる半周期の終わりまで流れ続けます。負の半周期は逆向きなので電流は流れず、出力は0です。エの波形は、正の半周期の途中で出力が切れ、さらに負の電圧まで出ているので、この回路では作れません。正答はエです。
逆阻止3端子サイリスタには次の性質があります。①順方向(アノード→カソード)の電圧がかかっているときに、ゲートに信号を入れるとオン(導通)する。②一度オンすると、ゲート信号を取り去っても、電流が0になるまでオンし続ける(ゲートではオフできない)。③逆方向には電流を流さない。抵抗負荷の図の回路では、正の半周期のどこかでゲート信号を入れればその瞬間から出力が現れ、半周期の終わり(電圧が0になる点)で自然にオフします。ア(制御角0°)、イ(約30°)、ウ(約90°)はいずれも点弧の時刻を変えた位相制御の波形で、得られます。エは、正の半周期の途中で出力が0になっており(②に反する)、負の半周期に負の電圧が出ている(③に反する)ため、得られません。正答はエです。
本問はサイリスタによる単相半波の位相制御で、得られる出力波形の条件を問う問題です。
【得られる波形の条件】
- 出力が現れるのは正の半周期だけ(逆阻止)
- 出力が始まるのは点弧(ゲート信号)の時刻で、制御角αで表す
- 抵抗負荷では、出力は電源電圧が0になる点(180°)まで続き、そこで自然にオフ
つまり、得られるのは「正の半周期のαから180°まで」の波形だけです。
【各波形の判定】
- ア:α=0°。ダイオードによる半波整流と同じ形で、得られる
- イ:α≒30°。正の半周期の途中から出力され、得られる
- ウ:α≒90°。電圧の最大値の位置から出力され、得られる
- エ:0°〜90°で出力して90°で切れ、さらに負の半周期の90°から180°に負の出力がある。途中で消すことも負の電圧を出すこともできないので、得られない
【出力電圧の大きさ】抵抗負荷の単相半波位相制御では、出力電圧の平均値はV_d=(√2V/2π)(1+cosα)[V](Vは電源電圧の実効値)で、αを大きくするほど小さくなります。α=0°で√2V/π≒0.45V、α=90°でその半分です。
【関連する素子】正負の両方向に位相制御したい場合は、2個のサイリスタを逆向きに並列にするか、双方向に導通できるトライアックを使います。また、ゲート信号で途中でオフできる素子としてはGTO(ゲートターンオフサイリスタ)やIGBTなどがあり、インバータに用いられます。普通のサイリスタは「ゲートでオンはできるがオフはできない」点が、本問を解く決め手です。
出典と作り方
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和4年度(午後) 第一種電気工事士 学科試験 問13(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-14)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。


